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오사무 64

부모라는 두 글자 - 일본어

부모라는 두 글자(親という二字:おやというにじ) 다자이 오사무(太宰 治) (1946) 일본어 원문 親(おや)という二字と無筆の親は言い。この川柳(せんりゅう)は、あわれである。 「どこへ行って、何をするにしても、親という二字だけは忘れないでくれよ。」 「チャンや。親という字は一字だよ。」 「うんまあ、仮りに一字が三字であってもさ。」 この教訓は、駄目である。 しかし私は、いま、ここで柳多留(やなぎだる)の解説を試みようとしているのではない。実は、こないだ或(あ)る無筆の親に逢(あ)い、こんな川柳などを、ふっと思い出したというだけの事なのである。 罹災(りさい)したおかたには皆おぼえがある筈(はず)だが、罹災をすると、へんに郵便局へ行く用事が多くなるものである。私が二度も罹災して、とうとう津軽の兄の家へ逃げ込んで居候(いそうろう)という身分になったのであるが、簡易保険だの債券売..

무제 - 일본어

무제(無題 :むだい)다자이 오사무(太宰 治) (1942)일본어 원문 ―――大井廣介といふのは、實にわがままな人である。これを書きながら、腹が立つて仕樣が無い。十九字二十四行、つまり、きつちり四百五十六字の文章を一つ書いてみろといふのである。思ひ上つた思ひつきだ。僕は大井廣介とは、遊んだ事もあまり無いし、今日まで二人の間には、何の恩怨も無かつた筈だが、どういふわけか、このやうな難題を吹きかける。實に、困るのだ。大井君、僕は野暮な男なんだよ。見損つてゐるらしい。きつちり四百五十六字の文章なんて、そんな氣のきいた事が出來る男ぢやないんだ。「とても書けない」と言つて、お斷りしたら、「それは困る。こつちの面目丸つぶしです」と言つて來た。「丸つぶれ」でなく、「丸つぶし」と言つてゐるのも妙である。これでは僕が、大井廣介の面目を踏みつぶした事になる。ものの考へかたが、既に常人とちがつてゐる。實..

화폐 - 일본어

화폐(貨幣:かへい) 다자이 오사무(太宰 治) (1946) 일본어 원문 異国語においては、名詞にそれぞれ男女の性別あり。 然して、貨幣を女性名詞とす。 私は、七七八五一号の百円紙幣です。あなたの財布の中の百円紙幣をちょっと調べてみて下さいまし。あるいは私はその中に、はいっているかも知れません。もう私は、くたくたに疲れて、自分がいま誰の懐の中にいるのやら、あるいは屑籠の中にでもほうり込まれているのやら、さっぱり見当も附かなくなりました。ちかいうちには、モダン型の紙幣が出て、私たち旧式の紙幣は皆焼かれてしまうのだとかいう噂も聞きましたが、もうこんな、生きているのだか、死んでいるのだかわからないような気持でいるよりは、いっそさっぱり焼かれてしまって昇天しとうございます。焼かれた後で、天国へ行くか地獄へ行くか、それは神様まかせだけれども、ひょっとしたら、私は地獄へ落ちるかも知れないわ。生..

달려라 메로스 - 일본어

달려라 메로스(走れメロス:はしれめろす) 다자이 오사무(太宰 治) (1940) 일본어 원문 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此(こ)のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿(はなむこ)として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。メロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今..

기다림 - 일본어

기다림(待つ:まつ) 다자이 오사무(太宰 治) (1942) 일본어 원문 省線のその小さい駅に、私は毎日、人をお迎えにまいります。誰とも、わからぬ人を迎えに。 市場で買い物をして、その帰りには、かならず駅に立ち寄って駅の冷いベンチに腰をおろし、買い物籠を膝に乗せ、ぼんやり改札口を見ているのです。上り下りの電車がホームに到着するごとに、たくさんの人が電車の戸口から吐き出され、どやどや改札口にやって来て、一様に怒っているような顔をして、パスを出したり、切符を手渡したり、それから、そそくさと脇目も振らず歩いて、私の坐っているベンチの前を通り駅前の広場に出て、そうして思い思いの方向に散って行く。私は、ぼんやり坐っています。誰か、ひとり、笑って私に声を掛ける。おお、こわい。ああ、困る。胸が、どきどきする。考えただけでも、背中に冷水をかけられたように、ぞっとして、息(いき)がつまる。けれども私..

만원 - 일본어

만원(満願:まんがん) 다자이 오사무(太宰 治) (1938) 일본어 원문 これは、いまから、四年まえの話である。私が伊豆の三島の知り合いのうちの二階で一夏を暮し、ロマネスクという小説を書いていたころの話である。或る夜、酔いながら自転車に乗りまちを走って、怪我(けが)をした。右足のくるぶしの上のほうを裂(さ)いた。疵(きず)は深いものではなかったが、それでも酒をのんでいたために、出血がたいへんで、あわててお医者に駈けつけた。まち医者は三十二歳の、大きくふとり、西郷隆盛に似ていた。たいへん酔っていた。私と同じくらいにふらふら酔って診察室に現われたので、私は、おかしかった。治療を受けながら、私がくすくす笑ってしまった。するとお医者もくすくす笑い出し、とうとうたまりかねて、ふたり声を合せて大笑いした。 その夜から私たちは仲良くなった。お医者は、文学よりも哲学を好んだ。私もそのほうを語るの..

거짓말 - 일본어

거짓말(嘘:うそ) 다자이 오사무(太宰 治) (1946) 일본어 원문 「戦争が終ったら、こんどはまた急に何々主義だの、何々主義だの、あさましく騒ぎまわって、演説なんかしているけれども、私は何一つ信用できない気持です。主義も、思想も、へったくれも要(い)らない。男は嘘(うそ)をつく事をやめて、女は慾を捨てたら、それでもう日本の新しい建設が出来ると思う。」 私は焼け出されて津軽の生家の居候(いそうろう)になり、鬱々(うつうつ)として楽しまず、ひょっこり訪ねて来た小学時代の同級生でいまはこの町の名誉職の人に向って、そのような八つ当りの愚論を吐いた。名誉職は笑って、 「いや、ごもっとも。しかし、それは、逆じゃありませんか。男が慾を捨て、女が嘘をつく事をやめる、とこう来なくてはいけません。」といやにはっきり反対する。 私はたじろぎ、 「そりゃまた、なぜです。」 「まあ、どっちでも、同じ様な..

향응부인 - 일본어

향응부인(饗応婦人:きょうおうふじん) 다자이 오사무(太宰 治) (1942) 일본어 원문 奥さまは、もとからお客に何かと世話を焼き、ごちそうするのが好きなほうでしたが、いいえ、でも、奥さまの場合、お客をすきというよりは、お客におびえている、とでも言いたいくらいで、玄関のベルが鳴り、まず私が取次ぎに出まして、それからお客のお名前を告げに奥さまのお部屋へまいりますと、奥さまはもう既に、鷲(わし)の羽音を聞いて飛び立つ一瞬前の小鳥のような感じの異様に緊張の顔つきをしていらして、おくれ毛を掻(か)き上げ襟(えり)もとを直し腰を浮かせて私の話を半分も聞かぬうちに立って廊下に出て小走りに走って、玄関に行き、たちまち、泣くような笑うような笛の音に似た不思議な声を挙げてお客を迎え、それからはもう錯乱したひとみたいに眼つきをかえて、客間とお勝手のあいだを走り狂い、お鍋(なべ)をひっくりかえしたりお..

금주의 마음 - 일본어

금주의 마음(禁酒の心:きんしゅのこころ) 다자이 오사무(太宰 治) (1943) 일본어 원문 私は禁酒をしようと思っている。このごろの酒は、ひどく人間を卑屈にするようである。昔は、これに依(よ)って所謂(いわゆる)浩然之気(こうぜんのき)を養ったものだそうであるが、今は、ただ精神をあさはかにするばかりである。近来私は酒を憎むこと極度である。いやしくも、なすあるところの人物は、今日此際(このさい)、断じて酒杯を粉砕すべきである。 日頃酒を好む者、いかにその精神、吝嗇(りんしょく)卑小(ひしょう)になりつつあるか、一升の配給酒の瓶(びん)に十五等分の目盛(めもり)を附し、毎日、きっちり一目盛ずつ飲み、たまに度を過して二目盛飲んだ時には、すなわち一目盛分の水を埋合せ、瓶を横ざまに抱えて震動を与え、酒と水、両者の化合醗酵(はっこう)を企てるなど、まことに失笑を禁じ得ない。また配給の三合の..

직소 - 일본어

직소(駆込み訴え:かけこみうったえ) 다자이 오사무(太宰 治) (1940) 일본어 원문 申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷(ひど)い。酷い。はい。厭(いや)な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ。 はい、はい。落ちついて申し上げます。あの人を、生かして置いてはなりません。世の中の仇(かたき)です。はい、何もかも、すっかり、全部、申し上げます。私は、あの人の居所(いどころ)を知っています。すぐに御案内申します。ずたずたに切りさいなんで、殺して下さい。あの人は、私の師です。主です。けれども私と同じ年です。三十四であります。私は、あの人よりたった二月(ふたつき)おそく生れただけなのです。たいした違いが無い筈だ。人と人との間に、そんなにひどい差別は無い筈だ。それなのに私はきょう迄(まで)あの人に、どれほど意地悪くこき使われて来たことか。どんなに嘲弄(ち..

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