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잘못된 감정(誤った鑑定)

고사카이 후보쿠 (小酒井 不木) (1925)

일본어 원문


 晩秋のある夜、例の如く私が法医学者ブライアン氏を、ブロンクスの氏の邸宅に訪ねると、氏は新刊のある探偵小説雑誌を読んでいた。

「探偵小説家というものは随分ひどい出鱈目(でたらめ)を書くものですね」と、氏は私の顔を見るなり、いきなりこういって話しかけた。

「え? 何のことですか?」と私は頗(すこぶ)る面喰(めんくら)って訊ね返した。

「今、ジョージ・イングランドの『血液第二種』という探偵小説を読んだ所です。その中に出て来る医者が、血液による父子の鑑別法を物語っていますが、実に突飛(とっぴ)極まることを言っていますよ、まあよく御聞きなさい。こうです。父と子の血液を一滴ずつ取って、それを振動器の中へ入れて、まぜ合せると、もし真実の父子ならば、血液を満している微小な帯電物の振動が一致するというのです。電子ではあるまいし、何と奇抜な説ではありませぬか?」

 私もそれを聞いて思わず吹き出してしまった。

「それじゃまるで支那の大昔の鑑別法そっくりですね」と私は言った。

「それはどんな鑑別法ですか?」と氏は急に真面目な顔をして訊ねた。

「支那の古い法医学書に『洗冤録(せんえんろく)』というのがあります。その中に、血液による親子の鑑別法が書かれていますが、それによりますと、親と子の真偽を鑑別するには、互に血を出し合って、それを、ある器の中にたらすと、もし親子であったならば、その血がかたまって一つになり、もし親子でなかったならば、よく混らないというのです」

「そうですか、いや却ってその方がむしろ科学的鑑別法に近いじゃありませんか、現今では、血球の凝集現象の有無から判断するのですもの」こう言って氏は更に雑誌を取り上げて上機嫌で語り続けた。

「それから、その医者はまた言います。人間の血液は四種類に分けられていて、親と子は同一種類に属するものだと。四種類に分けられているとまでは正しいですけれど、親と子が同一種類だということは、少し考えたら、言えないことではありませんか。父と母とが同一種類の人ならばともかく、父と母とがもし違った種類の人だったならば、生れた子が親と同一種類だとはいえなくなるのが当然ですからね」

「何しろ、探偵小説家は自分で血液などを実際に取り扱ったことがなく、ただ書物などに書かれてあることを、自分勝手に判断して書くのですから、そうした間違いを生ずるのでしょう」と私は言った。

「それはそうですね。小説家の書くことを一々穿鑿(せんさく)するのは、穿鑿する方が野暮かもしれません。たしか一八七〇年頃だったと思います。フランスで、ある若い女が、豚などに生えているあの針のように硬い針毛(ブリスル)というのを細かく刻んで、それを自分の憎む敵の食事の中へ混ぜて殺した事件があって、一時欧洲で大評判となりました。すると小説家のジェームス・ペインが、この話を材料にして『ハルヴス』という有名な小説を書き、その中の主要人物の一人を、その姪が、馬の毛を細かく刻んで食事の中へまぜて殺すことに仕組みました。その実、馬の毛では所要の目的は達せられないのです。即ち針毛の細片ならば消化管に潰瘍を作って死因となることが出来ますが、馬の毛は却って消化液の作用を受け、潰瘍を作ることが出来ません。つまりペインは豚の毛で人が殺せるならば、馬の毛でも殺せるだろうと自分勝手に想像したものですから、そういう誤謬をしたのです」

「そうですか。いや、よく考えて見ますと、小説家ばかりではなく、専門家である医師ですら、そういう誤りを仕勝(しがち)だろうと思います。只今御話しのジョージ・イングランドの探偵小説でも、医師が勝手なヨタを飛ばすところを、わざと書いたものとすると、かえって作者の皮肉だと受取れぬこともありませぬですね」と私は言った。

「如何にも御尤もです、昔から医者は小説家に皮肉をいわれづめですから。遠くはアリストファネスから、モリエール、ショウなど、随分ひどく、医者の悪口を言っています」とブライアン氏も益々興に乗って来た。

「実際に於ても、医師は随分間違った考を持っています。先年、日本でも、ある開業医が、自絞と他絞の区別だといって、いい加減なことを発表し、それを基礎に、ある事件の鑑定を行い、大学の法医学教授の鑑定を覆えしたようなことがありました」

「ほう、それはどういうことですか?」とブライアン氏はすかさず訊ねた。

「おや、今日はあべこべに私が話しをさせられますね。それは、ある窒息死体鑑定事件でして、周囲の事情からして、死体は絞殺されたものと推定されました。そこで、ある大学の法医学教授が自絞か他絞かの鑑定を命ぜられました所、教授はその区別は明かでないという鑑定を下しました。ところが、事件が長引いて、ある市井(しせい)の開業医が再鑑定を命ぜられましたら、その開業医は、自絞に間違いないと断定したのです。その鑑定の根拠として、その人は次のような事項をあげました。第一に、自絞即ち自分で自分の頸(くび)をしめる場合には、絞める力が弱く、且つ吸息後に決行するから、死体の胸部を強く圧迫すると呼気を出すが、他絞即ち他人に頸をしめられる場合には、絞める力が強く、且つ呼息時に行われるから死体の胸部を圧迫しても呼気を出さない。第二に、自絞の場合には、吸息時に行われるから、肺臓の鬱血が劇烈ではないが、他絞の場合には呼息時に行われるから、肺臓の鬱血が劇烈で、丁度肺水腫のような外観を呈しているというのです。実に、念の入った暴論ではありませぬか?」

「いや全く探偵小説家のヨタ以上ですね」と察しのよいブライアン氏は言った。「一寸考えて見ると、いかにももっともらしいですが、生理学書の一頁でも見た人には、そういう結論は下されませぬね」

「本当にそうです。肺臓内の血液量は吸息時に最多量で、呼息時には少くなるのですから、呼息時に行われると称する他絞の際に、肺臓の鬱血が劇烈である筈はありません。これだけでも既に自家撞着に陥っています」

「吸息時には肺が拡がるから、血液が追い出されるとでも考えたのでしょう」

「そうかもしれません。それはとにかく、自絞が吸息状態で行われ、他絞が呼息状態で行われるという説も、随分独断的ではありませぬか?」と私は言った。

「困ったものですね。世の中には自分の経験が絶対に正しいと信じている人がありますが、その人などもそういう頑固な人の部類に属しているでしょう。つまり、自絞が呼息状態でも起り、他絞が吸息状態でも起り得るということを考える余裕さえないのでしょう。よく何年、何十年の経験とか言って、世間の人から尊(とうと)がられますが、経験だとて間違いがないとは限りませんよ」

「それにしても、そういう人の鑑定で裁判された日には、たださえ誤謬の多い裁判が、誤謬をなからしめようとする目的の科学的鑑定のために、却って毒されることになりますね。恐らくあなたは、そういう例に度々御逢いになったことと思いますが、如何ですか?」と、私は、ブライアン氏に何か話してもらおうと思って、ひそかに氏の顔色をうかがった。

「ないこともありません」と氏はニコリ笑って言った。「中には随分滅茶々々な鑑定をする医師があります。今晩はだいぶあなたに話してもらいましたから、これから私の関係した事件の御話を致しましょう」

          ×       ×       ×

「これは数年前、紐育(ニューヨーク)から程遠からぬ田舎で起った事件です」とブライアン氏は言った。

 その地方の豪農に、ミルトン・ソムマースという老人があった。よほど以前に、夫人に死に別れてから、一人息子のハリーと共に暮していたが、事件の当時ハリーは二十二歳で、丁度、農学校を卒業したばかりであった。母のない家庭であったため、父子は非常に親密であって、家政一切は、ミセス・ホーキンスという老婆が司(つかさど)り、近所には、ソムマース所有の田地に働く小作たちの家族が群がり住っていた。

 ソムマースの家から一哩(マイル)ばかり隔たったところのスコットという農家に、エドナという娘があった。彼女は、鄙(ひな)に似合わぬ美人で、色白のふっくりとした愛らしい顔と、大きな碧(あお)い眼と、やさしい口元とは、見るものを魅せずには置かなかった。ところが、彼女は非常な山だしの御転婆で、夏はいつも跣足(はだし)で歩きまわり、年が年中、髪を結ったことがなく、房々とした金髪は、波を打って肩の上に垂れかかり、頸や腕は、かなりに日に焼けていた。ハリーはいつしか、この娘と恋に落ちたのである。

 彼はしかし、そのことを父に告げる勇気がなかった。父は由緒ある家系を誇る昔し気質(かたぎ)の人間であるばかりでなく、娘の家を常々卑しんでいて、ことにエドナの性質を見抜いて、「鬼女」という綽名(あだな)をつけた程であるから、到底二人の結婚を承諾してくれまいと思ったからである。ところが、二人の恋は段々募(つの)り、結婚してしまったら、父も文句は言うまいと考え、ハリーはひそかにエドナを紐育へ連れて行って結婚した。これを聞いた父は大に怒って、どうしても二人を我が家へ寄せつけなかったので、二人は致し方なく、程遠からぬ所に他人の用地を借り受けて自活することにした。

 一しょに暮して見ると、ハリーは嫁の性質が父のつけた綽名にふさわしいことを知った。彼女は手におえぬじゃじゃ馬で、ほとほと持てあますことがしばしばあった。しかし、彼此(かれこれ)するうちに二人の間に女の子が出来、それからというものは、彼女は非常におとなしくなった。

 するとその頃父のミルトン・ソムマースは、老齢のためか、又は寂しさのためか、にわかに健康が衰え出して来て、遂には二六時中床の上に横わらねばならぬくらいになった。そこで彼もとうとう我を折って、ハリーとその家族を呼びにやって同居させ、ハリーに田地の監督をさせ、エドナに家政を司らせることにした。

 老人の病気は段々悪くなるばかりであって、とうとう家族のものでは看護がしきれぬというので、ニューヨークから看護婦を雇うことにした。看護婦はコーラ・ワードといって頗(すこぶ)る美人であったが、いつの間にかハリーに心を寄せ、ハリーも満更(まんざら)厭でない様子であった。しかしこの様子を見たエドナは、急に本来の険悪な性質を発揮して、はげしい喧嘩こそしなかったが、非常に看護婦をうらんで、早く解雇してくれとハリーに迫った。

 家政婦のホーキンスはエドナが来てから、食事に関する仕事はエドナに奪われ、掃除だとか、洗濯だとか、卑しい仕事ばかりさせられるようになったので、自然エドナを快く思わなくなった。

 ソムマース家に、こうした不快な空気が漂っていたある日の午後、エドナは夕食の支度のために牛乳を搾(しぼ)りに牛小舎へ行き、家に帰ってその牛乳を、竈(かまど)の上にかけてあったフライ鍋の中へ入れた。彼女はそれで、肉へかける汁を作るつもりであったが、何思ったかそれを中止して再びその牛乳を鑵の中へあけ戻し、冷すために皿場へ置いた。

 その夕方、病人は発熱して、頻(しき)りに渇(かつ)を訴えたので、看護婦が牛乳を取りに台所へ行くと、都合よく皿場の上に牛乳の入った鑵があったので、そのまま病室へ持って行って、病人にのませた。ところが、牛乳を鑵からあけてしまうと、彼女は、ふと鑵の底に、緑色をした残渣(ざんさ)のあるに気附いた。彼女はびっくりして、もしや、それがパリス・グリーン Paris Green(植物の害虫を除くための砒素含有の粉末)ではないかと思い、ハリーとエドナの居た室に来て、それを見せ、パリス・グリーンではないかと訊ねた。ハリーは、そうらしいと言ったがエドナは黙っていた。

 看護婦の頼みによって早速、かかりつけの医師が呼ばれたが、医師もその緑色のものを見て、パリス・グリーンであろうと言った。果して、それから間もなく、病人の容体は急に悪くなり、遂に夜明け方に死んだが、医師は砒素中毒による死亡であると診断した。

「こういう事情ですから、警察から、検屍官が派遣されることになりました」と、ブライアン氏は言った。「そして、間もなく、その地方の開業医で、警察医を兼ねていたスチューワートという人が死体解剖を命ぜられました。解剖の結果、死体の胃の内容物に、多量の砒素化合物があるとわかったので、事件は裁判所に廻され、予審判事が出張して、ソムマース家を委(くわ)しく取調べることになりました」

 予審判事の一行は、家人を一々訊問し、家の隅々を捜索した結果、牛小舎の装具置場の高い棚に、パリス・グリーンの入ったボール箱を見つけた。その箱は破りあけられて、内容が少しばかり取り出され、粉末の一部分は地面へこぼれていた。しかもその箱のあけられたのは、つい近頃であるとわかった。その時分はもう収穫時もとくの昔に過ぎ、春以来、パリス・グリーンを使用する必要はなくなっていた。それ故、使用された粉末は、当然牛乳罐の中へ入れられたものに違いないと結論された。

 附近に住む小作共は、もとよりパリス・グリーンが、牛小舎にあることを知っている訳もなく、また牛小舎へ自由に出入りすることを許されてもいなかったから、嫌疑は当然家内のものにかかった。しかし家内のもののうち、何人(なんぴと)が殺人を敢て行う程の強い動機を持っているであろうか? 幸に毒の入れてあったボール箱の上には塵埃が溜っていて、指紋がはっきり附いていたから、直ちに写真に撮影され、それと家内の人々の指紋をとって比較して見ることになった。ところが意外にも、若夫婦の指紋と、看護婦の指紋との都合三種がボール箱についていたのである。しかし、三人が共謀して行ったこととは考えられぬから、三人のうちの誰かに違いないと推定して、三人にはボール箱の指紋のことを告げないで、別々に色々訊問して見たが、少しも要領を得なかった。

 故人は徳の高い人であったから、人々は切に哀悼の意を表し、その忌わしい事情は、附近一帯の噂の種となり、人々は勝手に色々の説を建てた。若夫婦の結婚の際に於ける若夫婦と父親との衝突、看護婦とハリーとエドナの三角関係などからして、色々な解釈が試みられた。あるものはハリーが結婚以来父親を恨んでいたから、その為に父を毒殺したのであろうと想像し、あるものは故人が金持ちであったから、看護婦が後継者の嫁になるために、老人を殺してエドナに嫌疑をかけるよう仕組んだ行為であると想像し、またあるものは、エドナがかねて舅(しゅうと)を恨んでいたがためだと想像した。が、予審裁判の結果、ミルトン・ソムマースは砒素剤によって毒殺され、犯人はエドナであると決定されたのである。

 世評はエドナに取って極めて不利益であった。人々は彼女が虚栄心を満すために、早く老人を亡きものにして財産を良人のものとしようとして行った仕業であると解釈した。且(かつ)、彼女はそのとき妊娠中であったが、獄中で子を生んでは、生れた子に焼印を捺(お)すようなものであるから、それやこれやで彼女は少なからず煩悶した。

「このソムマース若夫人の弁護士から、私に事件鑑定の依頼があったのです」と、ブライアン氏は語り続けた。「弁護士は、夫人の無罪を信じ、老人の死体の医学的検査に、根本的の誤謬があるにちがいないと見たのです。私も一伍一什(いちぶしじゅう)をきいて、出発点はやはり胃の内容物の化学的検査にあると思いました。もしパリス・グリーンが牛乳に混ぜられてから熱せられたならば、表面に緑色の泡が立たねばなりません。ですから、誰の眼にもつき易いので、そんな危険なことをする者はない筈です。そこに何か捜索上の手落ちがあるだろうと思って、鑑定を引き受け、胃の内容物の再鑑定を願い出て、許可されたら、なお念のために、専門の化学者二人のところへ、別々に分析を依頼するよう、手筈をきめました」

 弁護士の要求はきき入れられ、胃の内容物はブライアン氏の手許に届けられた。氏は早速、砒素鏡検出法を始め、その他の方法によって分析に取りかかったが、大量は愚か、砒素の痕跡さえも発見されなかった。

「いや、実に、その時は驚きましたよ」と氏は言葉を強めて言った。「何しろ警察医は多量の砒素が含まれていたと証言したのですからね。又主治医も主治医です。砒素を嚥(の)んでもいないのに、砒素中毒で死んだと診断したのですから。二人の化学者の分析の結果も同様でして、法廷でその証言が述べられると、傍聴人の感情は急転して、夫人に対する同情に変ってしまいました。陪審官はたった二十分間で決議して、ソムマース夫人の無罪を宣告しましたよ」

 こうして、医師の誤まった鑑定のため、無辜(むこ)の人が危うく殺人罪に問われようとしたのである。

          ×       ×       ×

「それにしてもどうしてその緑色の物質が牛乳罐の中に入っていたのでしょう?」と、私は、ブライアン氏が語り終ってから、暫らくして訊ねた。

「それが即ち第二の問題ですよ。私はただ砒素中毒かどうかを鑑定すればよかったのですからそれ以上、捜索も致しませぬでしたが、これが、あなたの好きなオルチー夫人の探偵小説に出て来る『隅の老人』であったなら、すべからく、解説なかるべからずですね。ははははは」[#「」」は底本では「』」]と氏は愉快げに笑った。

「無論そのパリス・グリーンは牛乳をあけたあとで罐の中へ入れたのでしょうから、そこに最も肝要な問題がある訳ですね?」と私は、氏の解釈をきこうと思って訊ねた。

「そうですそうです。嫌疑は当然その看護婦にかからねばなりません。『隅の老人』ならば、主治医と看護婦とを共犯にするかもしれませんよ。何しろ看護婦の指紋が、パリス・グリーンの箱に発見されたというのですから」

「どうもこの事件には不可解な点が多いようです」と私は言った。「看護婦ばかりでなく、ソムマース夫妻の指紋も、ボール箱についていたというのですからね。この事件の蔭には恐らく複雑した事情が潜んでおりましょう」

「無論そうでしょう。ですが、それは探偵小説家に考えて貰うことにしましょう。ソムマース夫婦は今では楽しい家庭を作って、平和に暮しているそうです。問題の看護婦は、何でもその後ニューヨークの生活が厭になって、田舎へ引き籠ったとかききました。しかし一ばん貧乏籖(くじ)をひいたのは、警察医のスチューワート氏でした。誤まった鑑定をしたために、その後すっかり評判が悪くなって、門前雀羅(じゃくら)を張るようになったそうです。いやだいぶ表て通りも静かになって来ました。これから、あついコーヒーでも一杯のみましょうか……」



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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

잘못된 감정(誤った鑑定)

고사카이 후보쿠 (小酒井 不木) (1925)

번역 : 홍성필


늦가을 밤 여느 때와 같이 내가 법의학자 브라이언 씨를 브롱크스에 있는 저택으로 찾아가자 그 분은 새로 나온 어떤 탐정소설 잡지를 읽고 있었다.

“탐정소설가라는 건 지극히 엉터리를 쓰는군요.”라고 브라이언씨는 내 얼굴을 보자마자 갑자기 이렇게 말을 걸어왔다.

“네? 무슨 말씀이죠?”라고 나는 매우 당황하며 되물었다.

“지금 조지 잉글랜드가 쓴 ‘혈액 제2종’이라는 탐정소설을 읽은 참입니다. 그 속에 나오는 의사가 혈액에 의한 부자간의 감별법을 논하고 있는데 실로 황당한 말을 하고 있어요. 한 번 들어보세요. 이렇답니다. 아버지와 아들의 혈액을 한 방울씩 채취하여 그것은 진동기 속에 넣고 섞으면, 만약 정말로 부자지간이라면 혈액을 채우고 있는 미세한 대전물(帶電物)의 진동이 일치한다는 것입니다. 전자도 아니고 이 무슨 어이없는 주장입니까?”

나는 그 말을 듣고 웃음을 터뜨리고 말았다.

“마치 옛날 중국 감별법과 꼭 닮았군요.”라고 나는 말했다.

“그건 어떤 감별법이죠?”라고 브라이언 씨는 진지한 표정으로 물었다.

“중국 옛 법의학서 중에 ‘세면록(洗冤錄)’이라는 책이 있습니다. 거기에 혈액에 의한 친자 감별법이 적혀 있는데, 그 책에 의하면 부모와 자식의 진위를 감별하기 위해서는 서로 피를 내어 그것을 어떤 그릇에 넣으면, 만약 친자라면 그 피가 뭉쳐서 서로 하나가 되고, 만약 친자가 아니라면 잘 안 섞인다는 것입니다.”

“그렇군요. 아니, 오히려 그게 더 과학적 감별법에 가깝지 않나요? 요즘은 혈구 응집현상(凝集現象)의 유무로 판단하니 말입니다.” 이렇게 말하고 브라이언 씨는 계속 잡지를 들고 유쾌하다는 듯 말을 이어갔다.

“그리고 그 의사는 이렇게도 말합니다. 인간의 혈액은 네 종류로 나누어져 있으며, 부모와 자식은 같은 종류에 속한다고 말입니다. 네 종류로 나뉘어져 있다는 점은 맞지만, 부모와 자식이 같은 종류라는 건 조금 생각하면 부정할 수밖에 없지 않겠어요? 아버지와 어머니가 같은 종류의 사람이라면 모르지만, 아버지와 어머니가 만약 다른 종류인 사람이었다면 태어난 부모와 같은 종류라고 할 수 없다는 게 당연할 테니 말이에요.”

“아무래도 추리작가는 스스로 혈액 같은 것을 다루어본 적이 없고 그저 책 같은 곳에 적혀 있는 것을 멋대로 판단해서 쓰니 그와 같은 실수가 생기는 거겠죠.”라고 나는 말했다.

“아무래도 그렇겠죠. 소설가가 쓰는 것을 하나하나 따지는 건 오히려 따지는 사람이 치사한 것일지도 모릅니다. 제 생각에 1870년경이었다고 생각됩니다만, 프랑스에서 어떤 젊은 여자가 돼지 같은 것에 나 있는 그 바늘처럼 딱딱한 털을 조그맣게 잘라서 그것을 자기가 증오하는 사람이 먹는 식사 속에 넣고 죽인 사건이 있어, 한 때 유럽에서 크게 화제가 되었습니다. 그러자 소설가 제임스 베인이 그 이야기를 소재로 ‘하르브스’라는 유명한 소설을 쓰고는, 그 주요등장인물 중 한 사람을 그 조카가 말총을 작게 잘라 식사 속에 넣어 죽이도록 했습니다. 그런데 사실 말총으로는 소정의 목적을 달성할 수 없습니다. 즉, 바늘 같은 털 조각이라면 소화관에 궤양을 만들어 죽음에 이르게 할 수 있으나 말총은 오히려 소화액의 작용을 받아 궤양을 만들 수 는 없습니다. 즉, 베인은 돼지털로 사람을 죽일 수 있다면 말총으로도 죽일 수 있을 것이라고 제멋대로 상상했기에 그런 실수를 범한 것입니다.”

“그렇군요. 아니, 잘 생각해보니 소설가뿐만이 아니라 전문가인 의사들조차 그와 같은 실수를 저지른다고 생각합니다. 방금 말씀하신 조지 잉글랜드가 쓴 추리소설에도 의사가 말도 안 되는 궤변을 늘어놓는 장면을 일부러 썼다고 하면 오히려 작가가 고의로 비꼬았다고도 받아들일 수 있겠군요.”라고 나는 말했다.

“그야말로 지당하신 말씀입니다. 예부터 의사는 소설가들한테 당하고 사니까 말입니다. 멀리는 아리스토파네스에서 모리엘, 쇼오 등 매우 심하게 의사 욕을 하고 있습니다.”라고 브라이언 씨도 상기되었다.

“실제에 있어서도 의사는 매우 틀린 생각을 가지고 있습니다. 작년에 일본에도 어떤 개업의사가 자살과 타살의 구별방법이라면서 되지도 않는 주장을 발표하여, 그것을 바탕으로 어떤 사건을 감정하고는 대학 법의학 교수의 감정을 뒤집으려 했던 적이 있었습니다.”

“허어. 그건 어떤 일이죠?”라고 브라이언 씨가 물었다.

“저런. 오늘은 반대로 제가 말을 많이 하게 되었군요. 그건 어떤 질식한 시신 감정사건이었는데, 정황으로 보아 시신은 교살된 것으로 추정되었습니다. 그리하여 어떤 대학의 법의학 교수로 하여금 자살인지 타살인지 감정을 하도록 했는데, 교수는 그 분간이 분명하지 않다는 감정을 내렸습니다. 그런데 사건이 오래 끌기에 마을의 어떤 개업의사가 재감정을 명 받았는데, 그 개업의는 자살이 틀림없다고 단정한 것입니다. 감정 근거로서 그 사람은 다음과 같은 사항을 들었습니다. 첫째로, 자살 즉 스스로 자신의 목을 조이는 경우에는 그 힘이 약하고 숨을 들이마신 후에 결행하므로 시신 흉부를 강하게 압박하면 공기가 나오지만, 타살 즉 다른 사람이 목을 조일 경우에는 그 힘이 강하고 숨을 내쉬었을 때 조이게 되므로 시신 흉부를 압박해도 공기가 안 나온다. 둘째로 자살의 경우에는 숨을 들이마셨을 때에 이루어지므로 폐장에 있는 울혈(鬱血)이 심하지 않지만, 타살인 경우에는 숨을 내쉬었을 때 조이게 되므로 패장에 있는 울혈이 심하고, 마치 폐수종 같은 외관을 띤다는 것입니다. 그야말로 꼼꼼하기 짝이 없는 낭설 아닌가요?”

“정말 추리작가 이상 가는 대단한 궤변이군요.”라며 감이 빠른 브라이언 씨는 말했다. “조금 생각해보면 그럴듯하지만 생리학서를 한 페이지라도 읽어본 사람이라면 그런 결론이 나올 수 없겠죠.”

“지당하신 말씀입니다. 폐장 내에 있는 혈액량은 숨을 들이마셨을 때에 최고로 많으며, 내쉬었을 때에는 줄어들므로 내쉬었을 때에 행해진다고 하는 타살의 경우에 폐장에 울혈이 극심할 리가 없습니다. 그것만으로도 이미 자가당착(自家撞着)에 빠져있는 거죠.”

“들이마셨을 때에는 폐가 넓어지니 혈액이 밀려난다고 생각했는지도 모르겠군요.”

“그럴지도 모릅니다. 그건 그렇고, 자살이 숨을 들이켰을 때에 이루어지고 타살이 숨을 내쉬었을 때 이루어진다는 설도 매우 독단적이지 않나요?”라고 나는 말했다.

“참 문제입니다. 세상에는 자기가 겪은 경험이 절대적으로 옳다고 믿는 사람이 있지만, 그 사람도 그런 고지식한 부류에 속하겠지요. 즉, 자살이 숨을 들이켰을 때 일어나고 타살이 숨을 내쉬었을 때에도 일어난다는 점을 생각할 여유조차 없는 거겠죠. 흔히들 몇 년, 몇 십 년 경험이라고 말하면서 세상 사람들로부터 존경을 받곤 하지만 경험이라고 해도 항상 맞는다고는 할 수 없겠죠.”

“하지만 그런 사람들의 감정으로 법원에서 판결이 난다면, 그렇잖아도 오판이 많은 판결이 오판을 줄이려는 목적으로 있는 과학적 감정 때문에 역으로 해악을 끼치게 되는군요. 아마도 당신은 그런 경우를 종종 보셨을 텐데. 어떠신가요?”라고 나는 브라이언 씨로부터 말을 들으려고 슬쩍 표정을 살폈다.

“없는 건 아닙니다.” 브라이언 씨는 웃지도 않고 말했다. “그 중에는 매우 엉망인 감정을 하는 의사가 있습니다. 오늘 밤은 당신이 이야기를 많이 해주셨으니 이제부터는 저와 관련된 사건 이야기를 해드리도록 하지요.”


x x x


“그건 몇 년 전, 뉴욕에서 그리 멀지 않은 시골에서 일어난 사건입니다” 브라이언 씨는 말했다.

그 지역 유지 중에 밀튼 소머스라는 노인이 있었다. 오래 전에 부인이 타계하고부터는 외아들 할리와 함께 지냈으나 사건 당시 할리는 스물 두 살이고 마침 농업학교를 졸업했을 무렵이었다. 어머니가 없는 가정이었기에 아버지와 아들은 매우 친밀했으며 살림 모두는 호킨스 부인이라는 노파가 도맡고 있었으며 근처에는 소머스 소유지인 논밭에서 일하는 소작농 가족들이 무리지어 살고 있었다.

소머스 집에서 1마일 정도 떨어진 곳에는 스코트라는 농가에 에도너라고 하는 딸이 있었다. 그녀는 어린 나이에 걸맞지 않는 미인이었으며 백옥 같은 피부에 통통한 사랑스러운 얼굴과 크고 푸른 눈빛, 부드러운 입가는 보는 이로 하여금 매료시키지 않는 자가 없었다. 그런데 그녀는 못 말리는 말괄량이여서 여름에는 항상 맨발로 돌아다니고 1년 내내 머리를 묶은 적이 없으며 푸석푸석한 금발은 파도치듯 어깨 위에 걸쳐져 있었고 다리나 팔은 햇볕에 까맣게 타 있었다. 할리는 어느새 그녀와 사랑에 빠진 것이다.

그는 하지만 그 사실을 아버지에게 말할 용기가 나지 않았다. 아버지는 유서 깊은 가문을 자랑하는 고지식한 사람일 뿐만 아니라 여자 집안을 평소에도 미워하여 특히 에도너의 성격을 눈치 채고는 ‘귀녀(鬼女)’라는 별명을 붙였을 정도이니 도저히 결혼을 허락해주지 않을 것이라고 생각했기 때문이다. 그런데 둘 사이의 사랑은 깊어만 가고, 결혼해버리면 어쩌지 못하리라고 생각하고서 할리는 몰래 뉴욕으로 데리고 가서는 결혼했다. 이 사실을 알고 아버지는 격분하여 둘을 자신의 집근처에 얼씬도 하지 못하도록 만들었기에 하는 수 없이 그리 멀지 않은 곳에 다른 사람 땅을 빌려 자립하게 되었다.

함께 생활을 해보자 할리는 부인 성격이 아버지가 붙인 별명에 걸맞는다는 사실을 알았다. 그녀는 손을 댈 수 없는 말괄량이라서 속수무책인 경우가 종종 있어왔다. 그러나 생활하는 중에 딸이 태어나고 그 후부터 그녀는 매우 얌전해졌다.

그러자 그 무렵 아버지인 밀튼 소머스는 고령 때문인지 아니면 쓸쓸해서인지 갑자기 건강이 악화되어 결국에는 하루 종일 누워서 지내야 할 정도까지 되고 말았다. 결국 그도 하는 수 없이 고집을 꺾고는 할리와 그 가족을 불러 동거하도록 하고 할리에게 농사를 감독하도록 하였으며 에도너에게 살림을 맡기게 되었다.

노인의 병은 점차 악화될 뿐이었으며 결국 가족들도 간호하기가 어려워졌기에 뉴욕에 있는 간호사를 고용하게 되었다. 간호사는 콜러 워드라고 하여 매우 미인이었으나 어느새 할리를 좋아하게 되고 할리 또한 그리 싫지는 않은 기색이었다. 그러나 이 모습을 본 에도너는 갑자기 본래 험악한 성격을 발휘하여 심한 싸움은 하지 않았으나 간호사를 매우 싫어하여 어서 해고해달라고 할리에게 독촉했다.

가정부 호킨스 부인은 에도너가 와서부터 식사에 관한 일은 그녀에게 빼앗기고 청소나 세탁 같은 힘든 일만 하게 되었기에 자연히 에도너를 좋게 생각하지는 않았다.

소머스 가정에 이와 같은 불쾌한 분위기가 계속되던 어느 날 오후, 에도너는 저녁식사를 위해 우유를 짜러 외양간에 갔다가 집으로 돌아와 그 우유를 부뚜막 위에 걸어놓았던 튀김용 냄비 속에 넣었다. 그녀는 그것으로 고기 위에 얹는 소스를 만들 생각이었으나 무슨 생각을 했는지 작업을 중단하고 다시 우유를 캔 속에 붓고서 식히기 위해 찬장 위에 올려놓았다.

그날 저녁 환자는 열이 나서 계속 목이 마르다고 하기에 간호사가 우유를 가지러 부엌으로 가자 우유가 든 캔이 있었기에 그대로 병실로 가지고 가서 환자에게 주었다. 그런데 우유를 다 마시고 난 후 그녀는 캔 밑바닥을 보자 녹색 자국이 있는 것이 보였다. 그녀는 놀라 혹시 이것이 패리스 그린(Paris Green:식물 해충을 제거하기 위한 비소(砒素)가 함유된 분말)이 아닐까 하고 할리와 에도너가 있는 방을 찾아와 그것을 보이면서 패리스 그린이 아닌가 하고 물었다. 할리는 그렇다고 했으나 에도너는 아무 말이 없었다.

간호사의 요청에 의해 곧바로 담당의사가 왔으나 의사도 그 녹색물질을 보고 패리스 그린 같다고 말했다. 역시 얼마 지나지 않아 환자 상태는 갑작스럽게 악화되고 결국 새벽녘에 숨을 거뒀으나 의사는 비소중독에 의한 사망이라고 진단했다.

“사정이 이러하니 경찰로부터 검사관이 파견되었습니다.”라고 브라이언 씨는 말했다. “그리고 얼마 지나지 않아 그 지방의 개업의로 경찰을 겸한 스튜어트라는 사람이 부검을 명 받았습니다. 부검 결과 시신의 위장 내용물에는 다량의 비소화합물이 있다는 사실이 밝혀졌으므로 사건은 법원으로 넘어가고 예심판사가 나서서 직접 소머스 가정을 자세히 조사하게 되었지요.”

예심판사 일행은 가족을 하나하나 신문하고 집안 구석구석을 수색한 결과 외양간 도구창고에 있는 높은 선반 위에 패리스 그린이 들어있는 골판지상자를 찾아냈다. 그 상자는 찢어지고 내용물이 조금 줄었으며 분말 일부는 땅바닥에 쏟아져 있었다. 더구나 상자가 개봉된 것은 얼마 되지 않았다는 사실도 밝혀냈다. 그 때는 이미 수확시기도 훨씬 지났으므로 봄철 이후 패리스 그린을 사용할 필요는 없었다. 그러므로 사용된 분말은 당연히 우유 캔 속에 틀림없이 들어간 것이라고 결론을 내렸다.

부근에 사는 소작농들은 본래 패리스 그린이 외양간에 있다는 사실을 알고 있을 리 만무했으며, 또한 외양간에 자유롭게 출입하는 것을 허락하지 않았으므로 혐의는 당연히 가족에게 돌려졌다. 그러나 가족 중에서 누가 살인을 계획하고 실행시킬 강한 동기를 가지고 있었을까? 다행이 독이 들었던 골판지상자에는 먼지가 많이 쌓여 있어 지문이 선명하게 찍여 있었으므로 곧바로 사진촬영이 이루어지고, 그것과 가족 사람들의 지문을 채취하여 비교해보기로 하였다. 그러나 뜻밖에도 젊은 부부 지문과 간호사 지문과 도합 세 종류가 골판지상자 위에 찍혀 있었던 것이다. 그러나 셋이 공모했다고는 생각되지 않으므로 세 명 중 누군가가 한 것이 분명하다고 추정하고는 셋에게는 골판지 상자에 있는 지문에 대해서 언급하지 않은 채 각각 여러 신문을 해보았으나 전혀 성과가 없었다.

고인은 인덕이 후한 사람이었기에 사람들은 깊은 애도의 듯을 표하고 그 흉측한 사건은 부근 일대 소문으로 퍼졌으며, 사람들은 제멋대로 여러 가지 소문들을 만들어냈다. 젊은 부부가 결혼 당시 있어왔던 아버지와의 충돌, 간호사와 할리, 그리고 에도너의 삼각관계 등 여러 해석이 시도되었다. 어떤 이는 할리가 결혼 이후 아버지를 증오하고 있었으므로 그 때문에 아버지를 독살했을 것이라고 상상하고, 다른 이는 고인이 부자였기에 간호사가 후계자의 부인이 되기 위해 노인을 죽이고 에도너가 의심받도록 한 행위라고 상상하고, 또 다른 이는 에도너가 오래 전부터 시아버지를 미워했기 때문이라고 상상했다. 예심재판 결과 밀튼 소머스는 비소제로 독살되고 범인이 에도너라고 결정되었다.

여론은 에도너에게 있어서 지극히 불리했다. 사람들은 그녀가 허영심을 충족시키기 위해 어서 노인을 죽게 한 다음 재산을 자신 것으로 만들려 했다고 해석했다. 또한 그녀는 그 때 임신 중이었으나 옥중에서 출산하게 되면 태어난 아이에게 낙인을 찍는 것과도 같으므로 여러 이유 때문에 그녀는 적지 않게 고민했다.

“이 소머스 젊은 부인의 변호사로부터 제게 사건감정 의뢰가 있었습니다.” 브라이언 씨는 말을 이었다. “변호사는 부인의 무죄를 믿고 노인 시체의 의학적 검사에 근본적인 오진이 있다고 봤습니다. 저도 자초지정을 모두 듣고 출발점은 역시 위장 내용물의 화학적 검사에 있을 것이라고 생각했습니다. 만약 패리스 그린이 우유에 섞이고 열이 가해졌다면 표면에 녹색 거품이 일어나야 합니다. 그러므로 누구 눈에도 띄기 쉬우므로 그런 위험한 짓을 할 사람은 없을 것입니다. 여기에 어떤 수사상의 실수가 있을 것이라고 생각하여 감정을 맡아 위장 내용물에 대한 재감정을 요청하고는 허가가 나온 후 만약을 위해 전문 화학자 두 명에게도 별도로 분석을 의뢰하도록 했습니다.”

변호사 요청은 받아들여졌으며 위장 내용물은 브라이언 씨에게 배달되었다. 브라이언 씨는 곧바로 비소경(砒素鏡) 검출법을 시작하고 기타 방법에 의해 분석에 들어갔으나 대량은 고사하고 비소 흔적조차도 발견되지 않았다.

“그 때는 정말 놀랐습니다.” 브라이언 씨는 힘을 주어 말했다. “왜냐하면 검의관은 다량의 비소가 포함되어 있다고 증언했으니 말입니다. 또한 주치의도 주치의죠. 비소를 먹지 않았는데도 비소중독이라고 진단했으니 문제입니다. 두 화학자의 분석결과도 마찬가지였으며 법정에서 그 증언이 발표되자 방청객들의 감정은 급반전하여 부인에 대한 동정심으로 변했습니다. 배심원들은 불과 20분간 협의하고는 소머스 부인에게 무죄를 선고했지요.”

이리하여 의사의 잘못된 감정 때문에 무고한 사람이 하마터면 살인범이 될 뻔한 것이다.


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“하지만 왜 그 녹색물질이 우유 캔 안에 들어 있었던 거죠?”라고 나는 브라이언 씨의 말이 끝나고 잠시 후 물었다.

“그게 말하자면 제2의 문제입니다. 저는 그저 비사중독인지 아닌지를 감정하면 되었으니 더 이상 수사도 하지 않았지만, 이게 당신이 가장 좋아하는 오르치 부인의 추리소설에 나오는 ‘구석의 노인’이었다면 분명 해설이 필요했겠지요. 하하하하하.”라고 유쾌하게 웃었다.

“물론 그 패리스 그린은 우유를 먹인 뒤에 캔 속에 넣었을 테니 여기에 가장 중요한 문제가 있게 되겠지요?”라고 나는 브라이언 씨에게 해석을 들으려고 물었다.

“그렇죠. 그렇습니다. 혐의는 당연히 간호사에게 가야 합니다. ‘구석의 노인’이라면 주치의와 간호사를 공범으로 할지도 모릅니다. 무엇보다 간호사 지문이 패리스 그린 상자에서 발견되었다고 하니 말입니다.”

“아무래도 이 사건은 불가사의한 점이 많은 것 같군요.”라고 나는 말했다. “간호사만이 아닌 소머스 부인 지문도 골판지 상자에 있었다고 하니 말이에요. 이 사건의 이면에는 아마도 복잡한 사정이 숨어 있을 것입니다.”

“물론 그렇겠죠. 하지만 그건 추리작가한테 생각하라고 하죠. 소머스 부부는 지금은 즐거운 가정을 꾸리고 평화롭게 지내고 있다고 합니다. 그러나 가장 큰 손해를 본 건 검의관인 스튜어트 씨였죠. 잘못된 감정 때문에 그 후 매우 평판이 나빠져서 지금은 파리가 날리고 있답니다. 이제 바깥 거리도 조용해졌군요. 뜨거운 커피라도 한 잔 하실까요?”


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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)