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  1. 2018.05.01 피미행자 - 일본어
  2. 2018.05.01 피미행자 - 한국어

피미행자 (被尾行者)

고사카이 후보쿠 (小酒井 不木) (1929)

일본어 원문


 市内電車の隅の方に、熱心に夕刊を読んでいる鳥打帽の男の横顔に目をそそいだ瞬間、梅本清三の心臓は妙な搏(う)ち方をした。

「たしかに俺をつけているんだ」清三は蒼ざめながら考えた。「あれはきょう店へ来た男だ。主人に雇われた探偵にちがいない。主人はあの男に俺の尾行を依頼したんだ」

 清三は貴金属宝石を商う金星堂の店員だった。そうして、今何気ない風を装ってうす暗い灯の下で夕刊を読んでいる男が、今日店を訪ねて、主人と奥の間で密談していたことを清三はよく知っていた。

 密談! それはたしかに密談だった。あの時主人に用事があってドアの外に立った時、中でたしかに自分の名が語られているように聞えた。もとより小声でよくはわからなかったけれど、ドアをあけた時、主客が意味ありげに動かした眼と眼を見て、その推定は強められた。そうして今、この同じ電車の中で彼の姿を見るに及んで、清三はいよいよ主人の雇った探偵に尾行されていることを意識したのである。

「やっぱり、主人は気附いたんだ」

 清三はうつむきながら考えこんだ。彼の頭はその時、自分の犯した罪の追憶で一ぱいになって来た。

 恋人の妙子を喜ばせたさに無理な算段をした結果、友人に借金を作り、それを厳しく催促されて、やむを得ず彼は店の指輪を無断で拝借して質に置いたのである。店の品物の整理係をつとめているので、こんど整理の日が来るまでにお金を作って質屋から請出し、そのままもとにかえして置けばよい、こう単純に考えて暮して来たのだが、それが思いがけなくも、主人に勘附かれたと見える……

「なぜ、あんなことをしたのだろう」

 こうも彼は思って見た。大丈夫発覚はすまいと思った自信が彼を迷わしたのだ。自分はなぜ男らしく、主人に事情を打ちあけてお金を借りなかったのか。

 けれども、恋人のために金がいると話すのは何としても堪え難いところであった。それかといって、主人に知れてしまった今となっては、所詮一度は気まずい思いをせねばならない。その結果、店にいることすら出来なくなるかも知れない。

「だが、主人とても、まだはっきり自分が盗んだとは思うまい。ほかにまだ数人の店員がいるのだから、いっそいつまでも黙って突張ろうか」

 遂にはこんな自暴自棄な考えまで起こった。

 いつの間にか乗客が殖えて、清三と鳥打帽の男との間は遮(さえぎ)られた。清三が恐る恐る首をのばして男の方をながめると、男は相変らず夕刊に耽っていた。

 清三は、今のうちに立ち上った方がよいと思って、次の停留場が来るなり、こそこそと電車を降りた。すると、幸いにも、そこで降りたのは、彼ともう一人、子を負んだ女の人だけだったので、むこうへ走って行く電車を見送りながら、清三はほッと太息(ためいき)をついた。

 今頃探偵はきッと自分のいないことを発見したにちがいない。そうして次の停留場で降りるにちがいない。こう思って彼は急ぎ足で鋪石を踏みならしながら、第一の横町をまがった。するとそれが、いやに人通りの多い町で、馬鹿にあかるく、道行く人がじろじろ彼の顔をながめるように思えたので彼は逃げるように、更にある暗い横町にまがった。いつもならば彼はまっすぐに下宿に帰るのだが、今夜はその勇気がなかった。それに少しも空腹を覚えなかったので、彼はどこかカフェーへでも行って西洋酒を飲もうと決心した。

 ぐるぐると暗い街をいい加減に歩いて、やがて賑かな大通りが先方に見え出したとき、ふと傍に、紫色の硝子にカフェー・オーキッドと白く抜いた軒燈を見た。外観は小さいが、中はテーブルが五六十もあるカフェーで、いつか友だちと来たことがあるので、彼は吸い寄せられるようにドアを押した。

 客はかなりにこんでいたが、都合よく一ばん奥のテーブルがあいていたので、常になくくたびれた気持で清三は投げるように椅子に腰かけた。そうして受持の女給にウイスキーを命じ、ポケットからバットを取り出して見たものの、マッチを摺るのが、いやに恥かしいような気がして躊躇した。

「あら、梅本さんお久しぶりねえ」

 突然、通りかかった一人の女給が声をかけた。見るとそれは、かつて恋人の妙子と共にM会社のタイピストをしていた女である。二三度妙子の下宿であったのだが、まさかカフェーの女給をしていようとは思わなかった。

「やあ」清三はどぎまぎしながら答えた。そうして無理ににこにこしようとしたが、それは、へんに歪んだ顔になっただけであった。

「どうかなすったの? 妙子さんは相変らずお達者?」と、彼女は意味ありげな顔をしていった。

「妙子さんにも随分永らく御無沙汰いたしましたわ。わたし、色々の事情があって、とうとうこんなことを初めるようになりましたの。ここではよし子といっておりますのよ。これから時々来て下さいねえ。またあとでゆっくり話しに来ますわ」

 こういい置いて、彼女は忙しそうに去った。

 重くるしい感じが一しきり清三を占領した。が、女給の持って来たウイスキーをぐっと一息にのむと幾分か心が落ちついて来た。そうして、陽気なジャズの蓄音機をきいているうちに、だんだん愉快になって行った。

 が、その愉快な気持も長く続かなかった。続かないばかりか、折角の酔心地が一時にさめるかと思った。というのは、ふと顔を上げて入口の方を見ると、そこに、電車の中で見た鳥打帽の探偵が友人らしい男と頻(しきり)に話しながら陣取っていたからである。

「いよいよ俺をつけているんだな。それにしてもどうして俺がここへはいったことを知っていたのだろう。たしかに電車からは一しょに下りなかった筈だのに」

 彼は探偵というものが、超人的の力を持っているのではないかと思った。こんなに巧に追跡されては、所詮自分の罪もさらけ出されてしまうだろう。と考えると冷たいものが背筋を走った。

 友人とさもさも呑気そうに話していながらたえず自分の行動を注視しているかと思うと薄気味が悪かった。清三はもう一刻もカフェーにいたたまらなくなったけれど、入口をふさがれているので、いわば身動きも出来ぬ苦境に陥れられたようなものである。

 その時さっきの女給がとおりかかった。

「よし子さん」と、彼は小声で呼びとめた。「実はあそこに僕の厭な人間が来ているんです。ここの家は裏へ抜けられないかしら?」

「抜けられますわ」

「それじゃ奥へ話して僕を出してくれませんか」

「よろしゅう御座います」

 やがて彼は勘定を払って、よし子の案内で勝手場から裏通りへ出た。

 星は罪のない光を発して、秋の夜空を一ぱい埋めていた。清三は用心深くあたりを見まわしたが、探偵らしい影はなかった。彼は泣きたいような気持になって、ひたすらに下宿へ急いだ。明日の日曜日の午後には妙子を訪問する約束になっているのだが、こんなに探偵に監視されては、外出するのが恐ろしかった。

 清三は罪を犯したものの心理をいま、はっきり味わうことが出来た。僅な罪でさえこれであるのに、人殺しでもしたら、どんなに苦しいのか、きっと自分ならば発狂してしまうにちがいないと思った。

 とりとめのない感想に耽りながら、彼は、歩くともなく歩いて、いつの間にか下宿の前に来ていた。彼は立ちどまってあたりを見まわし、そっと入口の格子戸をあけ、あわただしく主婦に挨拶して、走るように二階にあがった。多分もう八時を過ぎているだろうと思ったが時計を見る勇気さえなかった。

「梅本さん、お夕飯は?」階段の下で主婦の声がした。

「いりません」

「お済みになって?」

「まだ」

「まあ、では拵えましょう」

「いえ、いいんです。食べたくないんです」

 いつもならば、机に向って円本の一冊を開くのだが、今夜はとてもそんな気になれなかった。急いで床をとって寝ようとすると、主婦は膳をもってあがって来た。

「もうはや、おやすみになりますの、折角拵えたから、少しでもあがって下さい」こういって彼の前に膳を据えた。そうして自分も坐りながら、暫く躊躇してからいった。

「実は今日のおひるからお留守にあなたのことをききに来た人がありますのよ」

 清三はぎょッとした。「え? それではもしや鳥打帽をかぶった、色の黒い……」

「ええ、よく御存じで御座いますねえ、実は黙っていてくれとの御話でしたけれど、何だかいいお話のように思えましたので」

「何という名だといいました?」

「名刺を貰いましたよ」こういって主婦は袂(たもと)から名刺を取り出した。清三が顫える手で受取って見ると「白木又三郎」という名で、隅には「国際生命保険会社」とその番地電話番号が印刷されてあった。

「どこまで探偵というものは狡猾なものだろう。彼は店を出るなりすぐその足で生命保険会社員となってここへさぐりに来たのだ」

 こう考えてから、彼は思わず叫んだ。

「馬鹿にしてる。生命保険がきいてあきれる」

「え? 名前がちがいますか」主婦は驚いてたずねた。

「いや……それで何をきいて行きましたか」

「あなたの故郷だとか、生立ちだとかでした。もとより私は委しいことは知りませんから、何も申しませんでしたが、ただ本籍だけはいつか書いたものを頂きましたので、それを見せてやりました」

「それだけですか、それから何か僕の品行だとか……」

「いいえ別に。何だか話振(はなしぶり)から察すると、あなたに福運が向いているように思われましたよ」

 福運どころか、どえらい不運だ! と、清三は思った。やがて主婦が、食べて貰えなかった膳をもって去るなり、彼は直に床の中にはいったが、案の如く容易に寝つかれなかった。だんだん背中があたたまって来ると、過去の記憶が絵草紙を繰るようにひろげられた。両親に早く死に別れ、たった一人の叔父に育てられたのだが、その叔父と意見があわず、遂にとび出して数百里も隔った土地で暮すようになるまでの、数々の苦しい経験が次々に思い出されて来た。その後叔父とはぱったり消息を絶って、今はその生死をさえ知らぬのだか、今夜はその叔父さえ何となくなつかしくなって、探偵に尾行される位ならば、いっそ叔父のところへ走って行って暫くかくまって貰おうかとさえ思った。

 二時間!三時間! やっとカルモチンの力で眠りにつき、眼のさめた時は、秋の日光が戸のすき間から洩れていた。いつもならばこの光りをどんなに愛したか知れない。それだのに今日は、その光りが一種の恐ろしさを与えた。そうして頭は、昨日からのことで一ぱいになった。

 彼はしみじみ自分の罪を後悔した。けれども今はもう後悔も及ばなかった。それかといって、どうしてよいか判断がつかなかった。

 愚図々々しているうちに正午近くなった。彼はやっと起き上って昼めしをすまし、さて妙子との約束の時間が迫っても、何となく気が進まなかった。

 けれども、妙子には心配させたくなかった。で、とうとう重たい足を引摺るようにして、家を出たのだが、幸いにして、恐れていた探偵の姿はそのあたりに見とめられなかった。

 半時間ほど電車に乗って目的地で降りたときは、さすがに恋人にあう嬉しさが勝って、重たい気分の中に一道の明るさが過(よぎ)った。

 が、恋人の止宿している家の二三軒手前まで行くと、彼は思わずぎょッとして立ちすくんだ。丁度その当の家から、あの、まごう方なき探偵が、五六歳の子供をつれて出て来たからである。

 清三は本能的に電柱の蔭に身をかくした。探偵は幸いに反対の方向に歩き去ったので彼はほッとした。けれども、それと同時に不安が雲のように湧き起こった。

「どこまで狡猾な男だろう。何気ない風をして、きっと妙子にあって自分のことをきいたのだろう。それにしても子供を連れて来るとは何という巧妙な遣り口だろう。まるで散歩しているように見せかけて、その実熱心に探偵してあるくのだ」

 清三は恐ろしい気がしたので、いっそそのまま引き返そうと思ったが、その時二階の障子があいて妙子のにっこりした顔が招いたので、思わずも引きつけられて、中へはいった。

 清三は、嬉しそうに迎えてくれた妙子の顔を暫く見つめていたが別に何の変った様子も見られなかった。

「妙子さん」彼は遂に堪えられなくなっていった。「今このうちから子供を連れた男の人が出て行ったが、もしや妙子さんにあいに来たのでない?」

「いいえ」と妙子は驚いた様子をした。「何だか下へ御客様があったようだけれど、どんな人だか知らぬわ」

「きっとあわなかった?」

「ええ、なぜそんなことをきくの?」

「それでは、下の小母(おば)さんにきいて来て下さい、今の人は何しに来たといって」

 妙子は怪訝(けげん)そうな顔をしたが、清三の様子が一生懸命だったのですなおに下へ行った。そうして暫くの後戻って来た。

「あの方はある生命保険会社につとめている人で、こちらの親戚ですって。今日は日曜日だから、御子さんを連れて散歩に出かけ、こちらへお寄りになったそうです」

「ちがう、ちがう」と、清三は叫んだ。「まだほかに重大な用事があったんです」

「あら、なぜ……?」

 清三の顔はにわかに血走って来た。

「妙子さん!」

「え?」

「僕は……僕は……」

 彼はもう辛抱し切れなくなって妙子に一切を告白した。

 あくる日彼はいつもより一時間も早く下宿を出た。そうして店で主人の出勤を待ち構えた。彼は妙子から主人に一切を悔悟白状するようすすめられた。「二人が一生懸命になってそのお金を作りましょう」こういわれて彼はすっかり心の荷を下し、ゆうべは安眠して、今朝は上機嫌で出かけたのである。

 やがて主人は、いつものとおりな顔をしてやって来た。

 彼は奥の間へ行って、早速主人に自分の犯した罪を打ちあけた。主人は黙ってきいていたが、その顔には見る見る驚きの色があらわれた。そうして、一通りきき終って、何かいい出そうとすると、丁度その時来客があって、はいって来たのは、外ならぬ探偵であった。

「ああ」と、気軽になった清三は威丈高になっていった。「あなたはきっと僕に御用がおありでしょう」あっけにとられた探偵のうなずくのを尻目にかけて清三は続けた。「けれどもう遅いですよ。あなたはもうこちらの主人の依頼で僕を尾行する必要はなくなりましたよ。僕は今、すっかり主人に白状してしまったのです」

 すると探偵はいった。

「何のことかよくわかりませんが、別にこちらの御主人に依頼されたことも、またあなたを尾行した覚えも御座いません。私は国際生命保険会社の探査部の白木というものです。先日あなたの叔父さんが逝去されて、五千円の保険金を残され、あなたがその受取人になっているのです。そこであなたの捜索にとりかかり遂に一昨日探し出した次第で、こちらへ御伺いしてからなお念のために御留守宅へも行きました。さっきお宿へまいりましたら、はや御出かけになったとのことで、今こちらへ御邪魔したので御座います。どうかこの領収書に署名を願います」

 ポカンとして突立った清三の前に、「探偵」は五千円の小切手と証書とをつきつけた。

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피미행자 (被尾行者)

고사카이 후보쿠 (小酒井 不木) (1929)

번역 : 홍성필


전철 구석에 서서 열심히 석간을 읽고 있는 헌팅캡(일명 도리우찌라고 불리는 사냥용 모자 - 역자 주)을 쓴 사내의 옆모습을 본 순간 우메모토 세이조(梅本 淸三)의 심장은 두근거리기 시작했다.

“틀림없이 내 뒤를 밟고 있어.”

세이조는 창백해지며 생각했다. “저건 오늘 가게에 온 녀석이다. 주인한테 부탁 받은 탐정이 분명해. 주인은 저 녀석한테 내 뒤를 밟으라고 부탁한 거야.”

세이조는 귀금속 보석을 파는 금성당(金星堂) 점원이었다. 그리고 지금 아무렇지도 않은 듯이 어두컴컴한 불빛 밑에서 석간을 읽고 있는 사내가 오늘 밤 가게를 찾아와서 주인과 안쪽 방에서 밀담을 나누고 있었다는 것을 세이조는 잘 알고 있었다.

밀담! 그것은 분명 밀담이었다. 그 때 주인에게 볼일이 있어 문밖에 섰을 때 안에서는 분명 자기 이름을 거론하는 것처럼 들렸다. 워낙 소리가 작아서 자세히는 못 들었으나 문을 열었을 때 주인과 손님이 의미심장하게 움직인 눈짓들을 보고 생각은 굳어졌다. 그리고 지금 같은 전철불빛 아래에서 그의 모습을 보게 되자 세이조는 점점 주인이 고용한 탐정한테 미행당하고 있다는 것을 의식한 것이다.

“역시 주인이 알아차렸어.”

세오조는 고개를 숙이면서 생각했다. 그의 머리는 그때 자신이 저지른 죄의 기억으로 가득 차 있었다.

애인인 다에코(妙子)를 기쁘게 하기 위해 무리를 한 결과 친구에게 빚을 졌는데 너무나도 재촉이 심해 부득이하게 그는 가게에 있는 반지를 몰래 가지고 나와 전당포에 맡겼던 것이다. 가게 물건관리를 맡고 있기에 이번 정리기일이 올 때까지 돈을 만들어 전당포에서 찾아와서 그대로 되돌려놓는다면 괜찮다고 단순히 생각하고 있었는데 뜻밖에도 주인한테 발각된 것 같다…….

“왜 그런 짓을 했을까.”

그는 이렇게 생각했다. ‘괜찮아, 절대 들키지 않아’라는 생각이 그를 미혹한 것이다. 자신은 왜 남자답게 주인에게 모든 것을 털어놓고 돈을 빌리지 않았을까.

하지만 애인을 위해 돈이 필요하다고 말하기에는 너무나도 마음이 언짢았다. 그렇다고 주인한테 들킨 지금에 와서는 어차피 한 번은 고초를 겪어야 한다. 그 결과 가게에서 해고당할지도 모른다.

“하지만 주인이라고 해도 아직 분명히 내가 훔쳤다고 생각하지는 않겠지. 다른 직원들도 몇몇 있으니까 이대로 아무 말 없이 버텨볼까.”

결국에는 이런 자포자기한 생각까지 하기에 이르렀다.

어느새 승객들이 늘어나고 세이조와 플랫캡을 쓴 사내 사이가 가로막혔다. 세이조가 조심스럽게 목을 빼고 사내 쪽을 바라보자 그는 여전히 석간신문을 읽고 있었다.

세이조는 그 틈을 타서 빠져나가야겠다고 생각하고 다음 정거장이 오자마자 몰래 전철에서 내렸다. 그러자 다행스럽게도 거기서 내린 사람은 세이조와 아이를 업은 여성뿐이었으므로 떠나가는 전철을 보내며 세이조는 안도의 숨을 내쉬었다.

지금쯤 탐정은 분명 자신이 사라졌다는 사실을 발견했을 것이다. 그리고 다음 정거장에서 내리겠지. 이렇게 생각한 그는 서둘러 빠른 걸음걸이로 첫 번째 골목으로 들어갔다. 그러자 거기는 사람들의 왕래가 매우 많은 곳이었으며 유난히 밝았고, 지나가는 행인들이 그의 얼굴을 쳐다보는 것 같아 그는 도망치듯 어느 어두컴컴한 골목으로 들어갔다. 여느 때라면 그는 곧바로 하숙집으로 돌아갔겠으나 오늘 밤은 그럴 용기가 나지 않았다. 더구나 다소 허기도 졌기에 그는 근처 카페에라도 들어가서 양주라도 마시기로 했다.

빙글빙글 어두운 거리를 대충 걷고 있었더니 이윽고 넓은 번화가로 접어들 무렵, 문득 옆에 보랏빛 유리창에 ‘카페 오키드’라는 흰 네온사인을 발견했다. 외관은 작지만 안에는 테이블이 50~60이나 있는 카페였으며 예전에 친구들과 함께 온 적도 있었으므로 그는 빨려들어가듯 문을 밀었다.

손님은 상당히 많았으나 다행히 가장 안쪽 테이블이 비어있었다. 세이조는 평소보다 무척이나 피곤했었기에 몸을 내던지며 털썩 앉았다. 그리고 담당 종업원에게 위스키를 시키고는 주머니에서 담배를 꺼냈으나 성냥으로 불을 켜기가 왠지 쑥스러워 주저하고 있었다.

“어머, 우메모토 씨. 오랜만이시네요?”

문득 옆을 지나치던 한 종업원이 말을 걸어왔다. 자세히 보자 연인이었던 다에코와 함께 옛날에 M회사에서 타이피스트를 하던 여성이다. 두세 번 다에코가 묵고 있던 하숙집에서 본 적이 이었으나 설마 카페에서 종업원을 하고 있으리라고는 생각하지 않았다.

“아.”

세이조는 어쩔 줄 모르면서 대답했다. 그리고 억지로 웃으려고 했으나 어색한 표정을 지었을 뿐이었다.

“무슨 일 있으세요? 다에코 씨는 여전히 잘 지내나요?” 라고 그녀는 의미심장한 얼굴로 말했다.

“다에코 씨를 만난 지도 무척 오래됐네요. 저는 여러 가지 일이 있어서 결국 이런 일을 시작하게 됐어요. 여기서는 ‘요시코’라는 이름으로 불려요. 이제 가끔 들러주세요. 다시 나중에 천천히 말씀드리러 올게요.”

이런 말을 남기고 그녀는 분주하게 사라졌다.

무거운 공기가 걷잡을 수 없게 세이조를 짓눌렀다. 그러나 종업원이 가지고 온 위스키를 단번에 들이키자 마음이 조금 가라앉았다. 그리고 경쾌한 재즈 음악을 듣고 있었더니 점점 마음이 가벼워졌다.

그러나 그 가벼운 마음도 오래가지 않았다. 뿐만 아니라 기껏 올라오기 시작한 술기운이 한꺼번에 깨는 것만 같았다. 문득 고개를 들어 입구 쪽을 보자 거기에 전철 안에서 본 헌팅캡을 쓴 탐정이 친구 같은 사내와 열심히 대화를 나누며 앉아 있었기 때문이다.

“정말 나를 좇고 있군. 하지만 어떻게 내가 여기 있다는 것을 알았을까. 분명 전철에서는 같이 안 내렸을 텐데.”

그는 탐정이라는 족속들이 초인적인 힘을 가지고 있는 것이 아닐까 했다. 이렇게 교묘하게 추적당한다면 언젠가는 자신의 죄도 밝혀지고 말 것이다. 그렇게 생각하자 식은땀이 등줄기를 타고 내려갔다.

친구와 마치 속 편하게 대화를 나누면서도 끊임없이 자신의 행동을 주시하고 있다는 생각을 하자 소름이 끼쳤다. 세이조는 이제 한시도 카페에 머물고 싶지 않았으나 입구가 막혀있었기에 옴짝달싹 할 수 없는 지경이었다.

그 때 방금 전 종업원이 지나갔다.

“요시코 씨.”라고 그는 작은 목소리로 불렀다. “사실 저기에 내가 싫어하는 사람이 와 있거든요. 이 건물에 뒷문으로 빠져나갈 수는 없나요?”

“있어요.”

“그렇다면 안쪽에 얘기해서 나를 내보내주지 않겠어요?”

“좋아요. 알겠습니다.”

이윽고 그는 계산을 마치고서 요시코의 안내로 뒷문을 통해 빠져나왔다.

별은 죄 없는 빛을 발산하며 가을 밤하늘을 가득 매우고 있었다. 세이조는 조심스럽게 주변을 살폈으나 탐정은 없었다. 그는 울먹거리며 서둘러 하숙집으로 향했다. 내일 일요일 오후에는 다에코 집에 방문하기로 했었으나 이렇게 탐정한테 감시를 받고 있다면 외출하기가 무서웠다.

세이조는 죄를 범한 자들의 심리를 지금 분명히 맛볼 수 있었다. 작은 죄라도 이 정도인데 살인이라도 했다면 얼마나 괴로울까. 아마 자기라면 분명 미쳐버릴 지도 모른다고 생각했다.

하염없는 상상을 하며 정신없이 걸었더니 어느새 하숙집 앞에 와 있었다. 그는 멈춰 서서 주변을 살핀 다음 조심스럽게 문을 열고 서둘러 하숙집 아주머니한테 인사를 하고는 허겁지겁 이층으로 올라갔다. 아마도 이제 여덟 시는 넘었을 것 같았으나 시계를 볼 용기조차 나지 않았다.

“우메모토 씨. 저녁은요?” 계단 밑에서 아주머니 소리가 들려왔다.

“됐어요.”

“드시고 오셨나요?”

“아직이요.”

“저런. 그럼 차려놓을게요.”

“아뇨. 괜찮아요. 먹고 싶지 않아요.”

평소라면 책상 앞에 앉아 소설책이라도 볼 텐데 오늘 밤은 도저히 그런 기분이 나지 않았다. 서둘러 이불을 깔고 누우려 하자 아주머니가 쟁반에 식사를 차려서 가지고 올라왔다. 

“벌써 자려고요? 차려놓았던 거니까 조금이라도 드세요.” 이렇게 말하고 쟁만을 내려놓았다. 그리고 자기도 앉으면서 잠시 주저하다가 말을 꺼냈다.

“사실 오늘 낮에 없을 때 우메모토 씨를 찾아온 사람이 왔었어요.”

세이조는 깜짝 놀랐다.

“네? 그럼 혹시 헌팅캡을 쓰고 색이 검은…….”

“네. 잘 아시네요. 사실 말하지 말라고 했는데 왠지 좋은 소식인 것 같아서요.”

“이름이 뭐라고 하던가요?”

“명함을 받았어요.” 이렇게 말하고 아주머니는 주머니에서 명함을 꺼냈다. 세이조가 떨리는 손으로 받아보자 ‘시라기 마타사부로(白木 又三郞)’이라는 이름이었으며, 한 쪽에는 ‘국제생명보험회사’라고 되어 있었으며 번지수와 전화번호가 찍혀 있었다.

“탐정이란 정말 어디까지 교활한가. 그는 가게를 나서자 곧바로 보험회사 직원이 되어 조사하기 위해 나를 찾아온 것이다.”

이렇게 생각하자 그는 자신도 모르게 소리쳤다.

“누굴 바보인줄 알아. 생명보험 좋아하네!”

“네? 이름이 틀려요?” 아주머니는 놀라서 물었다.

“아뇨……. 그런데 무엇을 묻던가요?”

“우메모토 씨 고향이라든가 어떻게 살아왔는가 하는 거죠. 하지만 저는 자세한 걸 모르니까 아무 것도 말하지 않았어요. 다만 본적지는 예전에 적어준 게 있어서 그걸 보여줬어요.”

“그것뿐인가요? 그리고 무슨 평소 행실이나 그런 건…….”

“아뇨. 왠지 말하는 걸 보니까 당신한테 복운이 생긴 것처럼 느껴졌어요.”

‘복운이라니. 엄청난 액운이야!’라고 세이조는 생각했다. 이윽고 먹지 않은 쟁반을 아주머니가 들고 나가자마자 그는 잠자리에 누웠으나 역시 쉽게 잠이 들지는 못했다. 점점 이부자리가 따뜻해지자 과거 기억이 주마등처럼 지나갔다. 조실부모하고 하나뿐인 숙부에 의해 키워졌으나 그 숙부와 의견이 맞지 않아 결국 뛰쳐나와서는 수 천리나 떨어진 곳에서 지내게 되기까지 셀 수 없을 정도로 괴로운 나날들이 떠올랐다. 그 후 숙부와는 소식을 끊고 지금은 생사조차 모르지만 오늘 밤 그 숙부조차 그립게 느껴져서, 탐정한테 미행당할 정도라면 차라리 숙부를 찾아가서 잠시 숨어있게 해달라며 사정이라도 해볼까 하는 생각까지 들었다.

2시간! 3시간! 간신히 수면제 힘으로 잠이 들고는 깨어나자 가을 햇살이 창문 틈으로 새어 들어왔다. 평소라면 이 햇빛을 얼마나 사랑했는지 모른다. 그러나 오늘은 이 햇빛이 일종의 두려움을 불러왔다. 그리고 머릿속에는 어제 일어났던 일들로 가득 찼다.

그는 자신이 저지른 죄를 절실하게 후회했다. 그러나 지금은 이제 후회해도 소용없었다. 그렇다고 해도 어떻게 해야 할지 판단이 서지 않았다.

우물쭈물 하고 있는 사이에 어느새 정오 가까이가 되었다. 그는 간신이 일어나 점심식사를 마치고 다에코와의 약속시간이 다가와도 왠지 마음이 내키지 않았다.

하지만 다에코를 불안하게 만들기는 싫었기에 결국 무거운 발걸음을 질질 끌듯이 집을 나섰으나 다행스럽게도 두려워했던 탐정 모습은 주변에서 찾아볼 수 없었다.

30분 정도 전철을 타고 목적지에서 내렸을 때에는 그래도 애인을 만날 기쁨이 앞서 무거운 마음  속에도 한 줄기 밝은 빛이 비쳤다.

하지만 애인이 하숙하고 있는 집 근처까지 가자 그는 놀란 나머지 멈춰서고 말았다. 마침 그 집에서 틀림없이 그 탐정이 5~6세 되는 아이를 데리고 나왔기 때문이다.

세이조는 본능적으로 전봇대 뒤로 숨었다. 탐정은 다행히 반대쪽으로 걸어갔기 때문에 세이조는 안심했다. 그러나 그와 동시에 불안감이 스쳐지나갔다.

“어디까지 교활한 녀석인가. 아무렇지도 않은 것처럼 분명 다에코를 만나서 나에 대해 캐물었을 것이다. 그런데 아이를 데리고 왔다니 이 얼마나 잔머리를 쓰는 녀석인가. 마치 산책이라도 나온 것처럼 해가며 열심히 정탐질을 하다니.”

세이조는 갑자기 공포심이 싹텄기에 아예 그대로 뒤돌아서려 했으나 그 때 2층 창문이 열리고는 미소 짓는 얼굴이 보였기에 자기도 모르게 집안으로 끌려들어갔다.

세이조는 반갑게 맞이해주는 다에코 얼굴을 잠시 바라보고 있었으나 별다른 이상한 구석을 찾을 수 없었다.

“다에코 씨.”

그는 결국 참을 수 없었다.

“지금 이 집에서 아이를 데리고 나간 사람이 있었는데 혹시 다에코 씨를 만나러 온 사람이 아닌가요?”

“아뇨?”라고 놀란 듯이 말했다. “왠지 아래층에 손님이 오신 것 같았지만 어떤 사람인지는 모르겠어요.”

“정말 안 만났어요?”

“그래요. 왜 그런 걸 물어요?”

“그럼 아래층 아주머니한테 물어봐줘요. 지금 왔던 사람이 무슨 일 때문에 왔었는지요.”

다에코는 이상한 표정을 지었으나 세이조가 워낙 심각하게 물었기에 아래층으로 내려갔다가 잠시 후 되돌아왔다.

“저 분은 어떤 생명보험회사에 다니는 분인데, 아주머니와 친척이래요. 오늘은 일요일이니까 아이를 데리고 산책을 나왔다가 잠시 들렀다는군요.”

“아니야. 그렇지 않아요!”라고 세이조는 소리쳤다. “그것 말고 중요한 용건이 있었던 거예요.”

“아니, 왜요……?”

세이조 얼굴은 흥분해서 붉어졌다.

“다에코 씨!”

“네?”

“저는……. 저는…….”

세이조는 이제 참을 수가 없어 다에코에게 모든 사실을 털어놓았다.

그 다음 날 그는 평소보다 한 시간 일찍 하숙집을 나서고는 가게에서 주인이 출근하기를 기다렸다. 다에코는 세이조에게 모든 것을 주인한테 고백하라고 권했었다.

“우리 둘이 열심히 그 돈을 모아요.”

이 말을 듣고 세이조는 모든 짐을 내려놓고 간밤에 편안하게 잠을 청하고는 오늘 아침에는 가벼운 마음으로 나왔던 것이다.

이윽고 주인은 여느 때와 다름없는 표정으로 나왔다.

그는 안쪽 방으로 들어가 주인한테 자신이 찌른 모든 죄를 털어놓았다. 주인은 가만히 듣고 있었으나 그 표정에는 점점 놀라운 기색이 역력해졌다. 그리고 세이조가 말을 마치자 무슨 말을 하려던 찰나에 마침 손님이 왔는데, 들어온 사람은 다름 아닌 탐정이었다.

“오셨군.”

마음이 편해진 세이조는 두려울 것이 없었다.

“당신은 아마도 저한테 볼일이 있으시겠죠.”

가만히 바라보던 탐정이 고개를 끄덕이자 곁눈으로 보면서 세이조는 말을 이었다.

“하지만 이미 늦었어요. 당신은 여기 사장님한테서 부탁을 받아 저를 미행할 필요가 없게 됐어요. 저는 지금 사장님께 모든 사실을 자백해버렸습니다.”

그러자 탐정은 말했다.

“무슨 말씀인지는 모르겠지만, 여기 사장님께 부탁 받은 것도, 또한 당신을 미행한 적도 없습니다. 저는 국제생명보험회사 조사부에 있는 ‘시라키(白木)’라고 합니다. 얼마 전 선생님 숙부님께서 별세하셨는데 5천만 원이 보험금이 지급되었으며 수취인이 선생님 명의로 되어 있습니다. 그래서 선생님을 찾아 나섰는데 결국 그저께 이쪽으로 오게 되어, 혹시나 하는 마음에 집으로도 찾아뵈었습니다. 방금 전 숙소로 다시 가 보자 안 계시다고 하기에 지금 다시 이쪽으로 온 것입니다. 여기 영수증에 서명을 해주시기 바랍니다.”

넋을 잃고 서 있는 세이조 앞에 ‘탐정’은 5천만 원짜리 수표와 증서를 내밀었다.

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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)