수선화(水仙)

다자이 오사무(太宰 治) (1942)

일본어 원문

「忠直卿行状記」という小説を読んだのは、僕が十三か、四のときの事で、それっきり再読の機会を得なかったが、あの一篇の筋書だけは、二十年後 のいまもなお、忘れずに記憶している。奇妙にかなしい物語であった。
  剣術の上手(じょうず)な若い殿様が、家来たちと試合をして片っ端から打ち破って、大いに得意で庭園を散歩していたら、いやな囁(ささや)きが庭の暗闇の奥から聞えた。
 「殿様もこのごろは、なかなかの御上達だ。負けてあげるほうも楽になった。」
 「あははは。」
  家来たちの不用心な私語である。
  それを聞いてから、殿様の行状は一変した。真実を見たくて、狂った。家来たちに真剣勝負を挑(いど)んだ。けれども家来たちは、真剣勝負に於いてさえも、本気 に戦ってくれなかった。あっけなく殿様が勝って、家来たちは死んでゆく。殿様は、狂いまわった。すでに、おそるべき暴君である。ついには家も断絶せられ、その身も監禁せられる。
  たしか、そのような筋書であったと覚えているが、その殿様を僕は忘れる事が出来なかった。ときどき思い出しては、溜息(ためいき)をついたものだ。
  けれども、このごろ、気味の悪い疑念が、ふいと起って、誇張ではなく、夜も眠られぬくらいに不安になった。その殿様は、本当に剣術の素晴らしい名人だったのではあるまいか。家来たちも、わざと負けていたのではなくて、本当に殿様の腕前には、かなわなかったのではあるまいか。庭園の私語も、家来たちの 卑劣 な負け惜しみに過ぎなかったのではあるまいか。あり得る事だ。僕たちだって、佳(よ)い先輩にさんざん自分たちの仕事を罵倒(ばとう)せられ、その先輩の高い情熱と正しい感覚に、ほとほと参ってしまっても、その先輩とわかれた後で、
 「あの先輩もこのごろは、なかなかの元気じゃないか。もういたわってあげる必要もないようだ。」
 「あははは。」
  などという実に、賤(いや)しい私語を交した夜も、ないわけではあるまい。それは、あり得る事なのである。家来というものは、その人柄に於いて、かならず、殿様よりも劣 っているものである。あの庭園の私語も、家来たちのひねこびた自尊心を満足させるための、きたない負け惜しみに過ぎなかったのではあるまいか。とすると、慄然(りつぜん)とするのだ。殿様は、真実を 掴 みながら、真実を追い求めて狂ったのだ。殿様は、事実、剣術の名人だったのだ。家来たちは、決してわざと負けていたのではなかった。事実、かなわなかったのだ。それならば、殿様が勝ち、家来が負けるというのは当然の事で、後でごたごたの起るべき筈(はず)は無いのであるが、やっぱり、大きい惨事が起ってしまった。殿様が、 御自分 の腕前に確乎不動の自信を持っていたならば、なんの異変も起らず、すべてが平和であったのかも知れぬが、古来、天才は自分の真価を知ること甚(はなは)だうといものだそうである。自分の 力 が信じられぬ。そこに天才の煩悶(はんもん)と、深い祈りがあるのであろうが、僕は俗人の凡才だから、その辺のことは正確に説明できない。とにかく、殿様は、自分の腕前に絶対の信頼を置く事は出来なかった。事実、名人の卓抜(たくばつ)の腕前を持っていたのだが、信じる事が出来ずに狂った。そこには、殿様という 隔絶された御身分に依る不幸もあったに違いない。僕たち長屋住居の者であったら、
 「お前は、おれを偉いと思うか。」
 「思いません。」
 「そうか。」
  というだけですむ事も、殿様ともなればそうも行くまい。天才の不幸、殿様の不幸、という具合いに考えて来ると、いよいよ僕の不安が増大して来 るばかりである。似たような惨事が、僕の身辺に於いて起ったのだ。その事件の為に、僕は、あの「忠直卿行状記 」を自(おのずか)ら思い出し、そうして一夜、ふいと恐ろしい疑念にとりつかれたり等して、あれこれ思い合せ、誇張ではなく、夜も眠られぬほど不安になった。あの殿様は、本当に剣術が素晴らしく強かったのではあるまいか。けれども問題は、もはやその殿様の身の上ではない。
  僕の忠直卿は、三十三歳 の女性である。そうして僕の役割は、あの、庭園であさましい負け惜しみを言っていた家来であったかも知れないのだから、いよいよ、やり切れない話である。
  草田惣兵衛氏の夫人、草田静子。このひとが突然、あたしは天才だ、と言って家出したというのだから、驚いた。草田氏 の家と僕の生家とは、別に血のつながりは無いのだが、それでも先々代あたりからお互いに親しく交際している。交際している、などと言うと聞えもいいけれど、実情は、僕の生家の者たちは 草田氏の家に出入りを許されている、とでも言ったほうが当っている。俗にいう御身分 も、財産も、僕の生家などとは、まるで段違いなのである。謂(い)わば、僕の生家のほうで、交際をお願いしているというような具合 いなのである。まさしく、殿様と家来である。当主の惣兵衛氏 は、まだ若い。若いと言っても、もう四十は越している。東京帝国大学の経済科を卒業してから、フランスへ行き、五、六年あそんで、日本へ帰るとすぐに遠い親戚筋 の家(この家は、のち間もなく没落した)その家のひとり娘、静子さんと結婚した。夫婦の仲も、まず円満、と言ってよい状態であった。一女 をもうけ、玻璃子(はりこ)と名づけた。パリイを、もじったものらしい。惣兵衛氏 は、ハイカラな人である。背の高い、堂々たる美男である。いつも、にこにこ笑っている。いい洋画を、たくさん持っている。ドガの競馬の画が、その中でも一ばん自慢のものらしい。けれども、自分の趣味の高さを誇るような素振りは、ちっとも見せない。美術に関する話も、あまりしない。毎日、自分の銀行に通勤している。要するに、一流の紳士である。 六年前に先代がなくなって、すぐに惣兵衛氏が、草田の家を嗣(つ)いだのである。
  夫人は、――ああ、こんな身の上の説明をするよりも、僕は数年前の、或る日のささやかな事件を描写しよう。そのほうが早道である。三年前のお正月、僕は草田 の家に年始に行った。僕は、友人にも時たまそれを指摘されるのだが、よっぽど、ひがみ根性の強い男らしい。ことに、八年前 ある事情で生家から離れ、自分ひとりで、極貧に近いその日暮しをはじめるようになってからは、いっそう、ひがみも強くなった様子である。ひとに侮辱をされはせぬかと、散りかけている枯葉のように絶えずぷるぷる命を賭けて緊張している。やり切れない悪徳である。僕は、 草田の家には、めったに行かない。生家の母や兄は、今でもちょいちょい草田 の家に、お伺(うかが)いしているようであるが、僕だけは行かない。高等学校の頃までは、僕も無邪気に遊びに行っていたのであるが、大学へはいってからは、もういやになった。 草田の家の人たちは、みんないい人ばかりなのであるが、どうも行きたくなくなった。金持はいやだ、という単純な思想を持ちはじめていたのである。それが、どうして、三年前 のお正月に限って、お年始などに行く気になったかというと、それは、そもそも僕自身が、だらしなかったからである。その前年の師走(しわす)、草田夫人 から僕に、突然、招待の手紙が来たのである。
  ――しばらくお逢い致しません。来年のお正月には、ぜひとも遊びにおいで下さい。主人も、たのしみにして待っております。主人も私も、あなたの小説の読者です。
  最後の一句 に、僕は浮かれてしまったのだ。恥ずかしい事である。その頃、僕の小説も、少し売れはじめていたのである。白状するが、僕はその頃、いい気になっていた。危険な時期であったのである。ふやけた気持でいた時、 草田夫人からの招待状が来て、あなたの小説の読者ですなどと言われたのだから、たまらない。ほくそ笑んで、御招待まことにありがたく云々と色気 たっぷりの返事を書いて、そうして翌(あく)る年の正月一日に、のこのこ出かけて行って、見事、眉間(みけん)をざくりと割られる程の大恥辱を受けて帰宅した。
  その日、草田の家では、ずいぶん僕を歓待してくれた。他の年始のお客にも、いちいち僕を「流行作家」として紹介するのだ。僕は、それを揶揄(やゆ)、侮辱の言葉 と思わなかったばかりか、ひょっとしたら僕はもう、流行作家なのかも知れないと考え直してみたりなどしたのだから、話にならない。みじめなものである。僕は酔った。 惣兵衛氏を相手に大いに酔った。もっとも、酔っぱらったのは僕ひとりで、惣兵衛氏は、いくら飲んでも顔色も変らず、そうして気弱そうに、無理に微笑して、僕の文学談 を聞いている。
 「ひとつ、奥さん、」と僕は図に乗って、夫人へ盃をさした。「いかがです。」
 「いただきません。」夫人は冷く答えた。それが、なんとも言えず、骨のずいに徹するくらいの冷厳 な語調であった。底知れぬ軽蔑感が、そのたった一語に、こめられて在った。僕は、まいった。酔いもさめた。けれども苦笑して、
 「あ、失礼。つい酔いすぎて。」と軽く言ってその場をごまかしたが、腸が煮えくりかえった。さらに一つ。僕は、もうそれ以上お酒を飲む気もせず、ごはんを食べる事にした。 蜆汁(しじみじる)がおいしかった。せっせと貝の肉を箸(はし)でほじくり出して食べていたら、
 「あら、」夫人は小さい驚きの声を挙げた。「そんなもの食べて、なんともありません?」無心な質問である。
  思わず箸とおわんを取り落しそうだった。この貝は、食べるものではなかったのだ。蜆汁 は、ただその汁だけを飲むものらしい。貝は、ダシだ。貧しい者にとっては、この貝の肉だってなかなかおいしいものだが、上流の人たちは、この肉を、たいへん汚いものとして捨てるのだ。なるほど、蜆の肉は、お臍(へそ)みたいで醜悪だ。僕は、何も返事が出来なかった。無心な驚きの声であっただけに、手痛かった。ことさらに上品ぶって、そんな質問をするのなら、僕にも応答の仕様がある。けれども、その声は、全く本心からの純粋な驚きの声なのだから、僕は、まいった。なりあがり者の「 流行作家」は、箸とおわんを持ったまま、うなだれて、何も言えない。涙が沸(わ)いて出た。あんな手ひどい恥辱を受けた事がなかった。それっきり僕は、草田 の家へは行かない。草田の家だけでなく、その後は、他のお金持の家にも、なるべく行かない事にした。そうして僕は、意地になって、貧乏の薄汚い生活を続けた。
  昨年の九月、僕の陋屋(ろうおく)の玄関に意外の客人が立っていた。草田惣兵衛氏である。
 「静子が来ていませんか。」
 「いいえ。」
 「本当ですか。」
 「どうしたのです。」僕のほうで反問した。
  何かわけがあるらしかった。
 「家は、ちらかっていますから、外へ出ましょう。」きたない家の中を見せたくなかった。
 「そうですね。」と草田氏はおとなしく首肯(うなず)いて、僕のあとについて来た。
  少し歩くと、井の頭公園である。公園の林の中を歩きながら、草田氏は語った。
 「どうもいけません。こんどは、しくじりました。薬が、ききすぎました。」夫人が、家出をしたというのである。その原因が、実に馬鹿げている。数年前に、夫人の実家 が破産した。それから夫人は、妙に冷く取りすました女になった。実家 の破産を、非常な恥辱と考えてしまったらしい。なんでもないじゃないか、といくら慰めてやっても、いよいよ、ひがむばかりだという。それを聞いて僕も、お正月の、あの「いただきません」の異様な 冷厳が理解できた。静子さんが草田の家にお嫁に来たのは、僕の高等学校時代の事で、その頃は僕も、平気で草田 の家にちょいちょい遊びに行っていたし、新夫人の静子さんとも話を交して、一緒 に映画を見に行った事さえあったのだが、その頃の新夫人は、決してあんな、骨を刺すような口調でものを言う人ではなかった。無智なくらいに明るく笑うひとだった。あの元旦に、久し振りで顔を合せて、すぐに僕は、何も 言葉を交さぬ先から、「変ったなあ」と思っていたのだが、それでは矢張(やは)り、実家 の破産という憂愁が、あのひとをあんなにひどく変化させてしまっていたのに違いない。
 「ヒステリイですね。」僕は、ふんと笑って言った。
 「さあ、それが。」草田氏は、僕の軽蔑に気がつかなかったらしく、まじめに考え込んで、「とにかく、僕がわるいんです。おだて過ぎたのです。薬がききすぎました。」草田氏 は夫人を慰める一手段として、夫人に洋画を習わせた。一週間にいちどずつ、近所の中泉花仙とかいう、もう六十歳近い下手(へた)くそな老画伯 のアトリエに通わせた。さあ、それから褒(ほ)めた。草田氏をはじめ、その中泉という老耄(ろうもう)の画伯と、それから中泉のアトリエに通っている若い研究生たち、また 草田 の家に出入りしている有象無象(うぞうむぞう)、寄ってたかって夫人の画を褒めちぎって、あげくの果は夫人の逆上という事になり、「あたしは天才だ」と口走って家出したというのであるが、僕は話を聞きながら何度も噴き出しそうになって困った。なるほど薬がききすぎた。お 金持の家庭にありがちな、ばかばかしい喜劇だ。
 「いつ、飛び出したんです。」僕は、もう草田夫妻を、ばかにし切っていた。
 「きのうです。」
 「なあんだ。それじゃ何も騒ぐ事はないじゃないですか。僕の女房だって、僕があんまりお酒を飲みすぎると、里へ行って一晩泊って来る事がありますよ。」
 「それとこれとは違います。静子は芸術家として自由な生活をしたいんだそうです。お金をたくさん持って出ました。」
 「たくさん?」
 「ちょっと多いんです。」
  草田氏くらいのお金持が、ちょっと多い、というくらいだから、五千円、あるいは一万円くらいかも知れないと僕は思った。
 「それは、いけませんね。」はじめて少し興味を覚えた。貧乏人は、お金の話には無関心でおれない。
 「静子はあなたの小説を、いつも読んでいましたから、きっとあなたのお家へお邪魔にあがっているんじゃないかと、――」
 「冗談じゃない。僕は、――」敵です、と言おうと思ったのだが、いつもにこにこ笑っている草田氏 が、きょうばかりは蒼(あお)くなってしょげ返っているその様子を目前に見て、ちょっと言い出しかねた。
  吉祥寺の駅の前でわかれたが、わかれる時に僕は苦笑しながら尋ねた。
 「いったい、どんな画をかくんです?」
 「変っています。本当に天才みたいなところもあるんです。」意外の答であった。
 「へえ。」僕は二の句が継げなかった。つくづく、馬鹿な夫婦だと思って、呆(あき)れた。
  それから三日目だったか、わが天才女史は絵具箱をひっさげて、僕の陋屋に出現した。菜葉服(なっぱふく)のような粗末な洋服を着ている。気味わるいほど頬 がこけて、眼が異様に大きくなっていた。けれども、謂(い)わば、一流の貴婦人の品位は、犯しがたかった。
 「おあがりなさい。」僕はことさらに乱暴な口をきいた。「どこへ行っていたのですか。草田さんがとても心配していましたよ。」
 「あなたは、芸術家ですか。」玄関のたたきにつっ立ったまま、そっぽを向いてそう呟(つぶや)いた。れいの冷い、高慢な口調である。
 「何を言っているのです。きざな事を言ってはいけません。草田さんも閉口していましたよ。玻璃子ちゃんのいるのをお忘れですか?」
 「アパートを捜しているのですけど、」夫人は、僕の言葉を全然黙殺している。「このへんにありませんか。」
 「奥さん、どうかしていますね。もの笑いの種ですよ。およしになって下さい。」
 「ひとりで仕事をしたいのです。」夫人は、ちっとも悪びれない。「家を一軒借りても、いいんですけど。」
 「薬がききすぎたと、草田さんも後悔していましたよ。二十世紀には、芸術家も天才もないんです。」
 「あなたは俗物ね。」平気な顔をして言った。「草田のほうが、まだ理解があります。」
  僕に対して、こんな失敬なことを言うお客には帰ってもらうことにしている。僕には、信じている一事があるのだ。誰かれに、わかってもらわなくともいいのだ。いやなら来 るな。
 「あなたは、何しに来たのですか。お帰りになったらどうですか。」
 「帰ります。」少し笑って、「画を、お見せしましょうか。」
 「たくさんです。たいていわかっています。」
 「そう。」僕の顔を、それこそ穴のあくほど見つめた。「さようなら。」
  帰ってしまった。
  なんという事だ。あのひとは、たしか僕と同じとしの筈だ。十二、三歳の子供さえあるのだ。人におだてられて発狂した。おだてる人も、おだてる人だ。不愉快 な事件である。僕は、この事件に対して、恐怖をさえ感じた。
  それから約二箇月間、静子夫人の来訪はなかったが、草田惣兵衛氏からは、その間に五、六回、手紙をもらった。困り切っているらしい。静子夫人は、その後、赤坂 のアパートに起居して、はじめは神妙に、中泉画伯のアトリエに通っていたが、やがてその老画伯をも軽蔑して、絵の勉強 は、ほとんどせず、画伯のアトリエの若い研究生たちを自分のアパートに呼び集めて、その研究生たちのお世辞に酔って、毎晩、有頂天の馬鹿騒ぎをしていた。草田氏 は恥をしのんで、単身赤坂のアパートを訪れ、家へ帰るように懇願したが、だめであった。静子夫人には、鼻であしらわれ、取巻 きの研究生たちにさえ、天才の敵として攻撃せられ、その上、持っていたお金をみんな巻き上げられた。三度おとずれたが、三度とも同じ憂目(うきめ)に逢った。もういまでは、 草田氏も覚悟をきめている。それにしても、玻璃子が不憫(ふびん)である。どうしたらよいのか、男子としてこんな苦しい立場はない、と四十歳を越えた一流紳士の草田氏 が、僕に手紙で言って寄こすのである。けれども僕も、いつか草田の家で受けたあの大恥辱を忘れてはいない。僕には、時々自分でもぞっとするほど執念深 いところがある。いちど受けた侮辱を、どうしても忘れる事が出来ない。草田の家の、此(こ)の度(たび)の不幸に同情する気持など少しも起らぬのである。草田氏 は僕に、再三、「どうか、よろしく静子に説いてやって下さい」と手紙でたのんで来ているのだが、僕は、動きたくなかった。お金持 の使い走りは、いやだった。「僕は奥さんに、たいへん軽蔑されている人間ですから、とてもお役には立ちません。」などと言って、いつも断っていたのである。
  十一月のはじめ、庭の山茶花(さざんか)が咲きはじめた頃であった。その朝、僕は、静子夫人から手紙をもらった。
  ――耳が聞えなくなりました。悪いお酒をたくさん飲んで、中耳炎を起したのです。お医者に見せましたけれども、もう手遅れだそうです。薬缶(やかん)のお湯が、シュンシュン沸いている、あの音も聞えません。窓の外で、樹の枝が枯葉を散らしてゆれ動いておりますが、なんにも音が聞えません。もう、死ぬまで聞く事が出来ません。人の声も、地の底から言っているようにしか聞えません。これも、やがて、全く聞えなくなるのでしょう。耳がよく聞えないという事が、どんなに 淋(さび)しい、もどかしいものか、今度という今度は思い知りました。買物などに行って、私の耳の悪い事を知らない人達が、ふつうの人に話すようにものを言うので、私には、何を言っているのか、さっぱりわからなくて、悲しくなってしまいます。自分をなぐさめるために、耳の悪いあの人やこの人の事など思い出してみて、ようやくの事で一日を過します。このごろ、しょっちゅう、死にたい死にたいと思います。そうしては、玻璃子の事が思い浮んで 来て、なんとかしてねばって、生きていなければならぬと思いかえします。こないだうち、泣くと耳にわるいと思って、がまんにがまんしていた涙を、つい二、三日前 、こらえ切れなくなって、いちどに、滝のように流しましたら、気分がいくらか楽になりました。もういまでは、耳の聞えない事に、ほんの少し、あきらめも出て来 ましたが、悪くなりはじめの頃は、半狂乱でしたの。一日のうちに、何回も何回も、火箸(ひばし)でもって火鉢 のふちをたたいてみます。音がよく聞えるかどうか、ためしてみるのです。夜中でも、目が覚めさえすれば、すぐに寝床に腹這いになって、ぽんぽん火鉢 をたたいてみます。あさましい姿です。畳を爪(つめ)でひっかいてみます。なるべく聞きとりにくいような音をえらんでやってみるのです。人がたずねて来 ると、その人に大きな声を出させたり、ちいさい声を出させたり、一時間も二時間も、しつこく続けて注文して、いろいろさまざま聴力をためしてみるので、お客様 たちは閉口して、このごろは、あんまりたずねて来なくなりました。夜おそく、電車通 りにひとりで立っていて、すぐ目の前を走って行く電車の音に耳をすましていることもありました。
  もう今では、電車の音も、紙を引き裂くくらいの小さい音になりました。間も無く、なんにも聞えなくなるのでしょう。からだ全体が、わるいようです。毎夜、お寝巻 を三度も取りかえます。寝汗でぐしょぐしょになるのです。いままでかいた絵は、みんな破って棄てました。一つ残さず棄てました。私の絵は、とても下手だったのです。あなただけが、本当の事をおっしゃいました。他の人は、みんな私を、おだてました。私は、出来る事なら、あなたのように、まずしくとも気楽な、 芸術家の生活をしたかった。お笑い下さい。私の家は破産して、母も間もなく死んで、父は北海道へ逃げて行きました。私は、草田 の家にいるのが、つらくなりました。その頃から、あなたの小説を読みはじめて、こんな生きかたもあるか、と生きる目標が一つ見つかったような気がしていました。私も、あなたと同じ、まずしい子です。あなたにお逢いしたくなりました。 三年前のお正月に、本当に久し振りにお目にかかる事が出来て、うれしゅうございました。私は、あなたの気ままな酔 いかたを見て、ねたましいくらい、うらやましく思いました。これが本当の生きかただ。虚飾も世辞もなく、そうしてひとり誇りを高くして生きている。こんな生きかたが、いいなあと思いました。けれども私には、どうする事も出来ません。そのうちに主人が私に絵をかく事をすすめて、私は主人を信じていますので、(いまでも私は主人を愛しております)中泉さんのアトリエに通う事になりましたが、たちまち皆さんの熱狂的な賞讃の的(まと)になり、はじめは私もただ当惑いたしましたが、主人まで 真顔になって、お前は天才かも知れぬなどと申します。私は主人の美術鑑賞眼をとても尊敬していましたので、とうとう私も逆上し、かねてあこがれの芸術家 の生活をはじめるつもりで家を出ました。ばかな女ですね。中泉さんのアトリエにかよっている研究生たちと一緒に、二、三日箱根 で遊んで、その間に、ちょっと気にいった絵が出来ましたので、まず、あなたに見ていただきたくて、いさんであなたのお家へまいりましたのに、思いがけず、さんざんな目に逢いました。私は恥ずかしゅうございました。あなたに絵を見てもらって、ほめられて、そうして、あなたのお家の近くに 間借りでもして、お互いまずしい芸術家としてお友だちになりたいと思っていました。私は狂っていたのです。あなたに面罵(めんば)せられて、はじめて私は、正気になりました。自分の 馬鹿 を知りました。わかい研究生たちが、どんなに私の絵を褒めても、それは皆あさはかなお世辞で、かげでは舌を出しているのだという事に気がつきました。けれどもその時には、もう、私の生活が 取りかえしのつかぬところまで落ちていました。引き返すことが出来なくなっていました。落 ちるところまで落ちて見ましょう。私は毎晩お酒を飲みました。わかい研究生たちと徹夜で騒ぎました。焼酎(しょうちゅう)も、ジンも飲みました。きざな、ばかな女ですね。
  愚痴(ぐち)は、もう申しますまい。私は、いさぎよく罰を受けます。窓のそとの樹の枝のゆれぐあいで、風がひどいなと思っているうちに、雨が横なぐりに降って来 ました。雨の音も、風の音も、私にはなんにも聞えませぬ。サイレントの映画のようで、おそろしいくらい、淋しい夕暮です。この手紙に御返事 は要りませんのですよ。私のことは、どうか気になさらないで下さい。淋しさのあまり、ちょっと書いてみたのです。あなたは平気でいらして下さい。――
  手紙には、アパートのところ番地も認められていた。僕は出掛けた。
  小綺麗なアパートであったが、静子さんの部屋は、ひどかった。六畳間で、そうして部屋には何もなかった。火鉢と机、それだけだった。畳は赤ちゃけて、しめっぽく、部屋 は日当りも悪くて薄暗く、果物の腐ったようないやな匂いがしていた。静子さんは、窓縁に腰かけて笑っている。さすがに身なりは、きちんとしている。顔にも美しさが残っている。 二箇月前 に見た時よりも、ふとったような感じもするが、けれども、なんだか気味がわるい。眼に、ちからが無い。生きている人の眼ではなかった。瞳(ひとみ)が灰色に濁っている。
 「無茶ですね!」と僕は叫ぶようにして言ったのであるが、静子さんは、首を振って、笑うばかりだ。もう全く聞えないらしい。僕は机の上の用箋に、「草田 ノ家ヘ、カエリナサイ」と書いて静子さんに読ませた。それから二人の間に、筆談がはじまった。静子さんも机の傍に坐って熱心に書いた。
 草田ノ家ヘ、カエリナサイ。
  スミマセン。
 トニカク、カエリナサイ。
  カエレナイ。
 ナゼ?
  カエルシカク、ナイ。
 草田サンガ、マッテル。
  ウソ。
 ホント。
  カエレナイノデス。ワタシ、アヤマチシタ。
 バカダ。コレカラドウスル。
  スミマセン。ハタラクツモリ。
 オ金、イルカ。
  ゴザイマス。
 絵ヲ、ミセテクダサイ。
  ナイ。
 イチマイモ?
  アリマセン。
  僕は急に、静子さんの絵を見たくなったのである。妙な予感がして来た。いい絵だ、すばらしくいい絵だ。きっと、そうだ。
 絵ヲ、カイテユク気ナイカ。
  ハズカシイ。
 アナタハ、キットウマイ。
  ナグサメナイデホシイ。
 ホントニ、天才カモ知レナイ。
  ヨシテ下サイ。モウオカエリ下サイ。
  僕は苦笑して立ちあがった。帰るより他はない。静子夫人は僕を見送りもせず、坐ったままで、ぼんやり窓の外を眺めていた。
  その夜、僕は、中泉画伯のアトリエをおとずれた。
 「静子さんの絵を見たいのですが、あなたのところにありませんか。」
 「ない。」老画伯は、ひとの好さそうな笑顔で、「御自分で、全部破ってしまったそうじゃないですか。天才的だったのですがね。あんなに、わがままじゃいけません。」
 「書き損じのデッサンでもなんでも、とにかく見たいのです。ありませんか。」
 「待てよ。」老画伯は首をかたむけて、「デッサンが三枚ばかり、私のところに残っていたのですが、それを、あのひとが此の間やって来 て、私の目の前で破ってしまいました。誰か、あの人の絵をこっぴどくやっつけたらしく、それからはもう、あ、そうだ、ありました、ありました、まだ一枚のこっています。うちの 娘が、たしか水彩を一枚持っていた筈です。」
 「見せて下さい。」
 「ちょっとお待ち下さい。」
  老画伯は、奥へ行って、やがてにこにこ笑いながら一枚の水彩を持って出て来て、
 「よかった、よかった。娘が秘蔵していたので助かりました。いま残っているのは、おそらく此の水彩いちまいだけでしょう。私は、もう、一万円でも手放しませんよ。」
 「見せて下さい。」
  水仙の絵である。バケツに投げ入れられた二十本程の水仙の絵である。手にとってちらと見てビリビリと引き裂いた。
 「なにをなさる!」老画伯は驚愕(きょうがく)した。
 「つまらない絵じゃありませんか。あなた達は、お金持 の奥さんに、おべっかを言っていただけなんだ。そうして奥さんの一生を台無しにしたのです。あの人をこっぴどくやっつけた男というのは僕です。」
 「そんなに、つまらない絵でもないでしょう。」老画伯は、急に自信を失った様子で、「私には、いまの新しい人たちの画は、よくわかりませんけど。」
  僕はその絵を、さらにこまかに引き裂いて、ストーヴにくべた。僕には、絵がわかるつもりだ。草田氏 にさえ、教える事が出来るくらいに、わかるつもりだ。水仙の絵は、断じて、つまらない絵ではなかった。美事だった。なぜそれを僕が引き裂いたのか。それは読者の推量 にまかせる。静子夫人は、草田氏の手許に引きとられ、そのとしの暮に自殺した。僕の不安は増大する一方である。なんだか天才の絵のようだ。おのずから忠直卿 の物語など思い出され、或(あ)る夜ふと、忠直卿 も事実素晴らしい剣術の達人だったのではあるまいかと、奇妙な疑念にさえとらわれて、このごろは夜も眠られぬくらいに不安である。二十世紀 にも、芸術の天才が生きているのかも知れぬ。

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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

수선화(水仙)

다자이 오사무(太宰 治) (1942)

번역 : 위어조자

‘타다나오 경 행상기(忠直卿行狀記)’라는 소설을 읽은 것은 내가 13세인가 14세 정도의 일로, 그 때 이후 다시 읽을 기회가 없었으나, 그 한 편의 줄거리만은 20년이 지난 지금도 여전히 잊지 않고 기억하고 있다. 매우 슬픈 이야기였다.

검술이 뛰어난 젊은 주군이 부하들과 시합을 하고는 완승을 거두고 매우 기분이 좋아 정원을 산책하고 있었더니, 어디선가 속삭이는 소리가 정원 어둠 속에서 들려왔다.

“주군께서도 요즘은 꽤 솜씨가 좋아지셨어. 져주는 쪽도 편해졌다니까.”

“으하하하.”

 부하들의 부주의한 사담이었다.

이것을 듣고 주군은 돌변했다. 사실을 알고 싶어 어쩔 줄을 몰라 했다. 부하들에게 진검승부를 요구했다. 그러나 부하들은 진검승부에 있어서도 전심으로 싸워주지 않았다. 어이없게 주군이 이기고 부하들은 죽어간다. 주군은 완전히 돌았다. 이미 끔찍한 폭군이다. 결국은 집안도 망하고 스스로도 감금당하기에 이른다.

분명 그와 같은 줄거리로 생각되나, 그 주군을 나는 잊을 수가 없었다. 가끔 떠올리고는 한숨을 쉬곤 했다.

그러나 최근 기이한 의심이 문득 떠올라, 과장이 아니라 밤에 잠도 못 이룰 정도로 불안해지기 시작했다. 그 주군은 정말 훌륭한 검술의 달인이 아니었을까. 부하들도 일부러 져준 것이 아니라 정말로 주군 실력을 당해내지 못한 것이 아닐까. 정원에서 들려온 사담도 부하들의 비겁한 핑계에 지나지 않은 것이 아닐까. 있을 수 있는 일이다. 우리들도 대단한 선배들로부터 처참하게 자신들의 일에 대해 모욕을 당하고 그 선배의 높은 정열과 올바른 감각에 탄복하고서도, 그 선배와 헤어진 후에는,

“저 선배도 요즘은 꽤 신이 나 보이는군. 이제 치켜세워줄 필요도 없겠어.”

“으하하하.”

이와 같은 실로 치사한 사담을 나누었던 밤이 없지는 않았다. 그것은 있을 수 있는 일이다. 부하라는 이들은 그 인품에 있어서 항상 주군보다 못하다. 그 정원에서의 사담도 부하들의 되지도 않는 자존심을 만족시키기 위한, 지저분한 핑계에 지나지 않았던 것이 아닐까. 그렇다면 소름이 끼친다. 주군은 진실을 이미 가지고 있으면서 진실을 좇기 위해 미친 것이다. 주군은 사실 검술의 달인이었던 것이다. 부하들은 절대 일부러 진 것이 아니었다. 정말로 당해내지 못했던 것이다. 그렇다면 주군이 이기고 부하가 진다는 것은 당연한 일로서, 후에 여러 문제가 생기지 않았을 수도 있었으나, 역시 크나큰 참사가 일어나고 말았다. 주군이 스스로의 실력에 대해 확고부동한 자신감을 가지고 있었다면 아무런 이변도 일어나지 않고 모두가 평화로웠을지도 모르나, 본래 천재는 스스로의 진가를 알지 못한다고 한다. 스스로의 힘을 믿을 수 없다. 이 점에 천재의 번민과 깊은 시름이 있는 것이겠으나, 나는 속물인 범재(凡才)이므로 그러한 것에 대해서는 설명하지 못한다. 아무튼 주군은 자신의 실력에 절대적인 신뢰를 둘 수 없었다. 사실 달인의 탁월한 실력을 가지고 있었으나 믿을 수 없어 미쳐버렸다. 주군이라는 격리된 신분에 의한 불행도 분명 있었으리라. 나와 같은 서민이었더라면,

“너는 나를 훌륭하다고 생각하냐.”

“아닙니다.”

“그렇군.”

이것으로 끝날 일도 주군 정도가 되면 그렇지 못하다. 천재의 불행, 주군의 불행이라는 식으로 생각하면 점점 나 자신의 불안감이 커질 뿐이다. 비슷한 참사가 내 주변에 있어서도 일어난 것이다. 그 사건 때문에 나는 그 ‘타다나오 경 행상기’를 또다시 떠올렸고, 그리고는 밤새도록 문득 두려운 마음에 사로잡히거나 하여 이것저것 생각하다가, 과장이 아니라 밤에 잠을 이룰 수 없을 정도로 불안해지고 말았다. 그 주군은 정말로 훌륭한 검술을 가지고 있어 매우 강하지 않았을까. 그러나 문제는 이미 그 주군에 대한 것이 아니다.

내게 있어서 타다나오 경은 33세의 여성이다. 그리고 내 역할은 그 정원에서 치졸하게 핑계를 대고 있던 부하였는지도 모르므로 점점 더 답답해지는 이야기이다.

쿠사다 소오베에(草田惣兵衛) 씨의 부인 쿠사다 시즈코(草田靜子). 이 사람이 갑자기 “나는 천재다”라고 하며 가출했다고 하니 놀랐다. 쿠사다 씨 댁과 내 본가와는 친척은 아니지만 그래도 대대로 서로 친하게 교제해왔다. 교제라고 하면 듣기 좋을지는 모르나, 실상은 내 본가 사람들은 쿠사다 씨 댁에 출입을 허락받았다고 하는 편이 낫다. 이른바 신분도 재산도 내 본가와는 천지 차이다. 말하자면 내 본가 쪽에서 교제를 부탁드리고 있는 격이다. 그야말로 주군과 부하이다. 당대 소오베에 씨는 아직 젊다. 젊다고는 하나 이미 40은 넘었다. 동경제국대학 경제학과를 졸업하고 프랑스로 건너가 5, 6년 놀다 일본으로 돌아오자 곧바로 먼 친척 집안(이 집은 얼마 지나지 않아 몰락했다) 의 외동딸 시즈코 씨와 결혼했다. 부부 사이도 그럭저럭 원만하다고 할 수 있는 상태였다. 1녀를 두고 ‘하리코(玻璃子)라고 이름을 붙였다. ‘파리’에서 따왔다고 한다. 소오베에 씨는 세련된 사람이다. 키도 크고 당당한 미남이다. 항상 웃고 있었다. 좋은 서양화를 많이 가지고 있다. 드가 작품인 경마 그림은 그 중에서 가장 자랑스러워했다. 그러나 자신의 취미에 대한 고상함은 전혀 드러내지 않는다. 미술에 관한 이야기도 자주 하지 않았다. 매일 자신이 경영하는 은행으로 출근하고 있었다. 요컨대 일류 신사였다. 6년 전에 선대(先代)가 타계하자 곧바로 소에베에 씨가 쿠사다 가문을 이어받은 것이다.

부인은, ― 아아, 이런 구구한 설명을 하는 것보다 몇 년 전에 있었던 어느 작은 사건을 말하자. 그것이 더 빠르다. 3년 전 정월, 나는 쿠사다 댁에 새해인사차 방문했다. 나는 친구들로부터 종종 그 점을 지적 받곤 하지만, 상당히 모가 난 면이 있다. 특히 8년 전 사정이 있어 집을 떠나고 나 홀로 극빈에 가까운 나날을 보내기 시작하고부터는 훨씬 더 솔직하지 못한 성격이 강해진 듯하다. 남들로부터 모욕당하지는 않을까 하고 흩날리는 낙엽처럼 끊임없이 목숨 걸고 바들바들 긴장하고 있다. 허접한 악한이다. 나는 쿠사다 집에 웬만해서는 가지 않는다. 본가 어머니나 형님은 지금도 간혹 쿠사다 댁을 찾아뵙는 것 같지만, 나만은 안 간다. 고등학교 무렵까지는 나도 아무 생각 없이 놀러가곤 했으나 대학에 들어가고 나서는 이제 가기가 싫어졌다. 쿠사다 댁 사람들은 모두 좋은 사람들뿐이지만 왠지 가기가 싫다. 부자는 싫다는 단순한 사상을 갖기 시작한 것이다. 그런데 왜 3년 전 정월에는 새해인사 같은 것을 하러 갔는가 하니, 그것은 나 자신이 못났기 때문이다. 그 전해 12월, 쿠사다 부인으로부터 내게 갑자기 초청장이 날라 온 것이다.

― 오랫동안 뵙지 못했습니다. 내년 정월에는 꼭 놀러와 주시기 바랍니다. 남편도 기다리고 있습니다. 남편도 저도 당신 소설의 독자입니다.

마지막 한 문구에 나는 흥이 나고 말았다. 부끄러운 노릇이다. 그 무렵 내 소설도 조금씩 팔리기 시작했다. 고백하건대 나는 그 무렵 목에 힘이 들어갔었다. 위험한 시기였던 것이다. 들뜬 기분으로 있었을 때 쿠사다 부인으로부터 초청장이 와서는 당신 소설 독자라는 말까지 들었으니 말이다. 회심의 미소를 짓고는 초청해주셔서 감사합니다 운운 하고 힘껏 멋을 낸 답장을 보내고서, 그리고 이듬해 정월 초하루에 어슬렁어슬렁 찾아가서는 보란 듯이 정수리가 쪼개지는 듯한 대치욕(大恥辱)을 받고 귀가했다.

그날 쿠사다 댁에서는 매우 나를 환대해주었다. 인사차 들른 다른 손님에게도 일일이 나를 ‘유행작가’라며 소개하는 것이다. 나는 그것을 야유, 모욕의 말이라고 생각하기는커녕, 어쩌면 나는 이미 유행작가일지도 모른다고 착각할 정도였으니 할 말이 없다. 치졸했다. 나는 취했다. 소오베에 씨를 상대로 만취했다. 물론 취한 것은 나 혼자였으며 소에베에 씨는 아무리 마셔도 얼굴색 하나 변하지 않고, 그리고 힘없이 억지로 미소 지으며 내 문학담을 듣고 있었다.

“자, 사모님.” 하고 나는 신이 나서 부인에게 술잔을 내밀었다. “어떠세요?”

“됐어요.” 부인은 차갑게 대답했다. 그것이 말로 표현할 수 없을 정도로, 뼛속에 사무치듯 냉엄한 말투였다. 한없는 경멸감이 그 단 한마디에 담겨져 있었다. 나는 긴장했다. 술도 깼다. 그러나 쓴 웃음을 지으며,

“아, 실례. 제가 취했나봅니다.”라며 슬쩍 말을 던지고는 그 자리를 얼버무렸으나 창자가 뒤집혔다. 그리고 또 하나. 나는 더 이상 술을 마시고 싶지도 않아 밥을 먹기로 했다. 바지락국이 맛있었다. 열심히 조갯살을 젓가락으로 끄집어내어 먹고 있었더니,

“어머.” 부인이 작게 놀란 소리를 냈다. “그런 걸 드셔도 아무렇지도 않으세요?” 무심한 질문이다.

나도 모르게 젓가락과 밥그릇을 떨어뜨릴 뻔했다. 그 조개는 먹는 게 아니었던 것이다. 바지락국은 그저 그 국물만을 먹어야 한다. 바지락은 국거리이다. 가난한 자에 있어서는 이 바지락 살이라도 꽤 맛이 있으나 상류층 사람들에게는 이 조갯살이 매우 지저분한 것으로서 버리는 것이다. 그러고 보니 바지락 살은 배꼽 같아서 못생겼다. 나는 아무런 대답도 할 수 없었다. 무심하게 놀란 모습이었으니 가슴이 아팠다. 어울리지 않게 고상한 척 하며 그런 질문을 던졌다면 나도 할 말은 있다. 그러나 그 목소리는 순전히 진심으로 순수한 놀라움이었기에 나는 말문이 막혔다. 허접한 ‘유행작가’는 젓가락과 밥그릇을 들고 고개를 숙인 채 말을 잃었다. 눈물이 쏟아져 나왔다. 그토록 심한 치욕을 받은 일은 없었다. 그날 이후 나는 쿠사다 댁에 가지 않는다. 쿠사다 댁만이 아니라 그 후로는 다른 부잣집에도 가급적 안 가기로 했다. 그리고 나는 오기가 생겨 가난하고 지저분한 생활을 계속했다.

작년 9월, 내 초라한 현관에 뜻밖의 손님이 서 있었다. 쿠사다 소오베에 씨였다.

“시즈코가 오지 않았나요?”

“아니요.”

“정말인가요?”

“왜 그러시죠?” 내가 반문했다.

무슨 일이 있었던 것 같다.

“집은 어질러져 있으니 밖으로 나가시죠.” 지저분한 집안을 보여주기 싫었다.

“그러시죠.” 쿠사다 씨는 얌전히 고개를 끄덕이고서 내 뒤를 따라왔다.

잠시 걸으면 이노가시라(井の頭) 공원이 나온다. 공원 숲속을 걸으며 쿠사다 씨는 말했다.

“일이 잘 안 풀립니다. 이번에는 실수였습니다. 약발이 너무 먹혔습니다.” 부인이 가출했다고 한다. 그 원인이 실로 어이없다. 몇 년 전에 처가가 파산했다. 그로부터 부인은 이상하게 차갑고 내성적이 되었다. 친정의 파산을 큰 치욕으로 받아들인 것 같다. 대단한 일도 아니라며 위로해도 점점 더 비뚤어지기 일쑤였다고 한다. 그 말을 듣고 나도 정초에 그 “됐어요”라고 했던 기이하고도 냉엄함이 이해할 수 있었다. 시즈코 씨가 쿠사다 댁으로 시집 온 것은 내가 고등학교에 다니고 있을 시절이었으며, 그 무렵은 나도 아무렇지 않게 자주 쿠사다 댁으로 놀러갔으며, 새색시였던 시즈코 씨와 대화를 나누며 함께 영화를 보러 간 적도 있었으나, 그 무렵의 새색시는 절대 그런, 가시 돋친 말을 할 사람이 아니었다. 무지할 정도로 밝게 웃는 사람이었다. 그날 정초에 모처럼 얼굴을 맞대고는 곧바로 나는 ‘변했다’고 생각했으나 그것은 역시 친정의 파산이라는 슬픔이 그 분을 그토록 심하게 변화시키고 만 것이 분명했다.

“히스테리군요.” 나는 ‘흥’ 하고 웃으며 말했다.

“글쎄요. 그게.” 쿠사다 씨는 내 경멸을 눈치 채지 못했는지 심각하게 “아무튼 제 잘못입니다. 제가 너무 추켜세웠습니다. 약발이 너무 지나쳤습니다.” 쿠사다 씨는 부인을 위로하는 한 방법으로 부인에게 서양화를 배우도록 했다. 일주일에 한 번씩 이웃집 나카이즈미 카센 (中泉花仙)이라고 하는, 이미 예순이 다 된, 제대로 그릴 줄도 모르는 노 화백의 아틀리에에 다니게 했다. 그리고부터 부인을 칭찬했다. 쿠사다 씨를 비롯하여 그 나카이즈미라는 늙은이 화백, 그리고 나카이즈미의 아틀리에에 다니고 있는 젊은 연구생들, 나아가 쿠사다 집에 출입하는 이 사람 저 사람 닥치는 대로 하나같이 부인 그림을 칭찬하였더니 끝내는 부인이 도취하여 “나는 천재다”는 말을 남기고 가출했다고 하는데, 나는 이야기를 들으면서 몇 번이고 웃음이 터져 나올 것만 같아 혼이 났다. 말 그대로 약발이 지나쳤다. 부잣집 가정에서나 있을 수 있는 어리석은 희극이다.

“언제 뛰쳐나갔습니까?” 나는 이미 쿠사다 부부를 얕보고 있었다.

“어제입니다.”

“그렇다면 그리 소란 피울 일도 아니잖습니까. 제 마누라도 제가 너무 술을 마시면 친정으로 내려가 하룻밤 지내고 올 때가 있습니다.”

“그것과 이것은 다릅니다. 시즈코는 예술가로서 자유로운 생활을 하고 싶다고 했습니다. 돈을 많이 가지고 나갔습니다.”

“많이요?”

“조금 많습니다.”

쿠사다 씨 정도 되는 부자가 조금 많다고 하니 5천 엔, 아니면 1만 엔 정도일지 모른다고 나는 생각했다.

“그것 참 큰일이군요.” 조금 흥미가 생겼다. 가난뱅이에게 있어서 돈 이야기에 무관심할 수는 없었다.

“시즈코는 당신 소설을 항상 읽고 있었으니 분명 당신을 찾아뵙지 않았을까 하고…….”

“그런 말씀 마세요. 저한테는…….” 적(敵)입니다, 라고 말하려 했으나 항상 웃고 있던 쿠사다 씨가 오늘만은 파랗게 질려 있는 모습을 눈앞에 두고 말문이 막혔다.

키치죠지(吉祥寺) 역전에서 헤어졌으나, 헤어지기 전에 나는 쓴 웃음을 지으며 물었다.

“대체 어떤 그림을 그리시죠?”

“특이합니다. 정말 천재 같은 구석도 있어요.” 뜻밖의 대답이었다.

“그래요?” 나는 말을 이을 수 없었다. 못 말리는, 어리석기 짝이 없는 부부라는 생각이 들어 어이가 없었다.

그로부터 3일째였을까. 우리 천재여사께서는 물감가방을 들고 내 집 앞에 나타났다. 파란색 작업복처럼 생긴 볼품없는 옷을 입고 있다. 끔찍할 정도로 얼굴이 여위고 눈이 기이하게 커져 있었다. 그러나 이른바 일류 귀부인의 품위는 사라지지 않았다.

“들어오세요.” 나는 일부러 거칠게 말했다. “어디 다녀오시는 거죠? 쿠사다 씨가 매우 걱정하고 계셨습니다.”

“당신은 예술가인가요?” 현관에 선 채로 딴 데를 쳐다보며 중얼거렸다. 그 차갑고 거만한 말투였다.

“무슨 말씀이세요. 멋 떨어진 말씀은 그만 하십시오. 쿠사다 씨도 당혹스러워하고 계셨어요. 하리코 짱이 있다는 것을 잊으셨나요?”

“아파트를 찾고 있는데요.” 부인은 내 말을 완전히 묵살하고 있다. “이 근처에 없을까요?”

“사모님. 어떻게 되신 게 아니세요? 남들이 비웃습니다. 그만 하세요.”

“혼자 일을 하고 싶어요.” 부인은 전혀 반성할 기색이 없다. “집을 한 채 빌려도 괜찮은데.”

“약발이 너무 들었다고 쿠사다 씨도 후회하고 계셨어요. 20세기에는 예술가도 천재도 없어요.”

“당신은 속물이군요.” 태연한 표정으로 말했다. “쿠사다가 훨씬 더 이해력이 있습니다.”

나에 대해서 이렇게 실례를 하는 손님은 집으로 돌려보낸다. 내게는 한 가지 신념이 있다. 아무도 알아주지 않더라도 상관없다. 싫으면 오지 마라.

“당신은 왜 오셨죠? 돌아가시는 게 어떠신가요?”

“가겠습니다.” 조금 웃고는, “그림을 보여드릴까요?”

“됐습니다. 대충 알고 있습니다.”

“그래요?” 내 얼굴을 정말 뚫어지도록 바라보았다. “안녕히.”

돌아갔다.

이 무슨 노릇인가. 저 사람은 분명 나와 동갑이다. 12, 3살 되는 아이도 있다. 칭찬 받고 발광했다. 칭찬하는 사람도 문제다. 불쾌한 사건이다. 나는 이 사건에 대해 공포심마저 느꼈다.

그리고 약 2개월간 시즈코 부인의 내방은 없었으나 쿠사다 소오베에 씨로부터는 그동안 5, 6차례 편지를 받았다. 매우 난처해하는 것 같다. 시즈코 부인은 그 후 아카사카(赤板)에 있는 아파트에서 기거하고 있으며, 처음에는 조용히 나카이즈미 화백의 아틀리에를 다녔으나 점차 그 노 화백까지 경멸하고, 그림 공부는 거의 안한 채 화백 아틀리에에 있는 젊은 연구생들을 자신의 아파트로 불러모아놓고 그 연구생들의 칭찬에 취해 매일 밤 신이 나서 소란을 피웠다. 쿠사다 씨는 수치를 무릅쓰고 홀로 아카사카에 있는 아파트를 찾고 집으로 돌아가도록 간청했으나 소용없었다. 시즈코 부인은 상대도 해주지 않았으며, 둘러싼 연구생들에게조차 천재의 적으로서 공격을 받고는, 나아가 가지고 있던 돈까지 빼앗겼다. 세 번 찾아갔으나 세 번 모두 같은 꼴을 당했다. 이제 지금에 와서는 쿠사다 씨도 각오하고 있었다. 그렇다고는 하나 하리코가 불쌍했다. 어떻게 하면 좋을까. 남자로서 이토록 괴로운 처지는 없다며 마흔을 넘은 일류신사인 쿠사다 씨가 내게 편지로 호소하는 것이다. 하지만 나도 언젠가 쿠사다 댁에서 받은 그 큰 치욕을 잊지 않았다. 나는 때때로 스스로 생각해도 무서울 정도로 강한 집념을 품는 경우가 있다. 한 번 받은 치욕을 어떻게 해도 잊을 수가 없다. 쿠사다 댁에서 일어난 이번 불행에 동정하는 마음이 조금도 생기지 않는 것이다. 쿠사다 씨는 내게 재차 “제발 시즈코 좀 어떻게 설득해주세요.”라는 편지가 오는데도 나는 움직이기 싫었다. 부자들의 심부름꾼이 되기는 싫다. “사모님께서는 저를 매우 경멸하고 계시므로 아무런 도움이 되지 않습니다.”라며 항상 거절하고 있었다.

12월 초, 정원에 애기동백이 피기 시작할 무렵이었다. 그날 아침 나는 시즈코 부인으로부터 편지를 받았다.

― 귀가 안 들리게 되었습니다. 나쁜 술을 많이 마셔서 중이염에 걸린 것입니다. 병원에도 갔었으나 이미 늦었다고 합니다. 주전자가 쉭쉭 거리며 물 끓는, 그 소리도 안 들립니다. 창밖에서 나뭇가지가 낙엽을 뿌리며 흔들리고 있지만, 아무런 소리도 나지 않습니다. 이제 죽을 때까지 들을 수가 없습니다. 사람 목소리도 땅속에서 울리는 것처럼 들릴 뿐입니다. 이것도 이제 전혀 안 들리게 되겠지요. 소리를 들을 수 없다는 일이 얼마나 쓸쓸하고 안타까운 것인지 이번에는 정말 통감했습니다. 시장에 가서 제가 소리를 잘 듣지 못한다는 사실을 모르는 사람들이 평소대로 말하는 것을 저는 무슨 말을 하는지 전혀 이해할 수 없어 슬퍼집니다. 저를 위안하기 위해 귀가 안 좋은 이 사람 저 사람에 대해 떠올리며 간신히 하루하루를 살고 있습니다. 요즘 자주 죽고 싶다는 생각을 합니다. 그리고는 하리코를 생각하고, 어떻게 해서든 끈질기게 살아야겠다고 다시 마음을 가다듬습니다. 얼마 전에는 울면 귀에 좋지 않을 것 같아 참고 참던 눈물을 불과 2, 3일 전 도저히 참을 수 없어 한 번에 폭포수처럼 울어버리자 조금 마음이 편해졌습니다. 이제 지금에 와서는 귀로 들을 수 없다는 것에 대해 아주 조금 단념하게 되었으나, 나빠지기 시작했을 때는 거의 미칠 지경이었습니다. 하루 중에 몇 번이고 부젓가락으로 화로를 두들겨봅니다. 소리가 잘 들리는지 시험해보는 것입니다. 밤중에도 눈만 뜨면 바로 잠자리에 엎드린 채로 ‘탕탕’ 하며 화로를 두드려봅니다. 비참한 모습입니다. 바닥을 손톱으로 긁어봅니다. 가급적 알아듣기 쉬운 소리를 골라 해봅니다. 사람이 찾아오면 그 사람에게 큰 소리나 작은 소리를 내게 하거나, 한 시간이고 두 시간이고 집요하게 계속 주문하기도 하며, 여러 가지 청력을 시험해보기에 손님들은 난처해하여 요즘은 별로 찾아오지 않게 되었습니다. 밤늦게 철도 옆에 홀로 서서, 바로 앞을 달려가는 전철 소리에 귀를 기울인 적도 있습니다.

이제 지금은 전철 소리도 종이를 찢을 때 나는 것처럼 작은 소리가 되고 말았습니다. 이제 곧 아무런 소리도 안 들리게 되겠지요. 몸 전체가 나빠진 것 같습니다. 매일 밤 잠옷을 세 번이나 갈아입습니다. 땀 때문에 축축해집니다. 지금까지 그린 그림은 모두 찢어버렸습니다. 하나도 남김없이 버렸습니다. 제 그림은 너무나도 형편없었습니다. 당신만이 사실을 말씀해주셨습니다. 다른 사람들은 모두 저를 치켜세웠습니다. 저는 가능하다면 당신처럼, 가난하더라도 마음 편안한 예술가 같은 생활을 하고 싶었습니다. 비웃어주세요. 저희 집은 파산하고 어머니도 바로 타계하셨으며 아버지는 홋카이도(北海道)로 도망가셨습니다. 저는 쿠사다 집에 있는 것이 마음 아팠습니다. 그 무렵부터 당신 소설을 읽기 시작하고, 이런 삶도 있구나 하며 생의 목표를 하나 찾은 것 같았습니다. 저도 당신과 마찬가지인 가난한 아이입니다. 당신을 만나고 싶었습니다. 3년 전 정초에 정말 오랜만에 뵐 수 있어서 기뻤습니다. 저는 당신의 자유롭게 취한 모습이 질투가 날 정도로 부러웠습니다. 이것이 참된 삶의 방식이다. 허식도 가식적인 말도 없으며 그리고 홀로 강한 자긍심을 가지고 살아가는, 그런 삶에 대해 동경했습니다. 그러나 제게는 어떻게 할 수 없습니다. 그러던 중 남편이 제게 그림 그릴 것을 권유하여, 저는 남편을 믿고 있기에 (지금도 저는 남편을 사랑하고 있습니다), 나카이즈미 씨가 있는 아틀리에에 다니게 되었습니다만, 그러자마자 많은 분들의 열광적인 찬사가 쏟아지고, 처음에는 그저 당혹스러워했으나 남편까지 진지하게 너는 천재일지도 모른다고 했습니다. 저는 남편이 가지고 있는 미술적 안목을 매우 존경하고 있었으므로, 결국 저도 흥분하여 그동안 동경하던 예술가로서의 생활을 시작하기로 마음먹고 집을 나왔습니다. 어리석은 여자죠. 나카이즈미 씨 아틀리에에 다니고 있는 연구생들과 함께 2, 3일 동안 하코네(箱根)에서 놀고, 그 동안 조금 마음에 드는 그림이 그려졌기에 우선 당신에게 보여드리고 싶어 서둘러 당신을 찾아왔으나 뜻밖에도 참담한 꼴을 당했습니다. 저는 부끄러웠습니다. 당신에게 그림을 보여드리고 칭찬 받고 나서, 그리고 당신이 살고 있는 집 근처에 방이라도 빌려, 서로 간에 가난한 예술가로서 친구가 되고 싶다는 생각을 했습니다. 저는 제정신이 아니었던 것입니다. 당신으로부터 면박을 받고 비로소 정신을 차렸습니다. 스스로의 어리석음을 깨달았습니다. 젊은 연구생들이 아무리 제 그림을 칭찬해도 그것은 겉치레에 불과했으며 안 보이는 곳에서는 놀리고 있다는 것을 알게 되었습니다. 하지만 그 때는 이미 제 생활이 되돌릴 수 없을 지경까지 타락하고 말았습니다. 돌이킬 수 없게 되어버렸습니다. 타락할 때까지 타락해보자. 저는 매일 밤 술을 마셨습니다. 소주나 진도 마셨습니다. 겉멋 들린 바보 같은 여자입니다.

넋두리는 이제 말씀드리지 않겠습니다. 저는 겸허하게 벌을 받겠습니다. 창밖에서 나뭇가지가 많이 흔들린다 했더니 비바람이 몰아쳐왔습니다. 빗소리도 바람소리도 제게는 아무것도 들리지 않습니다. 무성영화 같아서 무서울 정도로 쓸쓸한 저녁입니다. 이 편지에 답장은 필요 없어요. 저에 대한 일은 이제 신경 쓰지 마세요. 너무 쓸쓸한 나머지 잠시 써본 것입니다. 당신께서는 잘 지내주시기 바랍니다. ―

편지에는 아파트 번지수까지 적혀 있었다. 나는 집을 나섰다.

깔끔한 아파트였으나 시즈코 씨가 사는 방은 형편없었다. 여섯 평 남짓한 방이었으며, 그리고 방에는 아무 것도 없었다. 화로와 책상. 그것뿐이었다. 다다미는 벌겋고 축축했으며, 방안에는 햇빛도 들지 않아 어두컴컴했고 과일 썩은 냄새가 났다. 시즈코 씨는 창가에 걸터앉아 웃고 있었다. 역시 옷차림은 단정했다. 얼굴에도 아름다움이 남아 있다. 2개월 전에 보았을 때보다 살이 붙은 것 같긴 했지만 어딘지 모르게 무섭게 느껴진다. 눈에 힘이 없다. 살아 있는 사람의 눈이 아니었다. 눈망울이 회색빛처럼 탁했다.

“어떻게 이럴 수가요!” 나는 소리치듯 말했으나 시즈코 씨는 고개를 저으며 웃고 있을 뿐이었다. 이제 전혀 안 들리는 것 같다. 나는 책상 위에 있던 종이에 “쿠사다 씨 댁으로 돌아가세요.”라고 적고는 시즈코 씨에게 보였다. 그리고는 둘 사이에 필담이 시작했다. 시즈코 씨도 책상 옆으로 와서 앉아 열심히 적었다.


쿠사다 씨 댁으로 돌아가세요.

    죄송합니다.

일단 돌아가세요.

    돌아갈 수 없어요.

왜요?

    돌아갈 자격 없어요.

쿠사다 씨가 기다리고 있어요.

    거짓말.

정말입니다.

    돌아갈 수 없어요. 저, 잘못을 저질렀어요.

바보예요. 이제부터 어쩌시려고요.

    죄송합니다. 일하려고.

돈이 필요합니까.

    있습니다.

그림 보여주세요.

    없어요.

한 장도?

    없습니다.


나는 갑자기 시즈코 씨 그림이 보고 싶어졌다. 이상한 예감이 들었다. 좋은 그림이다, 훌륭한 그림일 것이다. 틀림없다.


그림을 그릴 생각 없나요?

    창피해요.

당신은 분명 잘 그리실 겁니다.

    위로하지 마세요.

정말로 천재일지도 모릅니다.

    그만 두세요. 돌아가 주세요.


저는 씁쓸하게 웃으며 일어섰다. 돌아갈 수밖에 없다. 시즈코 부인은 나를 배웅도 하지 않고 앉은 채로 멍하니 창밖을 바라보고 있었다.

그날 밤 나는 나카이즈미 화백의 아틀리에를 찾았다.

“시즈코 씨 그림을 보고 싶은데, 혹시 여기에 있지 않습니까?”

“없소.” 노 화백은 호감 가는 미소를 지으며 “자기가 모두 찢어버리셨다잖아요. 천재적이었는데 말입니다. 그렇게 제멋대로 굴면 안 되죠.”

“그리다 만 습작이나 그런 거라도, 아무튼 보고 싶어서요. 없을까요?”

“잠깐만.” 노 화백은 고개를 갸웃거리더니, “습작이 세 장 정도 제게 남아있었습니다만, 그것을 그 분이 얼마 전에 와서 제 눈앞에서 찢어버렸습니다. 누군가가 그 분을 심하게 혼냈는지, 그로부터 이제, 아, 그렇지. 있어요. 있습니다. 아직 한 장 남아있어요. 저희 집 딸이 아마 수채화 한 장을 가지고 있었을 겁니다.”

“보여주세요.”

“잠깐만 기다려보세요.”

노 화백은 안으로 들어가더니 이윽고 웃으면서 한 장의 수채화를 들고 와,

“다행입니다. 참 다행이에요. 딸이 가지고 있었으니 말입니다. 지금 남아 있는 것은 아마도 이 수채화 한 장뿐일 겁니다. 저는 이제 1만 엔이라도 팔지 않을 거예요.”

수선화 그림이었다. 양동이에 든 스무 송이 정도 되는 수선화 그림이다. 받아 들고서 슬쩍 보고는 박박 찢어버렸다.

“무슨 짓입니까!” 노 화백은 경악했다.

“볼품없는 그림이잖습니까. 당신들은 부잣집 사모님한테 아부를 떨었을 뿐입니다. 그리고 사모님은 일생을 망치고 말았습니다. 그 분에게 혼을 낸 사람이란 바로 접니다.”

“그렇게 형편없지도 않잖아요.” 노 화백은 갑자기 자신감 없는 투로 “저는 요즘 새로운 사람들의 그림은 잘 모르지만요.”

나는 그 그림을 더욱 작게 찢고는 난로 속으로 집어던졌다. 나는 그림을 볼 줄 안다. 쿠사다 씨에게 가르칠 정도로 알고 있다고 생각한다. 수선화 그림은 절대 형편없는 작품이 아니었다. 훌륭했다. 왜 그것을 내가 찢었는가. 그것은 독자들의 추측에 맡기겠다. 시즈코 부인은 쿠사다 씨가 데려갔으며 그해 말에 자살했다. 내 불안감은 점점 더 커져갔다. 왠지 천재 작품 같다. 자연스레 타다나오 경 이야기가 떠오르고, 어느 날 밤 문득 타다나오 경도 훌륭한 검술의 달인이 아니었을까 하고 기이한 생각에 사로잡혀 요즘은 잠도 못 이룰 만큼 불안하다. 20세기에도 예술의 천재가 살아있을지도 모른다.

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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

1.
 
 짜증이 나는 아침이다. 도대체 누가 아침을 상쾌하다고 했는가. 아마도 눈이 뜨면 진수성찬이라도 차려져 있어, 나비 넥타이를 맨 하인을 따라 나서면, 넓직한 식탁에 앉아 충분한 시간을 걸쳐가며 여유롭고도 우아한 아침식사를 즐길 수 있는 한가한 인간들이 만들어냈을 쓸데없는 소리다.
 
 어제 마신 술이 아직도 머리 속과 위장 안에서 난리를 치고, 자명종을 부서져라 내리치며 일어난 아침의 어디가 상쾌하겠는가. 더구나, 같은 술이라도 마음 편히 마시는 자리였으면 위안이나 되겠지만, 헤어진지 2년이나 되는 마누라를 앞에 두고 마신 술이 얌전히 소화가 될 리도 없다. 신혼 초에는 그렇게 애는 더 있다 갖자고 했음에도 끝까지 우기더니, 지금에 와서 무슨 양육비 타령인가.
 
 그렇지 않아도 빠짐 없이 다가오는 아침은 곤욕이다. 만약 신이 내게 다가와, 하루 중에 언제를 없애버리기를 원하는가 하는 질문을 받으면 아무런 망설임 없이 아침이라 말하리라. 아침만큼 이 세상에서 추악하고 더러운 시간이 또 어디 있단 말인가. 아무리 시계를 보았다고는 하나 도저히 당장 자리를 박차고 일어날 용기가 나질 않는다. 위안 삼아 오른손을 머리에 갖다 대지만 왠지 차갑게 느껴지는 이마 만 더듬어 봤자 지독한 두통은 가라앉을 줄 모른다.
 
 늘 생각해 오던 일이다. 어떤 이는 잠이 들기 전 죽음을 연상한다고 하나, 나는 바로 이 저주스러운 아침에 죽음과 절망을 떠올린다. 예전에는 끓어오르는 심정을 억누르려고 자명종 시계나 전화기를 던져보기도 했으나, 그 정도로 풀릴 기분이 아니라는 사실은 알고 있다. 정말로 내가 집어 던지고 싶은 것은 바로 그런 생각을 하고 있는 이 머리통이기 때문이다.
 
 이 세상에는 나 보다도 불행한 인간들이 존재한다는 건 잘 알고 있다. 이렇게 괴로움을 당하고 있는 나도 그들에게 비하면 몇 십 배나 나은 삶을 살아가고 있을 것이다. 하지만, 이제 그런 속임수에는 안넘어간다. 아무리 나를 속이려 해도 이제는 더 이상 약발이 서질 않는다. 부유하건 빈곤하건 간에 寬@?어떠한 형태로든 자신마다 공간을 가지고 있다. 삼중고와도 같은 어려움에 닥친 사람이라 해도, 내 머리 속에 떠오르는 김 과장 밑에서 오늘도 퇴근시간까지 함께 있어야 한다는 일이 얼마나 더 큰 고통인지 모른다. 여기까지 오면 이론이고 뭐고를 떠나서, 누가 이런 나를 보고 비난을 해도 좋지만 최소한 나는 이미 다른 사람 사정까지 감당할 힘도 정열도 없다.
 
 없다. 없다. 없다. 그래, 내게는 아무 것도 남아 있는 것이 없다는 공허한 사실 만이 존재한다.
 
 카프카의 잠자를 벌레로 만들어 버린 신이시여. 나를 벌레로 만드시오. 아니, 벌레도 싫소. 그래, 나는 무기체가 되길 원하오이다. 아무런 생각도 할 필요없고, 기쁨도 희열도 쾌락도 느끼지 못해도 좋으니 차라리 나를 무기체로 만들어 버리시오. 이제는 만사가 귀찮소이다.
 
 쌓인 감정을 억누를 수가 없어 반사적으로 이불을 발로 걷어차 보니, 거기엔 묘한 것이 하나 있었다. 물론 이건 정확한 표현이 아니다. 엄밀하게 말하자면 '묘하게도 없었다'.
 
 침대 위에 사람 하나가 간신히 들어갈 구멍이 뚫려 있는 것이다. 조심스레 안을 들여다 보니 거기엔 말 그대로 아무 것도 보이질 않았다. 마치 깊은 우물이라도 발견했을 때처럼 나는 무심코 옆에 있던 자명종 시계를 떨어뜨려 보기로 했다. 방금 전까지 손에 잡히는 물건은 모두 다 던져버리고 싶었던 감정은 어딘가로 사라지고, 살며시 시계를 구멍 안으로 집어 넣고는 손을 놓았다.
 
 시계가 구멍 안으로 아무런 소리 없이 빨려 들어간 모습을 확인하고서 잠시 기다렸다. 하지만, 아무리 기다려도 도무지 소리가 나질 않는다.
 
 본래 바퀴벌레 하나도 제대로 죽이지 못할 정도로 겁이 많았으나, 나도 모르게 갑자기 그 안으로 들어가 보고 싶은 충동이 일었다. 그 순간에는 차분하게 무엇을 판단하지도 못했을 뿐더러, 그럴 여유가 있었다 하더라도 아마 모든 것을 포기하는 심정으로 역시 들어가 보았을 것이다.
 
 다리에서부터 가슴까지 집어넣고 두 팔을 입구에 받히고는 발을 바둥거려 보았으나 허공만을 가를 뿐이다. 그러는 동안 점점 이성이 되돌아와, 이대로 떨어 지면 모든 일이 끝일 지도 모른다는 생각이 들자마자, 어느새 팔을 놓아버리고 말았다.
 
 
 
 

2.
 
 앗.
 
 그 순간, 내 머리 속에는 오로지 떨어진다는 사실 외에 느끼지 못했다. 내가 눈을 떴는지 감았는지도 모르겠다. 알 수 없는 어둠을 향해 빠른 속도로 빨려 들어간다. 주위에는 아무 것도 보이질 않으나 입고 있던 잠옷이 벗겨져 버릴 것만 같은 가속도가 온몸을 휘감는다. 위를 쳐다 보았으나 이미 내가 들어왔던 입구는 밤 하늘의 별처럼 보이더니 어느새 사라져 버리고 말았다.
 
 머리카락은 하늘로 솟구치고 두 팔을 겨우 몸에 붙이고 있어야 할 판이다. 그러나, 가장 무거운 머리가 아래로 가는 일이 없이, 처음 모습 그대로 계속 떨어지고 있었다.
 
 아무 것도 떠오르지 않는다. 캄캄한 암흑 속에서 아무런 소리도 느낄 수가 없기 때문인지 이제는 떨어진다는 인식조차도 없다.
 
 조금 마음을 가다듬어 본다. 분명 떨어진다는 것은 어딘가에 끝, 즉 바닥이 있을 것이며 언젠가는 거기에 도달하게 된다. 그럼 나는 어떻게 되는가. 평상시 같으면 지극히 당연한 논리의 귀결임에도 불구하고 결론은 좀처럼 나오지 않은 채 입안을 맴돈다.
 
 낙하와 충돌은 엄연한 연쇄과정 아닌가. 돌이 떨어져서 소리가 들리는 건 그 몸이 바닥에 부딪히기 때문. 그래, 이제 끝이다. 여기 있는 어둠은 인생의 막이 내리고 있음을 말한다. 더 이상 헤어진 처와 과장의 얼굴을 떠올려야 할 필요도, 나와 누군가를 위해 무언가를 할 필요도 없다. 더 이상 아침을 괴로워하지 않아도 된다. 자유. 자유. 자유. 삼 십 평생을 살아오며 이토록 해방감을 느껴 보기는 처음이다. 달력도 시계도 이젠 나를 따라오진 못하리라. 잠시 후 닥쳐올 아주 짧은 통증만 참아내면 이제 나는 모든 굴레에서 벗어나고 만다.
 
 아아, 얼마나 완벽한 자살인가. 내 몸은 이 세상 어디를 뒤져도 찾지 못할 것이며, 내가 사라졌다는 증거마저도 존재하지 않는다. 이토록 말끔히 소멸했다는 사실은 아무리 많은 세월이 지난다 해도 절대 밝혀질 수는 없다.
 
 
 
 

3.
 
 현기증이 난다. 머리가 어지럽고 속이 울렁거린다. 아직 술기운이 남아있기 때문인가도 했으나, 아무래도 오랜 동안 받고 있는 가속도 탓인 것 같다. 얼마나 시간이 흘렀을까. 언제 닥칠 지도 모를 충돌에 가슴을 조이고 있었으나 이젠 조금 지쳤다. 지금 나는 도대체 어느 정도의 속도로 떨어지고 있는 것일까. 100 킬로? 아무리 그래도 떨어진 시간을 볼 때 적어도 수 천 킬로는 돼 있어야 하며, 이미 내가 입고 있던 것들도 다 떨어져 나갔어야 하겠지만, 옷도 그대로이며 조금 어지러울 뿐 그 밖에는 모두가 정상이다.
 
 나는 지금 떨어지고 있기는 한가. 머리카락도 이제는 어디로 뻗혀 있는지 모르겠다. 눈에는 아무 것도 보이질 않고 손에 닿는 것조차도 없으니 짐작이 안 간다.
 
 나는 정말 떨어지고 있는 것인가. 권태롭다. 떨어지고 있는지 앞으로 가는 건지, 아니면 단지 둥둥 떠 있을 뿐인지도 알 수가 없다. 방향감각과 균형감각을 동시에 잃은 채 발을 움직여 보아도 도무지 앞뒤를 모르겠다.
 
 떨어지지 말걸 그랬다.
 
 나는 나 자신을 의심했다. 머리 속에 떠오른 내 말을 믿을 수가 없었다. 막무 가내로 뛰어들 때 이런 생각을 하리라고는 전혀 예상하지 못했다. 나는 지금 후 회를 한단 말인가. 이 속으로 뛰어든 내가 후회를 한단 말인가. 모든 것에 등을 돌리려 했던 내가 후회를 해야 한단 말인가.
 
 이제는 다시 올라가려 해도 출구는 보이질 않는다. 출구로 다가가려 해도 어디로 가야 하는지 알 수도 없다.
 
 없다. 없다. 없다. 이게 자유란 말인가. 해방이란 말인가.
 
 누구라도 좋소. 나를, 제발 나를 좀 구해주시오!

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낙하 - 한국어  (0) 2018.05.11
Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

짧은 백일몽

홍성필 (1996)


1. 


그리 맑은 날은 아니었다. 일기예보는 365일 '기압골의 영향을 받아, 대기가 불안정하므로......' 라고 시작하여 오늘도 일교차가 심하단다. 


화창한 날씨를 별로 좋아하지 않는 나는 오랜만에 바깥 공기도 마실 겸 점심을 대충 때우고 집을 나섰다. 특별한 행선지를 정해놓지 않은 나는 엘리베이터를 기다리는 동안, 머리 속에서는 정신없이 매연을 몰고 다니는 시내버스가 오간다. 믿을 수 없는 정거장 표지판, 눈이 나쁘거나 정신을 집중하지 않으면 찾을 수 없을 만큼 숨어 다니는 시내버스, 지구력보다는 순발력과 날렵함을 겸비하여야만 비로소 탑승에 성공할 수 있는 전혀 대중적이지 못한 대중교통수단. 


버스를 탄다 해도 방심은 금물이다. 아무리 귀를 쫑긋 세우고 안내방송을 들어봤자 '학교 앞', '다리 앞', '약국 앞', '학교 앞'의 우아한 메들리로 이어지며, 가끔 장단을 맞춘답시고 '은행 앞'이 등장한다. 오오, 사랑스러운 현대화여. 차라리 '근면-자조-협동'이라는 아리송한 말투로 속았을 때가 무언가 있어 보일 수도 있었겠다는 생각마저 들 지경이다. 거리의 건물도 30초만 눈을 감았다 뜨면 어딘지 감도 안잡힌다. 너무 복잡해서? 차라리 복잡하면 인상에도 남는다. 정거장 이름처럼 다닥다닥 붙어있는 단조로운 건물들. 그나마도 오가는 차 들에 가려 잘 보이지도 않는다. 


1997년도 이렇게 아무런 의미없이 흘러가는 거겠지. 하지만 이렇게 해야만 21 세기가 오는 것일까. 21세기......아직 몇 년이나 더 남았는데 벌써 나는 그 이름에 질려버렸다. 21세기 정당, 21세기를 준비하는 모임, 21세기 학회, 21세기 주식회사, 21세기 빨래방, 21세기 편의점, 21세기 컴퓨터 세탁소, 21세기 연구회, 21세기 대학교, 새나라 21세기 유치원, 21세기 통신을 위한 모임. 한 술 더 떠 요즘 애들 중에는 '김 이십일세기' 라는 이름까지 있다니 말도 안나온다. 세월이 지나 22세기가 와도 숫자 하나만 고치면 유행에 곧바로 편승할 수 있으니 편리할런지도 모른다. 


간혹 유행과 개성이 공존하며 오묘한 조화를 이루는 것처럼 보이는 시기가 있다. 다른 이들과 똑같거나 비슷하게 하고 다니지 않으면 어디지 불안하게 느껴지며, 한 편으로는 그 틀 속에서 개성이라는 유치찬란한 코메디를 연출한다. 조그만하고 보잘 것 없는 틀에서 살짝이라도 벗어나노라면 촌스럽거나 정신병자 취급을 받으니 가관이다. 이런 세파에 신물이 나, 아예 옷을 벗거나 입을 봉해 버린 사람들이 없으니 신기할 정도다. 


찝찝한 생각에 잠기며 엘리베이터에서 내리고 현관문으로 걸어 나가며 무심코 살짝 우편함을 보니 약간 두툼한 흰 봉투가 꽂혀 있었다. 이 건물의 한 방 마다 하나 씩 우편함이 있다보니 수 십 개에 달하지만, 늘 확인을 하다 보니 어렵지 않게 찾게 된다. 카드청구서 치고는 너무 두껍고, 소포 보다는 작아 보인다. 


조금 의아하게 생각하면서도 슬그머니 꺼내보니, 받는 이와 보내는 이의 이름 이나 주소가 없고, 우표만 달랑 하나 붙어있을 뿐이다. 소인도 안찍힌 우표를 보니 박정희 대통령 서거 당시 발행된 기념우표가 아닌가. 


봉투만 하더라도 정확하게 말하자면 국제우편용 봉투다. 주위 네 모서리에 알록달록한 무늬가 찍혀 있으며, 봉투만을 햇빛에 비춰보면 비행기 무늬가 보이는 봉투. 우표와 더불어 정말 오랜만에 보는 것들이다. 


"누군지는 모르지만 과연 훌륭하군." 


나도 모르게 냉소적 말이 나온 것도 무리는 아니었다. 내용물이 궁금하기는 하였으나 겉보기부터 벌써 쉽게 검토할 수 있는 분량으로 보이지는 않았기에, 우선 가지고 있던 서류가방에 달랑 넣고서는 현관문을 나섰다. 


차도를 건너 광화문으로 가는 좌석버스에 올라타고는 멍하니 바깥 풍경을 바라본다. 서울 변두리는 그나마 도심 보다는 오히려 개성미에 넘친다. 이른바 세련미가 부족하다고 누구는 말할지 모르나, 아직은 완벽하게 규칙적이지 않은 모습들이 어딘지 모르게 불안하게 느껴짐과 동시에 눈의 피로감을 덜어준다. 시간상으로 애매해서인지 거리에 행인들이 많은 편은 아니다. 보도블럭 위에 찾을 수 없는 발자국은 여기저기 흩어져 제 갈 길을 가겠지만, 결국 끝까지 남아있는 것은 보도블럭일 뿐. 그 위를 지나는 행인은 나타나고 곧 사라진다. 저 많은 블럭 중 아직 한 사람도 건드리지 않은 것이 과연 있을까. 만약 있다면 그것은 있을 필요가 없었던 걸까. 밟히기만을 위해 깔린 존재라면 그럴 지도 모른다. 하지만 엄연한 사실을 결론내리기도 가끔은 쉽지 않게 다가온다. 


버스가 달리는 길은 이미 익숙해져 버렸기에 눈을 감고 있어도 대략 어디 쯤에 와 있는지 짐작은 가므로, 다른 때와는 달리 필요 이상으로 신경을 곤두세울 필요까지는 없었다. 잠시 눈을 떠 점점 좁아지는 하늘을 보니 이제 내릴 때가 다가 왔음을 알았다. 


광화문 네거리에 내리고는 아무런 생각없이 그저 흘러가는 사람들을 보려고 지하도를 지나서 종로 쪽으로 향했다. 넥타이를 달랑달랑 매달며 허탈한 표정으로 지나는 사람들. 시원스럽지도 않게 넘긴 반짝이는 머리카락이 왠지 마음에 들지마는 않는다. 제복을 깔끔하게 입고 다니는 여사원들과 그 사이로 와글와글 지나가는 대학생들. 이런 광경은 시내 번화가에만 가야 볼 수 있다. 아무리 변두리에까지 유흥가가 들이닥친다 해도 거기서는 넘치는 술냄새와 화장냄새에 사람들로부터 뿜어나오는 생기가 가려진다. 일명 '길보드'라 불리우는 리어커를 끌고 나와 불법테이프를 파는 상인들, 인형이나 악세사리를 파는 상인들. 시장바닥에서는 보기 드문 모습들. 


"주 예수를 믿으시오. 예수 믿고 천당 가시오." 


쉬어가는 목소리 배경으로 들려오는 목탁과 불경소리가 은근히 구수한 맛을 자아내기도 하는 거리를 얼마나 걸었을까. 종로 2가와 3가를 가르는 네거리 횡단보도를 인사동 쪽으로 건너, 아무런 거리낌 없이 인사동 골목으로 발길을 옮겼다. 


넓지도 않은 골목에 10m가 멀다고 걸려있는 현수막, 도굴품과 유사품에 가득 찬 이 거리는 종로와 사뭇 다른 묘한 활기를 느끼기에 충분하다. 어차피 사지도 않을 물건들이니 가짜면 어떻고 훔쳐온 거면 또 어떠랴. 박물관에 전시된 골동품들이 모두 가짜라 해도 진짜처럼 보이면 만족할 수도 있다. 이럴 때에 쓰는 말이 '모르는게 약'이라던가. 그런 거리에 걸맞게 상상도 못할 정도로 비싼 땅 위에 허름한 집을 세워놓고 허름한 차나 음식을 파는데, 수입 또한 상상도 못할 정도라니 그야말로 이 거리에 제격이다. 물론 그렇게 따지자면 이 거리에 모여 든 사람들도 모두 한통속이지만 말이다. 


오랜만에 미술관도 겸하고 있는, 조금은 억지스러운 분위기인 전통찻집 안에 들어갔다. 조선시대부터 있었다는 이 집을 개조하여 지금은 찻집으로 쓰고 있다는데, 한여름에 사랑방으로 쓰였을 한 방에 앉아 창문을 세 개 모두 활짝 열어 놓고 있노라면, 제 멋대로 바람들이 들어와 노닐고 나가는 모습이 무척이나 시원하게 보인다. 


구름을 보니 눈이라도 내릴 것만 같은 1월인데 차가운 바람을 상상하는 건 어딘지 모르게 잔인한 감도 없지 않으나, 시원한 대기의 흐름을 머리 속에서 그리는 것만도 즐거울 때가 있다. 작은 바가지 메뉴판을 보고 생강차를 하나 시킨 후, 집을 나설 때 우편함에 들어있던 두툼한 봉투를 꺼내 들었다. 봉투를 뜯기 전 조금 더 자세히 살펴보려고 했던 나는 문득 바닥에 떨어뜨릴 뻔했다. 


얼핏 보기에는 흔한 봉투에 우표가 붙어 있는 줄 알았건만, 지금 보니 아예 봉투에 우표가 인쇄되어 있는 것이다. 아무리 우표수집에 대해 문외인인 나라고 해도 박정희 대통령 서거 우표가 찍힌 국제용 봉투가 없다는 것 정도는 알고 있다. 설마 내게 이런 걸 보내려고 손수 만든 것 치고는 너무도 정교했으며, 인쇄 상태도 전혀 손색이 없다. 


다른 기념우표도 아닌, 사람이 죽었을 때 발행된 것인 만큼 기분은 그리 썩 좋지는 않았으나, 흥미는 조금씩 증폭해 갔다. 손으로 풀칠을 한 듯한 이 봉투를 조심스레 뜯고서 내용물을 꺼내보니, 역시나 몇 십장에 이르는 편지였는데 모두가 손으로 적힌 것들이다. 더구나 글씨체를 보면 활자처럼 개성없는 글씨의 나열이 아닌, 한 글자씩 또박또박 적힌 흔적을 여기 저기서 찾아볼 수 있다. 


아무리 글씨를 잘 쓰건 못 쓰건 간에 사람들이 써 놓은 글을 보면 대충 일정 정도 규칙성이 있다. 우선 필순도 대부분 일정하며, 이미 손에 익은 글씨를 쓰기 때문일텐데, 이 편지에 적힌 글은 어딘지 모르게 부자연스럽다는 인상을 준다. 그렇다고 국민학생이나 어린 아이들이 또박또박 쓴 글씨와는 사뭇 다르다. 우선 글씨 자체가 깨알 만하며, 상당한 정교함 없이는 이런 편지를 쓰기가 어렵기 때문이다. 


"먼저, 이 편지를 읽어 주신 것에 대해 깊이 감사의 말씀을 드립니다." 


평범하기 짝이 없는 어두로 시작한 이 편지를 읽은 내 앞에서 생강차는 말 없이 식어가기만 했다. 




2. 


이 편지를 받으시고 어딘지 모르게 이상한 점이 발견되지나 않았는지 조금 우려가 되는군요. 저 나름대로는 그래도 자연스럽게 하려고 적지 않은 노력을 했습니다만 아무래도 조금 걱정이 되었으며, 비록 그루티스는 걱정없다고 말을 해 주기는 했으나, 혹시나 그런 점 때문에 미처 읽지도 않고 폐기 당하지나 않을까 고민을 했습니다. 




일단 본론으로 들어가기 전에 몇 가지 말씀드릴 점이 있습니다. 제가 글을 써 나가면서 가급적 많은 부분을 구체적으로 기술하려 했으나 여러가지 제약상 부득이하게 추상적으로 언급하는 경우도 있으리라 예상됩니다. 또한 글의 맞춤법도 제대로 됐는지 의심스럽기도 하군요. 지금은 당시의 표기방식을 제대로 완벽하게 찍어낼 수 있는 기능을 가진 기계들이 없기에 하는 수 없이 악필이나마 손으로 쓰게 된 점도 널리 양해 바랍니다. 


지금 제가 있는 곳부터 말씀을 드리자면 구체적인 년도는 말씀드리기가 어렵겠으나, 아무튼 직접적으로 저와 만날 수는 없는, 조금 오랜 시간이 사이에 놓여 있습니다. 지금 저는 동양문헌학을 전공하고 있는 일개 학생에 불과합니다만, 여러 이유 때문에 서면으로나마 직접적인 접촉을 시도하기 위해 이렇게 편지를 보내드리게 되었습니다. 저희들이 가진 자료에 의하면 대략 20세기 후반이라고 밖에는 예측할 수가 없었으며, 봉투나 우표, 그리고 편지지도 당시의 것과 유사한 물건을 어렵게 구해서 보내드린 것입니다. 


구체적인 접촉을 원한 이유로서는 일단 제 작은 호기심에 기인한다는 점을 인정하여야만 하겠네요. 저희로서는 몇 안되는 자료와 상상만으로 밖에는 되짚을 수밖에 없는 그 시대는, 아마도 세기말에 접어들어 적지 않은 혼란을 겪고 있으리라 예상됩니다. 주지하시는 바와 같이 그런 현상은 각 세기말 마다 나타난 현상이고 몇 십 세기가 지난 지금까지도 역사 속에서 간혹 나타나곤 했으며, 하물며 대란까지 겪을 뻔한 적도 있었습니다. 


제 신념에 입각한다면 아무리 과학기술과 사회가 발달한다 해도 그 내부에 흐르는 개념이나 법칙에는 변화가 없을 것이며, 다만 현상에 차이가 있을 뿐 원리까지 파고 내려간다면 미미하리라 믿습니다. 


본래 과거와의 접촉은 그로 말미암아 현재의 예상치 못한 변화를 초래할 수도 있으므로 극히 한정된 범위 내에서만 허용되고 있어, 예컨대 불과 몇 년 전이거나 할 경우는 절대 불가판정이 내려집니다. 하지만 그 기간이 벌어지면 벌어질 수록 이미 지난 과거에 손을 댄다 해도 현재에 미치는 영향은 전무에 가깝게 되며, 만일을 대비해서 그루티스에게 다시 확인작업을 받았습니다. 


부디 긴장을 푸시기 바랍니다. 어차피 이 편지를 받으신 분께서 만약 끝까지 읽고 어떠한 행동을 한다 해도 결국은 아무런 변화도 일어나진 않습니다. 대부분의 경우 한 개인 때문에 역사가 바뀌지는 않으며, 또한 그런 일이 발생하지 않도록 인물선정도 거친 상태이니까요. 그저 끝까지 읽어주시고 마지막에 제가 바라는 아주 쉬운 부탁만 들어주신다면 저로서는 충분히 만족합니다. 단지 삼류 소설을 읽어 내려가듯 아무런 부담 없이 읽어주시기 바랍니다. 


먼저...... 




3. 


문득 눈앞을 보니 낯익은 엘리베이터 문이 천천히 열렸다. 텅 빈 엘리베이터에는 날씨 때문인지 파리 한 마리 찾아볼 수 없었다. 아늑한 한 평 남짓한 공간에서 폐소에 의한 공포 보다는 조금은 친숙해진 고소공포증에 시달리며 1층 단추를 눌렀다. 


이미 인간들에 의해 길들여진 철판상자는 가벼운 진동을 일으키며 가속을 시작하여, 마치 무중력 상태로 나를 만들려듯 하강하기 시작하더니 잠시 후 안락한 등속운동으로 이어졌다. 




4. 


"어디라구? 거긴 안돼. 사람들이 너무 많잖아. 더구나 오늘은 금요일이야. 너는 어떨지 모르겠지만, 나는 그런 행렬이 별로 즐겁게 보이지마는 않거든. 그래, 좋아. 6시? 알았어. 그 때 보자꾸나." 


결국 아침과 밤이 뒤바뀌고 말았다. 해는 중천에 떠 있는데 기껏 요란하게 울리는 전화벨 소리에 일어나고 보니 이유없이 자존심이 상했다. 다행이 지난 밤에는 늦게 잠이 들어 그 악몽과도 같은 마이크 소리를 듣지 않은 것만으로도 다행이라고 생각을 해야 했다. 


방음창문이 오늘은 울리지 않았나 보다. 하지만 만약 밖에 나간다면 지금 짐작컨대 적어도 두 번은 맨정신으로 악몽을 겪어야 한다는 생각을 하니, 머리가 아찔해진다. 도대체 시간이라도 정확하면 말도 안하겠다. 특히나 오늘은 '그들' 이 여기저기서 몰려오는 날이니 길을 걷기가 영 불편하리라 짐작된다. 이런 나를 보면 덜떨어진 인간이라며 뭐라 하는 사람들도 적지 않지만, 아무리 생각해도 그런 난리법석을 떠는 건 내 체질에 맞지도 않을 뿐더러, 제대로 정신이 박힌 무리들이 할 짓은 못된다. 


마음 같아서는 조금 더 누워있고 싶었으나 푸시시한 머리를 한 내 모습이 조금은 궁금해져 천천히 일어나 거울 쪽으로 다가섰다. 일어나자마자 고운 생각이라고는 티끌만치도 안했던 내 표정이 자신의 얼굴이라고 보기 좋을 리도 없었다. 


거울을 즐겨보는 습관은 묘한 생각을 하기 시작했을 때부터였다. 거울 앞에 선 자신을 보고 있으면, 거울 안에 있는 눈과 머리를 본다. 거울 속에 보이는 내 머리는 지금 거울밖에 있는 내 머리를 보고 있으며, 나도 역시 거울 속을 들여다 보며 그의 생각을 상상한다. 그가 생각을 하고 있는 건 밖에 있는 내 머리 속의 상상이며, 나 또는 그의 머리를 보며 똑같은 생각을 한다. 이 하염없는 무한루프는 거울 속에 있는 쪽이든 밖에 있는 쪽이든 어느 한 쪽이 거울 앞을 떠날 때에 비로소 인터럽트가 걸린다. 


즐겁지도 않은 게임을 마치고 목욕탕에 들어가 천천히 머리도 감은 후, 텔레비전을 키며 타올로 머리를 털었다. 텔레비젼에서는 오늘 있을 공판안내가 끝난 후, 얼마 전 대통령 선정파문에 관한 내용을 계속 내 보내고 있었다. 파문의 내용인즉, 그 동안 직선제로 대통령 선거를 하다 보니 투표율이 3%를 밑돌아 하는 수 없이 국회의원끼리 선거를 치뤘으나, 득표수가 동수인 세 후보가 선정되었는데, 아무리 선거를 해도 무효표만 늘어갈 뿐 제대로 대통령이 선정되지 못했다. 이에 따라 세 후보가 협의하여 합리적인 선정방식을 내 놓겠다며 공언하고 며칠 후 독고문식 후보가 선정되었는데, 취임식 직전에 선정방식이 문제가 되었다. 


문제가 된 점은 다름 아닌 세 후보가 가위바위보를 한 결과 '보자기'를 내서 지게 된 독고문식 후보가 선정되었다는 풍문이 나돌기 시작했기 때문이다. 세간에 이런 소문이 떠돌기 시작한 건 어느 비서실장이 술자리에서 세상한탄을 하는 과정에서 본의 아니게 나온 발언부터였다. 이 사건 이후 언론에서는 연신 이 화제로 시간을 때우고 있는데, 마침 어느 고위관직자라는 사람이 모자이크에 가득 찬 화면에 나타나 기자의 물음에 답하고 있었다. 


"독고당손자가 '보자기'를 내소 젓다는대 그개 사실임니가?" 


"아님니다. 저가 알기론 '가이'라구 드러슴니다." 


"그론대 구 사실울 종부애소는 외 욜을 내몬소 숨길라고 하는고조?" 


"이보소. 족오도 한 나라애 온수라눈 사람이 이앙 낼라문 보자기나 주목을 내아지, 새상에 가이룰 내서 당선댔다먼 이개 올마나 낫 뚜거운 일이개소?" 


그 말을 들은 기자는 잠시 침묵을 지키더니 다시금 질문을 한다. 


"일리가 잇긴 하군요. 하지만, 곡 그로캐까지 해소 대통령을 뽑아야 하눈곤가요? 만악 사종이 요이치 안타면 내각재로 존한하눈 방안도 곰토해 볼만할 곳 가툰대요." 


"이 사람이 시방 누굴 놀리나. 지굼 한 사람한태 시키기도 힘둘고 장간 할 사람 구하기도 어러운 판애 어러 명이 누가 하갯다고 나소게소? 혹시 당신 대통령 하실라우? 내가 직좁 아라보갯수다." 


방송 같지도 않은 방송을 보고 있는 나 자신도 가끔 한심해 진다. 이 세상에 이제 권력이라는 단어가 거의 사라져갈 무렵, 아무런 할 일 없는 대통령 자리를 누가 하려고 하겠는가. 뭔가 하나 하려고 하면 법원에 끌려가 빨간 줄이 그어지거나, 아니면 사법부 산하에 있는 언론기관에 의해 망신살을 당하게 된다. 그런 예가 몇 번 되풀이 되자 이제는 대통령이란 곧 전과자로의 첩경이라는 인식이 광범위하게 퍼지기에 이르렀다. 십 몇 년 전에는 대통령으로 뽑힌 자가 끝까지 안하겠다고 우기는 바람에 국가원수모독죄로 지금까지 징역을 살고 있다. 


한 가지 흥미로운 점은 이와 같은 사실을 외국에게는 일체 보도가 금지되어있다는 점이다. 보도 뿐만이 아니라 외국인에게 이런 사실을 단순히 말하기라도 하면 전재산 몰수에 삼족을 멸한다는 일명 '국가보안법'도 재작년에 제정되었다. 입법취지에 따르면 국가의 명예와 국위에 손상이 가해질 우려가 있다는 내용인데, 전 세계에서 우리나라가 이렇다는 사실을 모르는 이는 장담하건대 하나도 없으나, 이렇게까지 해 가며 나라가 지탱되고 있다는 점을 딱하게 여겨서인지, 아니면 자국의 언론수준이 급격하게 전락하는 걸 우려해서인지, 아직 외국에서 이와 같은 내용이 공식적으로 보도된 적은 없다고 한다. 


탁한 공기가 방안에 가득차 있는 것 같아 커튼을 제치고 문을 활짝 열었다. 10층에서 바라보는 좁은 길가에 예쁘게 서 있는 은행나무들에서는 아직 싹이 나지 않았으나, 가끔은 찬 공기에 섞여 감미로운 봄내음이 풍겨오기도 한다. 


성격이 급한 사람들이 그래도 많은지 벌써부터 땅바닥에 엎드렸다 일어나는 모습이 몇몇 보인다. 벌써부터 설치는 사람들의 얼굴빛은 심각하기 짝이없다. 




5. 


전차를 잡아타고 20분 정도 달리다 내리면 바로 거기가 '우리들의 광장'이다. 아무리 생각해봐도 전혀 매력적이거나 예술적이지 못한 이름은 늘 내 마음 속에 불만으로 남는다. 지난 세월들의 위인들의 동상이나 비석이 여기 한 곳에 모여 있는데, 과거에는 '영웅들의 광장'이었다가 그 다음 '열사의 광장'이었다. 하지만, 시대가 흐름에 따라 도저히 한 종류의 범주로 묶어 규정을 할 수 없다는, 국어실력이 부족한 관료들에 의해 결국 가장 무난한 지금 이름이 된 것이다. 


태극무늬 휘장을 펼치려 하고 있는 동상부터 시작해서 총 들고 머리에 총알 박힌 동상, 별 무늬가 수없이 찍힌 헌겁을 찢어버리는 두 남자, 한 손을 앞으로 뻗어낸 목에 혹이 달린 동상, 군복 차림의 대머리 동상, 이유는 잘 모르겠으나 묵묵히 모니터 앞에서 키보드를 두들기는 동상 등, 정확한 설명문은 전혀 없고 그저 동상만 여기저기에 수 십 개가 흩어져 있다. 사실 이 광장을 계획한 사람들도 과거 자료들에 실린 사진들을 보고 대충 만든 것이므로, 실질적인 역사적 의미는 아직 대부분 밝혀지지 않았다. 다만 얼마 전, 저기 모니터 앞에서 키보드를 두들기고 있는 동상은 역사적으로 아무런 가치가 없다는 유력한 학설이 제기되어 눈길을 끌었다. 


아무래도 오늘은 금요일이므로 사람들이 많아, 상대적으로 지극히 한적한 소위 YeS 동상 앞에서 보기로 하였다. 거기까지 가는 길은 광장입구에서 15분 정 도 걸어 들어가야 하며 관리상태도 비교적 부실하다. 아무리 역사적 의미가 부정확하다고는 하나, 그 형태나 분위기가 괜찮게 보이는 동상이 인기가 있는데, 특히 아무런 특징도 없고 눈 쳐진 늙은이가 멍청하게 서 있는 이 동상은 하물며 '키보드 앞 사나이' 보다도 훨씬 더 천대를 받는다. 


얼마 동안 기다렸을까. 서서히 그녀가 오는 느낌이 든다. 문득 시계를 보니 6시 20분을 조금 넘겼다. 


"안농. 잘 지냇지?" 


"응. 집에서 곧바로 나오는 것 같지는 않네?" 


"잠간 새나라촌에 갓다왓오. 가마니 생각해 보니가, 오눌 놀 돈이 옴눈곳 가타서 말이아." 


"뭐라구? 아무리 그래도 그렇지 거긴 가지 말라고 했잖아." 


"논 노무 보수족이라소 탈이아. 남둘 다 가눈 곳인대 모가 오때소? 노도 좀 개방적이 대바." 




최근에 들어 갑작스럽게 불어닥친 개방화 바람에 힘입어서인지 나날이 여자들의 새나라촌 방문이 늘어만 가는 추세에 있다. 언젠가 길을 가던 도중 거기를 지난 적이 있는데, 몇 백 미터에 달하는 길고도 비교적 넓은 골목이 있고, 양 옆에는 깔끔한 벽이 이어진다. 그 벽에는 위에 두 개 그리고 아래에 두 개씩 네 개가 한 쌍이 되어 일정한 간격으로 말뚝이 박혀있으며, 가운데 바닥에는 얕은 계단이 놓여있다. 그 사이에 치마 입은 여자들이 한 명씩 자리를 잡고 서 있는 것이다. 


그 거리를 '볼일 있는 남자'들이 지나며 마음 내키는 여자에게 돈을 주면, 여자는 우선 10cm 정도의 계단을 올라 벽 윗편에 박힌 양쪽 두 말뚝을 잡고는 아래에 박힌 두 개의 말뚝 위로 각각 하나씩 다리를 살짝 올려 놓는다. 그 모습을 보면 과거 레오나르도 다 빈치의 인체도가 떠오른다. 


이윽고 남자는 여자의 치맛자락을 살며시 올려 마치 노상방뇨라도 하듯 볼일을 보고, 일을 마치면 지퍼를 올리고는 떠난다. 이 과정에서 여자와의 대화는 거의 오가지 않으며, 여자도 어느 정도의 돈이 생기면 그 자리를 떠나면 된다. 위생적으로도 피부의 접촉을 최소한으로 줄일 수 있고, 의학적으로도 여자가 서 있기에 수정률은 극히 낮다고 하며, 체력 소모 때문에 불편이 느껴지거나 임신의 위험이 있을 경우에는 20m 간격으로 있는 창구에서 알약 하나만 먹으면 말끔히 해결된다. 


"거긴 사람들이 많니?" 


"요줌은 앳날보단 만아젓오. 하지만 오눌운 벌로 사람둘이 업소소 만이 눗눈 줄 알앗고돈." 


얘기를 들으며 나는 주머니를 뒤지며 담배를 찾았으나, 막상 담배갑을 꺼내어 보니 구부러진 담배 한 까치밖에 없었다. 


"혹시 담배 가진거 있니?" 


"참 나. 요줌애도 아직 담배피눈 요자가 잇대?" 


나는 구부러진 담배에 불을 붙이며, 천천히 옆에 앉으면서 하는 그녀의 말을 들었다. 담배를 한 먹음 빨아들이고 불며 왼쪽으로 눈을 돌리자 땅바닥에 엎드린 사람들이 보인다. 


"이제는 여기까지도 오는구만." 


"구로개 말이아. 대단한 수고내." 


"저런 걸 왜 한다고 했지?" 


질문을 던지자 그녀는 마치 재채기라도 하다 만 듯한 표정을 짓는다. 


"넌 맨날 앳날 책만 둘오다 보고, 요줌 일을 도무지 모루니 그것도 문재아. 조론개 바로 오채투지잔아." 


"맞아, 오체투지. 그런데 넌 저런 것엔 관심이 없나보지?" 


"아니, 내가 외 간심이 업갯니. 조 사람둘이 주장하눈 교리애눈 논리송이나 과학족인 축몬우로 보먼 부족한 좀이 잇지만, 그래도 훙미를 주는 점이 만아. 그로찬아도 요줌 조곳에 대한 책울 좀 일고 잇거든? 노도 한 본 볼래?" 


자신의 가방에서 슬그머니 푸른 색 무늬가 가득 찍힌 책을 한 권 꺼내며 말한다. 그 책을 받아 펴 보니 벌써 한 두 번 읽은게 아닌 듯, 여기저기에 밑줄과 메모로 가득 차 있다. 


원래 어떤 종교의식으로부터 시작하였다는 이런 기이한 행동이 지금은 대중적 신앙으로 변천했다고 한다. 종교순례도 아닌 것이, 매주 금요일 마다 아침에 1시간 씩 저런 행동을 하는 것도 모자라, 매년 하루는 도심에 떠 있는 섬을 향해 저렇게 해 가며 모여든다고 한다. 아직 화폐가 국가와 사회에 적지 않은 영향을 미치고 있었던 시절, 어떤 이가 길을 가다 연속으로 세 번 엎어졌다는데, 마지막으로 일어나 보니 바닥에 지폐가 한 장 붙어있었다는 것이다. 이를 기념하여 그 곳을 성지로 정해놓고서 계속 저런 짓을 했다고 하는데, 몇 년 동안은 광기의 극치라거나 추한 인간이라며 손가락질을 해대던 사람들이, 언제부터인가 하나 둘 씩 비슷한 행동을 하기 시작한 일이 시초라고 한다. 나아가서는 이제 세상이 얼마 후면 환난에 휘말리게 되며, 그 때는 유일한 가치적 기준인 지폐가 선택된 자들에게만 하늘에서 내려져 부귀를 누린다는 교리까지를 만들기에 이르렀다. 


천천히 지나는 사람들은 땅과의 수 많은 마찰이 빚어낸 너덜너덜한 청바지를 입고 있었으며, 위안 삼아 낀 장갑도 별 도움이 되지 못한 듯, 보기만 해도 애처롭다. 


"오모, 지굼 몃시아?" 


"7시 10분 전이네. 또 시끄럽게 생겼구만." 


"구로개. 발리 자리나 옴기자. 아가도 둘엇는내, 하루애 두 본 들을 건 못되눈 곳 갓도라." 


"너도 그런 말을 할 때가 있다니 다행스럽군. 그냥 거기로 가지 뭐." 


둘은 의자에서 일어나 조금 빠른 걸음으로 광장 입구를 향했다. 가는 길에 아니나 다를까 싸이랭 소리가 요란하게 울려퍼졌다. 나는 늘 그랬던 것처럼 귀막이 두 개를 그녀에게 전해주고 서둘러 나도 꽂았다. 사실 하찮은 귀막이가 무슨 소용이 있겠는가. 길바닥에서 허우적 대는 인간들의 장갑이나 다를 바 없는 '위안'에 지나지 않는다. 


일정한 리듬을 지닌 음악이 점점 커져가고는 살떨리는 여자의 음성이 귀를 강타한다. 교리를 외우는 저 목소리. 그리고 이어 온 나라가 그야말로 땅바닥에서부터 아우성에 휩싸인다. 낯익은 술집으로 가는 길목은 온통 광기 어린 표정으로 심각하게 소리지르며 절을 하는 사람들로 가득 매워져서 하나하나 피하면서 걷기에 걸음걸이는 더욱 더디어질 수밖에 없다. 




6. 


우울한 분위기의 술집. 조명이 어둡지는 않으나 술을 들이키는 사람들과 주인, 그리고 오가는 종업원이 자아내는 느낌은 그리 부드럽지마는 않다. 사람들이 바글대는 구석을 둘이 삐져들어가 어렵싸리 좁은 한 탁자를 사이에 두고 작은 나무의자에 앉았다. 


공간은 그리 좁은 편은 아니나 어디선지 기어들어온 무리들 때문에 여기는 늘 혼잡하기 짝이없다. 깔깔대는 여자 웃음소리에 섞여 어디선지 모르게 남자의 흐 느끼는 소리까지도 들려온다. 담배연기에 덮인 이 특이한 공간은 자신의 삶을 털어놓고, 아울러 술과 담배로써 잠시 피로를 잊기에는 안성맞춤인 장소다. 한 사람 정도 지나갈 정도의 공간만 남긴 채 떨어진 탁자 위에는 누군가가 장난스레 남겨놓은 낙서가 눈에 들어온다. 


'난 돈이 조아' 


바깥세상에서의 분노를 참지 못하나, 그렇다고 하여 자신의 - 인간의 - 힘부족을 누구보다도 잘 아는 사람들이 모여 한탄하는 곳이다. 어릴 때의 꿈은 어디론가 사라지고, 남은 껍질만으로 삶을 이어나가려면 그 짐을 길바닥에 뿌려놓지 않는 한, 여기서 이렇게 망각을 즐기며 시간이 하염없이 지나기만을 간절히 바라며 술잔을 기울인다. 


스트레스? 이는 망각이 아니라 향수의 대상물이다. 대를 위한 진취 속에서 필 요악으로 나타나는 것이 곧 스트레스이며, 만일 필요악을 위한 생이라면 그 틀 속에 박혀있는 사람 자체가 광대나 다름없다. 한 때는 권력의 부활을 꿈꾼 자도 있으며, 다른 교리를 깨우치려 애 썼던 자들도 있다. 그런 사람들이 오히려 정 반대의 논리를 가진 사람들과 이리도 슬프게 술을 마시고 있지 않는가. 여기는 어떤 의미에서 완벽한 천국이다. 인간과 인간이 대립점의 해소로 인한 슬픔을 마음껏 맛볼 수 있는 유일한 공간이기 때문이다. 천국이란 환희와 이유 모를 기쁨으로 아우성치는 곳만은 아니리라. 


"과연, 금요일이라서 그런지 사람이 많군. 여긴 언제 오나 분위기가 낯익어. 마치 내가 태어난 곳이라도 한 것처럼 말이야." 


"난 몰라. 단지 요기 분이기가 괸찬아소 구래. 요줌운 사람둘이 우는 골 보기 힘둘지 안니? 물론 나도 울지 안눈 곤 독갓지만......" 


희미하게 바깥에서의 스피커 소리가 여기 지하 5층까지 밀려온다. 지금이야 거의 국가적인 행사이기에 그들을 보고 직접적으로 간섭하는 자들은 없으나, 그들 또한 여기 이렇게 있는 이들에게 아무런 간섭도 하지 않는다. 


"구나조나, 준비하고 잇다눈 논문 준비눈 잘 되고 잇니? 맨날 조사다 자료수 집이다 하묘 요기조기 돌아다니돈대." 


"잘 되고 있다기 보다는 그저 조급한 심정을 달래기 위한거지 뭐. 지금은 간단한 실험준비를 하고 있어." 


"실홈? 그러타몬 가고에 폰지라도 띠우갯다눈고니?" 


"넌 가끔 그럴 때를 보면 그루티스를 능가하겠어. 대단한 상상력이야." 


"니가 골치아푼 논문울 쑤기 시작햇다눈 곤 주이애소 다 아눈 사실이고, 실홈이라 해밧자 솔마 구 논문애 실험간이라도 구릴 것 갓진 안찬아? 기껏해소 가고로 폰지룰 띠우눈 일 정도갯지. 아니몬 CD 몃 장이라도 보내려고 구로니?" 


"아니, 물론 CD를 쓰면 화상과 함께 음성까지도 보낼 수는 있겠지만, 지금도 수시로 사양이 바뀌는데 당시의 기기에서 돌아가리라는 보장은 없잖아? 그리고 또한 너무 상세한 지금 세상을 과거로 보낸다는 일이 그리 유익할 것 같지는 않고, 그렇게 되면 그루티스한테 당장 걸리고 말거야." 


"이재 실홈도 끗나몬 '옛날에는 말이야' 라눈 니 입보룻도 조금운 고초질까? 니 모리애소눈 오디 요줌 사람둘울 이해하료눈 생각이 업수니, 원." 


"그건 착각이야. 어떻게 지금을 이해 못하고 과거를 말할 수 있지?" 


"야, 내 말이 바로 구 말이야. 노룰 보먼 가거도착중......이라눈 말이 재대로 마줄지 모루지만, 아무툰 현재애 대한 부종하구 인식애 대한 외곡이 심해. 아니지, 단순히 현재애 대한 부종이라기 보다눈 시각이 조굼 유볼나다고 할까. 아무툰 조굼 재대로 된, 다시 말해소 노와 다룬 시각울 가진 만운 사람둘울 이해하료고 해바. 애룰 둘오 새나라촌애 대한 인식도 구래. 노애 대한 생각울 보리라는 곤 아니지만, 존재애 인정부토 시작해소 일종종도 궁종족인 축면도 바라 보아야 하지 안겟니?" 


그는 잔잔히 울려퍼지는 JUKE BOX 음악소리와 담배연기로 그녀의 목소리를 가려본다. 




7. 


"......습니다. 


너무 글이 길어진 것 같군요. 아무래도 설명문이라 딱딱한 문체이다 보니 읽으시기에 지루한 감도 없지 않았을까 합니다. 마음 같아서는 저희들의 구체적인 생활모습이나 환경 등을 조금은 매끄럽게 담아보고도 싶었으나, 결국 이런 재미 없는 글이 되고 말았습니다. 


서두에서도 말씀드린 바와 같이 이 글을 읽고 난 후에 어떤 행동을 하셔도 결국 지금 제가 살고 있는 사회에는 아무런 영향을 미치지 않습니다. 그저 읽고 그 자리에서 잊어주시면 대단히 감사하겠으며, 그러는 편이 서로에게 보다 도움 이 되리라 믿습니다. 


끝으로 이 편지 마지막 장 뒷면에 가능하시다면 지금 살고 계시는 세상에 대해 간략히 적은 후, 편지를 보내드린 봉투에 넣어 다시 들어있던 우편함에 꽂아 주시면 대단히 감사하겠습니다." 


나는 편지지를 얌전히 접어 봉투에 넣은 후 식은 생강차를 뒤로 했다. 모종의 해답을 얻으려는 생각 없이 그저 가득 찬 것 같으면서도 텅 빈 머리를 안은 채 다시 집으로 향하는 버스를 잡아탔다. 


하마터면 놓칠뻔한 정류장을 간신히 내려 건물 입구까지 걸어와 마치 무언가 갑자기 생각난 듯, 다시 가방에서 봉투와 볼펜을 꺼내 들고는 편지를 꺼내어 마지막장 뒷면에 보낸 이가 원했던 글을 쓰려했으나, 결국 나로서는 한 줄 밖에 쓸 수가 없었다. 


다시 내 우편함에 넣은 후 방에 들어갔지만, 아무래도 미심쩍어 다시금 1층으로 내려와 우편함을 보자 그 새에 이미 봉투는 어디론가 사라진 후였다. 




8. 


"땡." 


문득 눈앞을 보니 낯익은 엘리베이터 문이 천천히 열렸다. 텅빈 엘리베이터에는 날씨 때문인지 파리 한 마리 찾아볼 수 없었다. 아늑한 한 평 남짓한 공간에서 폐소에 의한 공포 보다는 조금은 친숙해진 고소공포증에 시달리며 1층 단추를 눌렀다. 


이미 인간들에 의해 길들여진 철판상자는 가벼운 진동을 일으키며 가속을 시 작하여, 마치 무중력 상태로 나를 만들려듯 하강하기 시작하더니 잠시 후 안락한 등속운동으로 이어졌다. 


찝찝한 생각에 잠기며 엘리베이터에서 내리고 현관문으로 걸어 나가며 무심코 살짝 우편함을 보니 텅 비어 있었다. 나는 빈 우편함 앞에 잠시 서며 머리 속을 맴도는 한 마디를 중얼거렸다. 


......결국은 아무런 변화도 일어나진 않습니다.



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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

홍 의사의 추억

홍성필 (2008)


 나이가 아주 어렸을 때부터 ‘홍 의사’에 대한 이야기를 들어왔었다. ‘홍 의사님’이나 ‘홍 박사’ 또는 ‘닥터 홍’도 아닌 그는 언제나 ‘홍 의사’였다. 물론 의사선생님이다. 이 ‘홍 의사’라는 단어가 아버지 입에서 나오는 일은 없었던 것 같다. 항상 어머니는 그를 ‘홍 의사님’도 아닌 그저 ‘홍 의사’라고 하셨다.

 이 분에 대한 이야기를 하려면 지금이 2008년이니 자그마치 38년 전으로 거슬러 올라간다.

 장소는 경기도 광주군 남종면 분원리.

 여기는 아버지 생가이기도 하다. 서울에서 태어나서 자란 어머니를 만나 혼인을 하시고는 계속 서울에서 지내셨으나, 어머니의 산달이 다가오자 “자식은 내 고향에서 낳아야 한다”는 아버지 주장에 못 이겨, 결국 그 곳으로 내려가 시집에서 기거하게 되셨다. 나중에 자라오면서 그 당시 생활을 마치 한풀이라도 하듯 모진 시집살이를 가끔 말씀하시곤 했다.

 팔남매, 남자만으로 보자면 삼 형제 중에서 둘째이셨던 아버지는 직장이 서울인지라 결국 조부와 조모, 그리고 백부 가정이 함께 사는 큰집에 홀로 어머니를 남겨두시고 상경하셨다.

 백부님 댁은 위에 딸 둘이 있었으나 역시 백모님이 만삭이셨으며, 공교롭게도 3월 중순에 사촌 형님이 태어나셨다.

 어머니의 출산예정일은 3월 하순. 같은 집에서 같은 달에 두 아이가 태어나면 안 좋다고 하여 결국 나는 큰 집 뒷동산에 있는 조그마한 초가집에서 태어나게 되었다. 그 집에 사시는 할머니는 연세가 많고 몸집이 작으셨으며 허리까지 굽으셔서 일명 ‘꼬부랑 할머니’로 통했다. 거기까지 올라가는 길도 평탄하지 못했기에, 나중에 본 걸어가시는 할머니 뒷모습은 흘러간 노래 가사처럼 ‘꼬부랑 할머니가 꼬부랑 고갯길을 꼬부랑 꼬부랑’이었다.

 3월 28일 밤 여덟 시. 바로 그 ‘꼬부랑 할머니집’에서 내가 태어나게 되는데, 나를 받은 양반이 바로 ‘홍 의사’였던 것이다.

 “그 때는 어느 집에서나 애들을 산파가 받곤 했는데 아무리 초가집에서 태어났다고 해도 너는 그래도 의사가 받았다”는 말을 무슨 뜻인지는 모르겠으나 강조하기도 하셨던 어머니 기억이 있다.

 초등학교 3학년 무렵. 장소는 막내이모 결혼식장. 여기서 ‘홍 의사’라 불리던 선생님을 만나게 된다. - 왜 막내이모 결혼식에까지 오셨는지, 우리 집안과 ‘홍 의사’와는 무슨 관련이 있는지는 아직까지도 모른다 - 예전부터 ‘홍 의사’의 외모에 대해서는 어느 정도 들어왔으나 연세는 50대 정도였을까. 실제로 보니 역시 들어왔던 대로 건장한 풍채를 하고 계시다.

 열 살에 갓 접어들었을 무렵이었으니 나름대로는 이른바 ‘어린이’에서 벗어나고픈 심정이 있었는지 “이 분이 홍 의사님이셔. 알지? 이리 와서 인사드려.”라는 어머니 말씀을 듣고 다가가서는 손을 내밀었을 때, 그저 ‘안녕하세요’라는 진부한 인사를 하기 싫었다.

 “허어. 네가 성필이구나.”

 선생님이 환한 얼굴로 나를 맞이하시며 내민 손을 잡은 채로 어떤 인사를 해야 할까 고민하기 시작했다.

 ‘처음 뵙겠습니다’는 아니다. 태어날 때 나를 받으신 분 아닌가. 분명 초면은 아니다.

 ‘오래간만입니다’인가. 아직 제대로 ‘갓난아기’도 되지 않은 상태에서 대면했을 뿐인데 이렇게 인사를 해도 될까. 이것 말고는 어떤 인사말이 있는지 아무리 생각해도 떠오르지 않는다.

 곁에 서 계셨던 어머니.

 “얘는 왜 어른한테 인사하는데 아무 말이 없어? 얘가 좀 숫기가 없어서요.”

 결국 나는 아무런 말도 못한 채 따뜻한 홍의사 손만 잡고 있었다.

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홍 의사의 추억 - 한국어  (0) 2018.05.04
Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

이혼식

홍성필 (1998)


등장인물 : 


김덕길 노인 


김영선 : 김덕길 노인의 3녀 


김대식 : 김덕길 노인의 장남 


경혜선 : 김대식의 처. 이옥순의 외동딸 


이옥순 : 경혜선의 모 


윤수복 노인 : 김덕길 노인댁 이웃 


백함순 (백씨): 윤수복 노인의 처 


명희, 윤숙, 연경 : 영선의 대학 동창 


우체부, 순경, 하객, 사회자, 신문사 기자, 카메라맨. 


제 1 막 


199x년 4월 1일 아침 김덕길 노인 집 


무대 우측에 김덕길 노인댁 거실이 보이며, 좌측에는 현관이 있고, 현관 좌측에는 앞뜰이 있다. 김덕길 노인댁 거실의 벽은 뚫려 안이 보인다. 정면에는 김덕길 노인의 서재로 통하는 입구가 있으며, 우측에 침실 입구가 있고. 그 사이에는 부엌으로 통하는 입구가 있다. 서재 입구 앞에는 쇼파가 하나, 침실 앞과 맞은 편에는 각각 세 개짜리 쇼파가 있으며, 가운데에 직사각형 탁자가 놓여 있다. 


제 1 장 


우체부, 순경 


(우체부와 순경 좌측에서 등장) 


우체부 : (순경에게) 아이구, 이거 참 죄송하게 됐습니다. 이거야 원 이쪽에는 워낙 길이 복잡해서, 저 같은 신참한테는 어디 번지수 하나 가지고 찾을 수나 있어야죠. 


순경 : 누가 아니래요. 도대체 누가 정해놨는지 원. 순경이나 우편 배달부, 그리고 중국집 골탕먹이려고 한게 아니라면 이렇게 멕이기도 어려웠을게요. (김덕길 노인댁을 가리키며) 자, 여기가 그 영감 집입니다. 아마 지금쯤은 아직 계실겁니다. 잠깐만 여기서 기다리쇼. 내가 좀 불러보리이다. (현관문을 두드린다) 영감님! 계신가요? (잠시 침묵이 흐르고는 몇 번 더 부른다) 


제 2 장 


우체부, 순경, 김덕길 노인 


(서재에서 김덕길 노인 등장) 


김덕길 노인 : 허 참. 아니, 내 귀가 먹은 줄 아나. 시방 누가 이렇게 시끄럽게 구는거야. 누구여? (현관문을 연다) 어이구, 이거 순경양반 아니오? 이런 대낮부터 무슨 일이라도 있소? 그렇잖아도 심심했던 참인데 잘 됐구려. 자, 어서 들어오시게나. (순경의 등을 안고 안으로 들어오려 한다) 


순경 : (김 노인을 만류하며) 영감님, 그게 아니라 저……여기 우체부 청년이 영감님께 우편물을 하나 가지고 왔습니다. 얼마 전에 새로 일을 맡았나 본데 여기 골목이 좀 복잡해야 말이죠. 그래서 제가 이렇게 데리고 온 겁니다. 


김 노인 : 그래? 우편이라니 어디서 올 데가 있다구. 어디 한 번 줘보게나. (현관을 나와 우체부가 가진 봉투를 받으려 한다) 


우체부 : (노인의 손을 슬쩍 잡으며) 할아버지, 잠시만요. 이게 저, 등기우편이라서 받으시기 전에 도장을 찍어야 하거든요. 


김 노인 : 도장은 무슨 도장이야. 나헌테 온 거라면서? 아니면 젊은이는 내가 거짓말이라도 하고 있는 줄 알어? (주머니에 손을 넣으며 조금 큰 소리로) 주민등록증이라도 보여주랴? 


순경 : 영감님, 이건 다른 우편과는 다른 거라서요. 받으실 때에는 도장을 찍으셔야 본인에게 무사히 전달이 됐다는 근거가 남거든요. 이건 저, 등기우편이라는 거라서 말입니다. 


김 노인 : 뭐라구? 허 참, 오래 살다보니 별 일 다 보겠네. 알았어, 됐네. 도대체 누가 그딴걸 보내가지고 사람을 귀찮게 만드나. (거실 쪽을 보고) 저기, 영선아. 거기 내 도장 좀 가지고 와라. 


제 3 장 


우체부, 순경, 김덕길 노인, 김영선 


(부엌에서 영선 등장) 


영선 : 갑자기 도장은 또 왜요? (방안을 둘러보며) 가만 있자……도장이 어디 있었나. (탁자 쪽을 보며) 여기 뒀었나? (탁자 밑에 있는 작은 상자를 뒤지고는 도장을 꺼낸다) 쓸 일이 없으니 이런 것도 까먹네요. 아빠, 여기 있어요. (현관 쪽으로 와 김 노인에게 도장을 건내준다) 


김 노인 : 여기 내 도장이오. 이게 벌써 10년은 된 거라네. 어때? 우리 아들이 내 생일 때 해 준거라구. (우체부에게 건내준다) 


영선 : (뒤를 돌아보고 독백) 흥, 맨날 우리 아들, 우리 아들. 


우체부 : (도장을 건내받고는 입김으로 불고는 도장을 찍고 돌려준다) 예, 됐습니다. 자, 받으세요. (도장과 봉투를 노인에게 준다) 


김 노인 : 어디 보자. 대체 누가 대낮부터 사람을 성가싫게 굴어. (봉투를 받아들고 뜯기 전에 살핀다) 흠, 눈이 침침해서 잘 보이지 않네그려. 어디, 자네가 한 번 봐 주겠나? (봉투를 우체부한테 건내준다) 


우체부 : (이리저리 봉투를 살피고는) 김대식……이라고 돼 있네요. 


순경 : 대식 씨라면, 그 서울에 있는 아드님이시잖아요? 


영선 : 오빠한테서요? 대체 무슨 일이길래 등기로 보냈대요? 


김 노인 : 아암, 그렇구 말구. (봉투를 햇빛에 비춰보며) 글쎄 이 놈이 어떻게 된게 결혼한지 1년이 지나도록 손주 소식을 못 듣겠다우. 아들이라고는 그 놈 하나 밖에 없는데, 정작 내 성씨를 딴 손주를 언제 볼 수나 있을런지 원……. 


영선 : 어이구, 그러다가 목이 빠져 버리겠어요. 아빠도 참, 그게 어디 사람 마음대로 되나요. 재작년에는 큰 언니가, 작년에는 둘째언니랑 미영언니가 아들 낳았잖아요. 


김 노인 : 에잇, 딸년이 낳은 건데 아들을 열 명 낳은들 뭘하겠어? 그래도 대를 이을 대식이 놈이라면 그래, 딸이라도 좋겠는데 말이야. 그런데 이놈들이 원……. (큰 기침을 하고는 봉투를 만지작 거린다) 


우체부 : 영감님, 이제 됐으니 어서 뜯어보시지 그러세요? 


김 노인 : (우체부를 힐끔 쳐다 보고는 다시 봉투를 만지작 거린다) 어, 음. 그래야지. 그런데 이거 왜 이리 마음이 불안헌고. 미리 전화도 없이 이런 걸 보내다니 말이야. 


영선 : 아휴. 아니, 언제까지 현관에서 서성이세요? 어서 들어오시지 않구. 순경아저씨도 한가하면 좀 들어왔다 가세요. 


순경 : 그럴까요? 그럼 차나 한 잔 얻어먹고 가겠습니다. (김 노인에게) 자, 영감님도 들어가시죠. 


우체부 : 그럼 전 이만 물러가도 되겠죠? 안녕히 계십쇼, 영감님. (등을 돌려 퇴장하려 한다) 


김 노인 : (황급히 우체부를 잡으며) 이봐 젊은이. 아니, 이건 자네가 가지고 온게 아닌가. 그럼 끝까지 책임을 져야지 어디로 내빼려구 해! 같이 들어가 보자구. 


우체부 : (놀란 표정으로) 책임이라니요. 제게 무슨 책임이 있다고 그러세요. 단지 전 이것만 전해 드리면 제 임무는 끝난 거잖아요. 


김 노인 : 아니, 이 녀석 좀 보게. 어디서 노인한테 눈을 부릅뜨고 말대꾸야. 그리고 임무? 무슨 얼어죽을……자네가 책임을 질 것도 아니면서 남한테 도장까지 받아 쳐먹어? 허튼소리 말구 어서 따라 들어오기나 해! 


(일동 김 노인을 따라 안으로 들어간다) 


제 4 장 


전동. 


김 노인은 정면 쇼파에, 순경는 좌측, 우체부는 우측 쇼파에 앉는다. 


김 노인 : 영선아, 어서 여기 차 좀 가지고 와라. 


영선 : 예, 알았으니 어서 뜯어 보세요. (영선, 부엌으로 퇴장) 


제 5 장 


영선을 제외하고 전동 


김 노인 : 가만 있자……안경이 여기 있었을텐데. (탁자 밑에서 안경을 찾아 낀다) 올커니. 그럼 어디 한 번 봅시다. (봉투를 뜯고는 안에 들어있는 카드를 꺼낸다. 


우체부 : 무슨 초청장이나 청첩장 같은데요? 


김 노인 : (큰 소리로) 옛기 이 사람아. 우리 아들이 벌써 결혼한지가 언제라구 청첩장이야! 무슨 파티라도 있나. 이게 뭐야. (어이 없는 표정으로) 이, 이봐, 순경양반. 이, 이게 도대체 무슨 소리인가. 


순경 : 예, 이 한자가 그러니까, 이, 혼, 식……이라고 돼 있네요. 


김 노인 : 이, 이 사람아. 내가 글씨를 못 읽어서 그런가. 이게 대체 무슨 뚱딴지 같은 소리냐는 거야. 이게……이게……. 


제 6 장 


김 노인, 순경, 우체부, 영선. 


(영선, 찻잔을 들고 등장) 


영선 : 뜯어 보셨나요? 뭐가 들었길래 등기로 보냈대요? 


김 노인 : (불안한 표정으로 영선에게 손짓을 한다) 야, 영선아. 그래, 네가 와서 한 번 봐라. 이게 도대체 뭔 뜻인지 도무지 짐작이 안가네 그래. 


영선 : (차를 김 노인, 순경, 우체부 앞에 놓고는 카드를 받는다) 이혼식? 뭐라구요? 아니, 이럴 수가. 결혼식도 아니고 이혼식이라니. 세상에 이런 것도 다 있나요……. 


순경 : 글쎄 말입니다. 이혼식이라는 건 저도 처음 들어 보네요. 보통 이혼이라고 하면 서로 감정이 상해서 싸우도 다투고 하면서 헤어지지 않나요? 그런데, 이혼식을 올리면서 이혼을 한다는 말인가보죠? 


김 노인 : 이봐! 시방 누구 남 얘길 하나? 이, 이건 대식이 얘기야. 내 아들한테서 보내 온거라구. 이 사람아, 자네는 어떻게 그리도 침착할 수 있나! 허허어, 참. 


영선 : 세상에, (김 노인을 보고) 그럼 오빠가 이혼한단 말이에요? 


김 노인 : 이런, 답답한 녀석이 있나. 낸들 그걸 어떻게 알어! 나 이거 원……. 


제 7 장 


전동, 윤수복 노인. 


(윤수복 노인, 좌측에서 현관문을 열고 들어온다) 


윤수복 노인 : 이봐, 덕길이. 나 왔네 그려. 거, 왜 현관문은 열어놓고 대낮부터 야단들이야? 목소리 큰 걸 자랑할라고 작정을 했구만. 


김 노인 : 어, 수복이. 자네, 참 잘 왔으이. 어서 들어와서 이걸 좀 보세. 어디 소란을 안떨게 생겼냔 말일세! 


윤 노인 : 왜 그래? 자식들이 이혼이라도 한다든? 


(일동 놀란다) 


김 노인 : 뭐라구? 아니, 자네가 그걸 어떻게 아나. 


윤 노인 : 뭐, 뭐? 그게 무슨 소리야. 난 그냥 한 번 해 본 말인데……그럼 정말로 그 대식이가 헤어진단 말이야? 


김 노인 : 이런, 사람 하구. (혀를 찬다) 아무튼 어여 이리로 와서 이것 좀 보라구. 이게 대체 무슨 날벼락란 말이야. 


(윤 노인, 김 노인으로부터 카드를 받아들고 서서 읽는다) 


윤 노인 : 이혼식? 허허어, 이건 또 웬 예술적인 말인감. 


김 노인 : 예술? 이봐 수복이. 자네 보기엔 내가 지금 농담하고 있을 기분처럼 보이나. 이게 말이나 되는 소리냔 말일세. 


윤 노인 : 어디 일단 한 번 읽어나 보자구. (순경 옆에 앉으며 카드를 펴서 읽는다) 에……지난 수 년간 저희의 사랑으로 가꾼 가정을 돌보아 주신 여러분께 진심으로 감사의 말씀을 전합니다. 아울러 저희는 이번 화창한 봄날을 맞아, 함께 지내왔던 생활에서 벗어나 서로의 미래를 가꾸어 나아가기로 결심을 하여, 아래와 같이 이혼식을 거행하고자 하오니, 하객 여러분께서는 바쁘시더라도 참석을 하셔서 우리의 새로운 출발을 축하하여 주시기 바랍니다……. 


김 노인 : 뭐가 어째구 어째? 축하? 아니, 젊은 연놈들이 같이 살면서, 화창한 봄날에 그리도 할 짓이 없어 이혼을 한단 말이야! 내 이놈들을 그냥! (자리에서 벌떡 일어난다) 


윤 노인 : 허허어, 이봐 덕길이. 좀 진정하라구. 


김 노인 : 진정? 아니, 지금 이 판국에 진정하라는 소리가 그 주둥아리에서 낼름 튀어 나온단 말이야? 내 이 놈들을 당장 가서 그냥 화악……. 


윤 노인 : 거 괜히 나한테 왜 화풀이야. 지금 그렇게 흥분해서 될 일이 아니잖아. 자, 자. 우리 앉아서 좀 생각해 보자구. (덕길의 팔을 잡고 앉힌다) (영선을 보고) 그래, 대식이한테 그 동안 전화나 다른 연락은 없었냐? 


영선 : 예, 요즘은 조금 뜸한 편이었어요. 그래도 지난 달에 연락이 왔을 때에는 전혀 아무런 문제가 없었던 것처럼 보였는데? 


순경 : (영선을 보며 경찰수첩을 펼쳐든다) 그래도 다른 때에 비해서 어딘가 좀 수상하다거나 음흉한 구석이 있거나 하진 않았습니까? 


김 노인 : 이 양반이. 시방 무슨 사건이라도 조사하는 줄 아시오? 


순경 : 아니, 그래도 혹시나 단서라도 얻을 수 있을까 해서 그만…….(어줍잖다는 표정으로 수첩을 집어넣는다) 


김 노인 : 단서는 무슨 얼어죽을 단서야. 가만, 내가 이러고 있을 때가 아니지. (영선을 보고) 여, 영선아. 어서 그 놈한테 전화를 걸어 보자구. 우리가 지금 이렇게 태연하게 앉아 있을 때가 아니란 말이야. 


(영선이 전화를 걸려하자 윤 노인이 말린다) 


윤 노인 : 이봐. 이런 딱한 사람이 다 있나. 금방 알아차릴 줄 알고 내 가만히 있었는데, 자네는 오늘이 무슨 날인지도 모르나? 


김 노인 : 뭐? 무슨 날이긴 오늘이……. 


우체부 : 어? (큰 소리를 내며 웃는다) 오늘이 그러고 보니 4월 1일이네요. 


김 노인 : 웃기는 시방 어디서 방정맞게 웃어! 그러니까 오늘이 무슨 날인데 그래? 


윤 노인 : 이런, 이런. 사람이 이렇게 둔해서야 원. 오늘이 4월 1일 만우절 아닌가. 


영선 : 아, 그러고 보니 정말 그랬네요. 아이구 내 정신 좀 봐. 아빠, 오늘이 그 거짓말을 해도 되는 만우절이잖아요. 


김 노인 : 어, 그……그랬던가. 흠…….(잠시 생각에 잠긴다) 


순경 : (씁쓸하게 웃으며) 영감님, 아무래도 아드님께서 농을 부렸나 봅니다. 


김 노인 : 아냐. 이런 괴씸한 노릇이 다 있나. 아니, 세상에 그래, 속일 놈이 없어서 지 애비를 속여먹어? 제아무리 만우절이 아니라 만우절 할애비라도 그래. 이런 버리장머리 없는 놈 같으니라구. (영선을 보며) 영선아, 당장 이 놈한테 전화를 걸어. 단단히 혼 좀 내줘야겠어! 


영선 : 그래도 아빠, 오늘 정도는 만우절이라는데 그 정도는 참아줘도 되지 않겠어요? 


순경 : 장난 치고는 조금 지나친 감도 없진 않으나, 그냥 넘기는게 좋겠습니다. 요즘은 많이 없어졌는데요, 영감님도 아시겠지만 옛날에는 얼마나 짓궂은 일이 많았습니까. 오늘 같은 날이면 소방차들도 쉴 새 없이 헛고생을 하는 날이었다니까요. 


윤 노인 : 그래, 말이야 바른 말이지, 오늘 같은 날 재롱을 부릴 자식이 있다는 것도 이게 얼마나 복인가, 안그래? 그냥 웃어 넘기는 것도 어른으로서 할 도리라구. 


김 노인 : 허, 그래. 수복이 말 잘했다. 좋아, 이런 날은 웃어 넘기기도 해야지. 아암, 그렇구 말구. 그런데 이런 괴씸한 녀석이, 그렇잖아도 손을 못봐 애달복걸인데 허구많은 재롱 중에서 지네들 이혼하겠다는 소리를 지껄이나? 그것도 친구들이면 또 몰라. 아니, 지 애비한테 이런 헛수작을 한다는게 말이 돼? 안되겠어. (영선에게) 얘야, 빨리 전화를 하라니까 왜 멍하니 앉아 있어! 


우채부 : 할아버지. 제가 나서도 되는지는 모르겠습니다만, 너무 흥분하신 것 같습니다. 그냥 웃고 마는게 어떠실런지……. 


김 노인 : 뭐가 어째? 이봐, 젊은이. 이 좋은 날에 버리장머리 없이 귀찮게 도장을 찍으라느니 재주를 부리라느니 해 놓고 자네한테는 책임이 없는 줄 알어? 대체 어쩔 셈이야! 자네가 이래도 일을 똑바로 하고 있는 거야 뭐야! 


우채부 : 예, 예……? 재주를 부리라뇨. 그리고 책임이라뇨. 단지 전……. 


김 노인 : 허허어. 그래도 어른 앞에서 꼬박꼬박 말대꾸 하는 꼴 좀 보게. 자네는 가만히 있어. (갑자기 고개를 돌리고는 영선을 노려본다) 


영선 : 아이구, 예. 알았어요. 걸게요. 잠깐만 전화번호가……. (탁자 위에 있는 전화번호부를 뒤진다) 


(영선이 전화번호를 찾고 수화기를 들으려는 순간 벨이 요란하게 울린다) 


(일동 조금 놀란다) 


영선 : 아이, 깜짝이야. 아니, 이게 또 누구야. (수화기를 든다) 여, 여보세요? (놀라며) 어머, 할머님 아니세요. 예, 무슨 일이라도……? (놀란 표정을 지으며 김 노인을 본다) 예, 예? 아니, 그런. 예, 예. 아이, 그럼요. 그냥 만우절이려니 하는거죠 뭐. 예, 아휴, 그러게 말입니다. 그렇지 않아도 오빠들 장난이 너무 지나치다고 해서 지금 전화를 걸어 단단히 혼내주려던 참이었습니다. 예, 예, 예? 아아, 네에. 그럼요. 예, 예. (미소를 띄며) 아유, 잘 알겠습니다. 이거 괜한 일로 놀라게 해드려 죄송합니다. 하하, 예. 예. 예에, 그럼 이만 끊겠습니다. 예, 예……예, 안녕히 계세요. (전화를 끊고는 미소를 지으다 말고 난처한 표정을 짓는다) 


김 노인 : (잠시 침묵) 할머님이라니? 누가 건 거야? 


영선 : 아니, 그게 저……. 


김 노인 : 여, 영선아. 설마 이놈들이 사돈댁한테도 이런 장난을 쳤다는 건 아니겠지? 앙? 왜 가만히 있어? 어서 말을 해 보라구! 


영선 : 이게 그러니까 저……. 


김 노인 : 어서 말을 해 보라니까 그래! 


영선 : 아무래도 그런가보네요. 좀 장난이 심했다고 하시면서, 그래도 만우절이니 너무 지나치게 다그치지는 말라고 하시더군요. 


김 노인 : 나, 이런. 도대체 집안 망신을 시켜도 유분수지, 이 녀석이 쥐약을 쳐먹었나 이게 무슨 짓거리야! (이마에 손을 얹으며) 아이구, 그래. 이래서 놀라 지 애비 뒤지면 속이 참 후련하겠다. 


순경 : 아이, 말씀을 하셔도……. 


윤 노인 : 이런, 쯧쯧쯧. 


순경 : 그래도 불행중 다행이네요. 자, 그럼 저희들은 일어나 보겠습니다. 


우채부 : 이젠 남은 일도 있으니 저도……. 


윤 노인 : 어이구, 사람 성격 하고는 나도 가 보겠네. 


김 노인 : 그래. 그래. 잘 들 가슈. 


(윤 노인, 우채부, 순경 현관으로 퇴장) 


제 8 장 


김 노인, 영선 


영선 : 방에 조금 누워서 쉬세요. 그러다가 또 예전처럼 큰일나면 어쩌시려고요. 물 좀 갖다 드릴게요. (부엌 쪽으로 일어선다) 


김 노인 : 이거 혈압이 올라가서 도저히 안되겠다. 일단 전화는 다음에 걸어 보자꾸나. 영선아, 어서. 어서 약좀 가지구 와! 


(영선, 부엌 쪽으로 퇴장) 


제 9 장 


김 노인 


김 노인 : (일어서며 독백) 이 놈의 자식들이……. 도대체 내가 어떻게 성사시킨 결혼인데 그걸 장난 삼아 지껄여. 내가, 어떻게, 어떻게 시킨 결혼인데……, 어떻게……. 


(막) 


제 2 막 


5월 6일 낮 김덕길 노인 집 


제 1 장 


김 노인, 영선, 윤 노인, 백 함순. 


(김 노인은 중앙소파, 윤 노인과 영선은 각각 좌우측 쇼파에, 백 함순은 윤 노인 옆에 앉아 있다. 김 노인은 몹시 지친 표정으로 머리에 흰 띠를 두르고 있다.) 


윤 노인 : 그게 대체 무슨 소리인가? 대식이가 그런 말을 했다구? 


김 노인 : 아이구, 말도 말게. 아무래도 내가 너무 오래 살았나보오. 아들 한 놈 키워서 장가까지 보내놨더니 지금 와서 이렇게 망신을 시키니 내가 더 이상 살아서 뭐 하겠소……. 


윤 노인 : 그 놈이 쥐약을 먹었나 왜 그런 수작을 부린다지? 왜 이혼을 하겠다는 거냐구. 


김 노인 : 글쎄. 난 아무리 들어도 무슨 말인지 이해가 안가. (영선을 보고) 얘야, 네가 한 번 말해봐라. 


영선 : 그러니까 지금까지 함께 살아왔으나 이제부터는 각자 살아가는 편이 서로에게 좋을 것 같다는 생각에서 그러니까……. 


김 노인 : 웃기는 소리! 결혼이 애들 장난이냐! (머리에 손을 얹으며) 아이구……. 


영선 : 아이, 참. 너무 흥분하지 마세요. 몸도 편치 않으시면서, 조금 침착하시라니까요. 


백씨 : 하지만 얘, 영선아. 이혼식인지 뭔지가 내일이라면서? 대체 어떡할 셈이니? 


영선 : 모르겠어요. 할머니 댁에도 초대장이 갔다면서요? 저희 주위를 돌아보니까 청첩장을 돌린 곳 모두에 똑같이 붙였대요. 


윤 노인 : (초대장을 손으로 흔들리며) 이걸 글쎄 가야 돼, 말아야 돼? 덕길이, 자네는 어쩔 생각인가? 


김 노인 : (계속 이마에 손을 얹고 천장을 보며 작은 소리로) 글쎄다. 이건 장난도 아니야. 단지 만우절 장난이 아니라구. 벌써 한 달도 더 지났는데……까맣게 잊고 있었는데, 갑자기 어제 전화가 와서 오라는 걸세. 


백씨 : 정말 어쩌려고 이런 일을 저질렀는지 모르겠네요. 영감이 아들 하나라고 너무 끼고 돌아서 그런게 아니에요? 그 놈이 부족한걸 몰라서 그럴 지도 모르잖아요. 


윤 노인 : 허어. 이 사람이 남 일이라고 함부로 입을 놀리네. 그 녀석이 그래도 흑백은 가릴 줄 아는 놈이야. 


백씨 : 아니, 그런 녀석이 웬 이런 난리를 치고 그래요. 이혼식이라니? 이혼식은 무슨 이혼식. 하여튼 요즘 젊은 녀석들이 하는 짓이라곤……. 


윤 노인 : 임자는 가만히 좀 있으시게. 통 도움이 안돼. 


백씨 : 그건 그렇고 영감님. 내일 가실 거예요, 말 거예요? 


김 노인 : 이유야 어떻든 남들한테도 이런 걸 보냈다고 하니, 안 갈 수야 없잖소. 


백씨 : 그러다가 가서 앰한 망신이라도 당하면 어쩌시려구요? 


윤 노인 : (백씨를 보고) 설마 자식이 지 애비한테 망신이야 시키겠나. 대식이가 그 정도로 분별 없는 녀석은 아니라니깐 그러네. 


백씨 : 망신을 안시킨다뇨. 벌써 이것 만으로도 충분한 망신 아니겠어요? 거기다가 내일 사람들이 보는 앞에서 또 무슨 짓을 저지를지 알아요? (김 노인을 보고) 영감님, 내가 영감님을 생각해서 하는 말인데, 웬만하면 그냥 가지 마시지 그러세요? 뭘 좋은게 있다고 가세요. 나 같으면 차라리 그냥 모르는 척하고 가만히 있겠다. 영선아, 안그러냐? 


영선 : 글쎄요. 하지만 며칠 전부터 여러 차례 저희 집에도 전화가 오고 그랬거든요. 어떻게 된 영문이냐고 물어보는 전화며, 조소 섞인 전화며 수 십 번은 더 걸려왔을 거예요. 


백씨 : 그걸 왜 여기다가 묻니? 대식이네다가 직접 물어보지 않구선. 


영선 : 오빠네 연락을 하려 해도 잘 안되나봐요. 어차피 오빠나 올케언니도 아침에 일찍 나가 밤 늦게 돌아오고 그러니까요. 더구나 저희도 몇 번 연락을 해보려고 했지만 요즘은 아예 전화번호를 바꿔놓은 것 같아요. 


윤 노인 : 뭐? 그럼 대식이네가 번호를 알려 오지도 않았다는 말이냐? 


영선 : 예……. 며칠 전 오빠한테서 전화가 왔을 때 물어보려고 했는데……. 


김 노인 : (영선을 보고) 얘야, 나 좀 잠깐 누워 있어야겠다. (윤 노인과 백씨를 보고) 나 실례 좀 해야 되겠소. 몸이 영 좋지 않아서 말일세……. (천천히 일어선다) 


윤 노인 : 그러세. 내가 보기에도 좀 쉬는게 낫겠네 그려. 


백씨 : (윤 노인을 보고) 그럼 우리는 이만 일어나 보죠. 


제 2 장 


전동. 명희, 윤숙. 


좌측에서 명희, 윤숙 등장. 


윤숙 : 얘, 이혼식에도 주례가 있을까? 


명희 : 하하. 주례가 있어봤자 무슨 말을 하겠니? 이제 둘이 이혼하고 잘 먹고 잘 살라구? 아니면 "이런 나쁜 놈들아!" 라고 혼을 낼까? 


(윤 노인과 백씨가 현관으로 나오고, 그 뒤를 영선이가 잇는다.) 


영선 : (윤 노인과 백씨를 보고) 그럼 살펴 가세요. 


윤 노인 : 오냐. 네 아버지를 좀 잘 돌봐 드려라. 아무래도 너무 충격을 받은 것 같으니 말이야. 에이, 원……. 


명희·윤숙 : (윤노인과 백씨를 보고) 어머, 안녕하세요? 


윤 노인 : 어허, 그래. 너희들이구만. 잘 들 지내냐. 


명희 : 날씨도 좋은데, 나들이 하시나봐요? 


백씨: 그래, 근데 (김 노인 집을 돌아보며) 날씨가 너무 좋아도 탈인가 보더라. 


명희 : (김 노인 집을 보며) 예...? 


윤 노인 : 아, 아니야. (백씨를 보고) 당신은 참……쯧쯧쯧. (명희와 윤숙을 보고) 그래, 이만 가보겠다. 잘 지내라. 


명희·윤숙 : (윤노인과 백씨를 보고) 예, 안녕히 가세요! 


(윤노인과 백씨, 좌측으로 퇴장) 


제 3 장 


명희, 윤숙, 영선 


영선 : (명희와 윤숙을 보고) 어머, 너희들이 웬 일이니? 


명희 : 그냥 지나가는 김에 들려볼라구 왔어. 아버님 계시니? 


영선 : (독백) 오빠가 설마 쟤네들한테까지 그런 걸 보냈을까. (명희와 윤숙을 보고) 아빠는, 계시긴 한데 괜찮아. 어서 들어와. 


(명희와 윤숙, 거실로 들어간 후 좌측 쇼파에 앉는다) 


영선 : 뭐 마실래? 커피면 됐지? 


윤숙 : 신경 쓰지 마. 괜찮으니까. 


영선 : 거기 앉아 있어. 금방 타 올테니까. 


(영선, 부엌으로 퇴장) 


제 4 장 


명희, 윤숙 


명희 : 얘, 윤숙아. 근데 너도 갈거지? 


윤숙 : 내일 말이니? 글쎄……. 나도 잘 모르겠어. 남 좋은 일도 아니고, 이혼식이 뭐니. 장례식이라면 또 모를까. 


명희 : 얘는, 말을 해두. 하지만 좀 그렇지? 결혼식처럼 화려하게 치장하고 가야하는 건지, 아니면 엄숙하고 칙칙한 시커먼 옷을 걸치고 손수건으로 얼굴을 가리며 등장해야할지 말이야. 


윤숙 : 그래도 그 초대장 좀 봐. 얼마나 화려하니. 마치 결혼식처럼 말이야. 우리 엄마가 그러던데 복장이나 그런건 초대장의 분위기랑 맞추면 무방하다 그랬어. 


명희 : 야. 그건 흔하디 흔한 결혼식이나 그렇지. 하지만 도대체 이혼식이라니. 사람 헷갈리게 만드는 것도 분수가 있지 무슨……. (부엌 쪽에서 들어오는 영선을 보고 말을 멈춘다) 


제 5 장 


명희, 윤숙, 영선 


(영선, 부엌 쪽에서 찻잔을 들고 입장한다) 


영선 : 지금 보니 너네들 본 것도 오랜만이네. 이렇게 화창한 날에 데이트도 안하고 여긴 웬 일이니? (탁자에 찻잔을 놓고서는 우측 쇼파에 앉는다) 


윤숙 : 으, 응. 그냥 우리도 오랜만에 영선이 얼굴이나 보고 수다나 떨러 온거야. 


영선 : 수다? 하하. 그래, 그럼 어디 이야기 봇다리나 풀어보시지 그래? 


명희 : 얘, 단도직입적으로 말해보자. 너네 오빠, 왜 그런데? 


영선 : (놀란다) 무, 뭐? 아니, 너네들한테까지도 그럼……? 


윤숙 : 그래. 나도 받아보고 어이가 없어서 진상규명 하러 왔다. 대체 이걸 어떻게 받아들이면 되는거니? 


영선 : (태연하게) 어떻게 받아들이다니, 이혼식 한다잖아. 이혼식이라니까 이혼한다는 거겠지. 


명희 : 누가 이혼 한다는 걸 몰라서 물어봤니? 무슨 애들 장난도 아니고……. 그래, 이혼을 한다면 그건 너네 오빠네 사정이야. 하기사 요즘 뭐 이혼하는 부부가 한 둘이니? 옛날 우리 옆 집 아저씨 이종사촌 동생의 앞 집 부부도 얼마전에 이혼했단다. 


영선 : (물끄러미 명희를 쳐다보며) 넌 참 요즘도 한가하긴 하나보네, 그런 것까지 다 알구. 


명희 : 아니, 그게 중요한게 아니라……. 좋아, 아니, 좋을 거야 없지만. 아무튼 좋아. 이혼을 해야겠다면 하란말이야. 그런데, 이런 아리까리한 걸 보내오면 우리더러 어쩌라는거야. 


영선 : 보낸게 뭐가 이상해. 결혼식 때도 너네들 불렀잖아. 그래서 이혼식에도 부른건데 얼마나 시종일관 되고 수미상접 되고 초지일관 된 일이야? 


명희 : 어이쿠. 문자 쓰면 단줄 아니. 결혼할 때 초청했으니 이혼할 때도 초청한다고 하면 말이야 될지 모르지. 하지만 말이야, 세상에 어떻게 그런 일이 있을 수가 있냔 말이야. 


영선 : 세상에 있을 수 없는 일이 일어나면서 역사가 발전하는 것이야. 


윤숙 : 아하. 그럼 너네 오빠도 이혼식을 거행하면서 역사발전에 일획을 긋겠다는 거구나? 


명희 : (윤숙을 보고) 얘가 국민교육헌장 같은 소릴 하구 앉았네. 


영선 : (오른 손을 들고 연설조로) 우리는 민족중흥의 이혼식 사명을 띠고 이 땅에 태어났다! 


명희 : (영선을 보고) 그래도 농담이 나와? 지금 남말 하는게 아니라구. 가장 긴박해야 할 얘가 이렇게 태연하니 허, 왠지 우리가 김 새네. 


영선 : 안긴박해 보이니? 


윤숙 : 응……. 전혀. 


영선 : 생각해봐. 한 달 넘게 긴박해왔어. 이젠 긴박하기도 지쳤다구. 


명희 : 아무리 지금까지 긴박했다고 해도 그렇지. 며칠 뒤도 아니고, 내일이라구. 정신이 있는거야, 없는거야. 


영선 : 무슨 내가 이혼하기라도 하니? 다시 한 번 말하겠는데, 우리 오빠가 하는 거라구. 


명희 : 그래, 남의 오빠가 아니라 바로 니 오빠야. 전대미문 기상천외한 이혼식인지 뭔지를 성대히 거행하시는 날이 바로 내일이란 말이야. 


영선 : 세상은 넓고 할 일은 많아. 


명희 : 옳거니. 할 일이 많아서 이혼식도 한대? 


영선 : 얘네들이 가만히 보니까 이상하네. 아니, 이 좋은 날씨에 오랜만에 만나서는 왜 시비니? 


명희 : 영선이 니가 너무 태연해서 그런다. 어떻게 친오빠가 이혼을, 그것도 괴상막측한 이혼식이라는 걸 한다는데도 그렇게 침착하니, 보고 있는 우리가 더 답답해서 그러는 거라구. 


영선 : 이젠 괴상망측 씩이나? 무슨 잉카인이 심장이라도 도려낸다디? 


명희 : (가슴을 손으로 치며) 아이구 답답해라. 정말 네 사상이 의심스럽다. 


윤숙 : (얼굴을 영선에게 다가가며) 그런데 축의금은 얼마나 내야되는거니? 


명희 : (윤숙을 보고) 지금 그게 중요한게 아니잖아! 뭘 축하할게 있다구 축의금이야. 불난 집에 부채질 할 일 있나. 


윤숙 : 그래도 초청장에 보니까 전혀 안축하받을 분위기가 아니던데? 화창한 봄날을 맞아 함께 지내왔던 생활에서 벗어나 서로의 미래를 가꾸어 나아가기로 결심했다는데 축하해줘야 하는게 아닌가. 


명희 : 그래, 너나 열심히 축하해 주고 장차 본받아서 어디 한 번 성대하게 치뤄봐라. 


윤숙 : 얘는, 악담을 해도……. 


영선 : 우리나라에 지금 같은 결혼식을 치루게 된 지도 얼마 안됐잖아. 언제나 처음 하는 일에는 모험이 따르기 마련이라구. 


명희 : 차라리 로빈슨 크루소가 백 벌 낫다. 


영선 : 아무튼, 오빠가 이렇게까지 일을 벌여놨으니 알아서 수습을 하겠지. 


명희 : (한 숨을 쉰다) 그래, 좋아. 알았어. 우리가 여기서 흥분해봤자 될 일이 뭐가 있겠니. (초청장을 들며) 근데 이 말도 안되는 게 온 후로 오빠랑 연락해봤니? 


영선 : 응. 며칠 전에 잠깐 통화했었어. 


명희 : 오빠는 뭐래? 결혼식 분위기래, 아니면 장례식 분위기라디? 


영선 : 무슨 장례식 분위기야. 남들이 뭐라고 하든, 어떻게 보든 간에 오빠랑 언니는 화려한 파티로 생각하나보더라. 


윤숙 : (명희를 보고) 그것 봐. 그럼 역시 축의금을 내야 하는 거잖아. 


명희 : (딱한 눈초리로 윤숙을 바라본다) 그래, 아무래도 그런 것 같구나. (영선에게) 그런데 사람들이 얼마나 올까? 설마 결혼식 만큼 바글바글하진 않겠지? 


영선 : 모르는 소리 마. 요즘 세상이 얼마나 심심하고 진부한데 이렇게 재미있는 걸 사람들이 놓치겠니? 오빠가 그러는데 몇 몇 신문사랑 방송국에서도 취재하겠다며 연락이 왔다더라. 


윤숙 : (큰 소리로) 정말이야? 얘, 그럼 우리도 잘하면 매스컴 타겠네? 그치, 영선아? 


명희 : (윤숙을 보고) 아이, 참. 넌 좀 가만히 있어. 결혼식이나 축하연도 아니고 이혼식에 나오는건데 얼마나 수치스럽니? 에이, 난 안갈까보다. 


영선 : 이상한 애네. 수치스럽긴 뭐가 수치스러워? 유사이래 처음으로 치뤄지는 영광된 파티에 출연하는건데 수치스럽다면 말이 되니? 이왕 가는거, 아주 예쁘게 차려입고 나가 봐. 오빠 말 들어보니 정말 대대적으로 휘황찬란하게 하는 것 같더라. 


명희 : (영선에게) 근데 너희 아버님은 뭐라 하지 않으셔? 역시 너처럼 눈 초롱초롱 빛내가면서 기대감에 부풀어 좋아하시니? 


영선 : 아니, 앓아 누우셨어. 


명희 : (영선을 가리키며) 야, 그게 바로 정상이야. 아버님이 그렇게 정상인데 너희 남매는 왜 그러는건데? 


영선 : 왜는 뭐? 참 나……. 


(전화벨이 울린다) 


영선 : 어, 잠깐만. (수화기를 든다) 여보세요? 어, 오빠? 잠깐만. (수화기를 막고 명희에게) 얘, 지금 오빠한테서 온 전화거든? 스피커폰으로 할테니 너희들도 궁금하면 들어봐. 그대신 조용해야 해! (전화기 스위치를 누른다. 영선이는 수화기를 든 채로 통화) 오빠, 회사야? 


김대식(목소리) : 그래. 잘 있었니? 그런데 아버지는 아직도 화 나셨어? 


영선 : 그렇지 뭐. 아직 좀 그러신가봐. 


명희 : 좀 그런거 좋아하네. 


영선 : (명희를 보고 인상을 찡그리며 검지를 입에 갖다 댄다) 오빠, 사람들이 자꾸 물어봐서 그런데 말이야. 내일은 어떤거 입고 가면 돼? 


김대식(목소리) : 뭐? 하하하하. 누가 그러디? 


영선 : 웬만한 사람들은 다 그걸 고민하던데? 특히 내 친구들 말이야. 설마 우중충하게 검은 옷에 눈물 닦으며 가는 분위기는 아니지? 


김대식(목소리) : 무슨 소리야? 있는 힘껏 화려하게 치장하고 와라. 너도 말이야 얼마 전 괜찮은 정장 한 벌 샀다고 했지? 그걸 입고 와. 다른 사람들한테도 행여 장례식처럼 생각하지 말고 멋내고 오라고 전해. 그런데, 명희나 윤숙이도 온다디? 


영선 : (조금 당황하며) 으, 응. 그럼 가겠지. 


김대식(목소리) : 그럼 내일 아버지 모시고 잘 와야 된다. 너 아버지 모시고 오지 않으면 아무것도 되지 않는다는 것 알고 있지? 


영선 : (갑자기 스피커폰을 끈다) 으, 응. 그럼. 어? 정말이야? 아휴, 그래 알았어. 아이, 알고 있다니깐. 그래, 끊어. (서둘러 수화기를 끊는다) 


영선 : (천장을 보며) 휴……. 


명희 : 얘, 잘 나가다가 왜 갑자기 스피커폰을 끄니? 무슨 얘길 했는데? 


영선 : 아아, 아무것도 아니야. 아무튼 너네 알았지? 


윤숙 : 그럼 화려하게 입고가면 되는거지? 그런데 텔레비전에는 정말 나온대? 


명희 : (윤숙을 보고) 으이그……. 


영선 : 하하. 모르겠어. 하지만 한 번 기대해 봐. 


명희 : 그래, 니가 모르겠다니 누군들 알겠니. 야, 윤숙아. 우리도 이제 이만 가자. 


윤숙 : (방긋 웃으며) 그러자. 내일 입을 옷도 골라야 하니까. 


명희 : (일어서며 윤숙을 보고 한 숨을 쉰다) (영선에게) 그럼 내일 보자구. 


영선 : (현관까지 배웅한다) 그래, 잘 가. 


(명희, 윤숙 퇴장) 


제 6 장 


영선 


영선 : (독백) 이것 참 고민되네……. 그나저나 아빠가 내일 가셔야 할텐데, 아잇 참. 오빠두 나한테 이런……. 에이, 모르겠다. 어쨌거나 어떻게든 되겠지 뭐. 


(영선, 부엌으로 퇴장) 


(막) 


제 3 막 


이혼식장. 


화려한 결혼식장과도 같은 분위기. 


무대 좌측에는 스탠드 마이크 두 개가 나란히 서 있으며, 그 안쪽에는 사회자 강대상과 의자, 그리고 피아노가 있고 반주자가 우아한 음악을 연주하고 있다. 


식장에는 부페가 마련되어 있어 정장을 차려입은 하객들이 여기저기 모여 음식을 먹으며 여러 얘기를 나누고 있다. 대부분 주위를 돌아보며 고개를 갸우뚱 거리면서 어딘지 모르게 적응이 안된다는 듯 복잡한 표정을 지으며 대화를 나눈다. 의자는 마련되지 않았으므로 모두들 자유롭게 걸어다닌다. 


출입구는 무대 우측에 있다. 


제 1 장 


명희, 윤숙, 하객들 


(명희, 윤숙 우측 출입구에서 정장차림으로 무대 중앙으로 등장) 


명희·윤숙 주위를 돌아본다. 


윤숙 : (명희를 보고) 그것 봐. 역시 결혼식 분위기잖아. 


명희 : 그래, 분위기는 어느 정도 맞춘 것 같긴 한데, 사람들 저 당혹스러워하는 표정 좀 봐. (하객들을 돌아보며) 어, 저기 연경이도 왔네. 


제 2 장 


명희, 윤숙, 연경, 하객들 


명희 : 연경아! 너도 왔니? 


연경 : (하객들에게 잠시 인사를 하고 명희 쪽으로 온다) 어머, 너희들 오랜만이다. 


명희 : 그래, 공교롭게도 여기 결혼식 이후 처음으로 보는구나. 


윤숙 : (밝은 목소리로) 그럼 재혼할 때도 또 보겠네? 


명희 : (당황하는 연경을 보고 윤숙 옆꾸리를 팔꿈치로 찌른다.) (연경에게) 그나저나 이게 도대체 무슨 난리니. 혹시나 하고 와 보니 오히려 결혼식 보다도 더 화려하네. 


연경: 그러게. 나도 긴가민가 했는데 와보니 정말 분위기는 결혼식이더라구. 너넨 지금 온거니? 


명희 : 응. 근데 대식이 오빠는 아직 안왔어? 


연경 : 그러게, 나도 조금 전에 왔는데 오빠도 영선이도 아직인가봐. 


명희 : 오빠라…근데 오늘은 그 둘을 신랑 신부가 아닌 뭐라고 불러야 되지? 


윤숙 : 물론 그야 구랑 구부……. 


명희 : (이마에 손을 얹으며 난감한 표정을 짓는다) 


윤숙 : 근데, 연경아. 넌 축의금 가지고 왔니? (진지하게) 아니, 내가 집에서 생각해봤는데, 아무래도 축의금이라기 보다는 그…뭐냐, '격려금'이라고 해야할 것 같더라. 안그러니, 명희야? 


명희 : (여전히 이마에 손을 얹으며) 그래, 수고했다. 열심히 격려해줘라. 


제 3 장 


명희, 윤숙, 연경, 신문사 기자, 카메라맨, 하객들 


출입구에서 신문사 기자와 카메라맨이 등장하고 하객들에게 취재를 시작한다. 기자는 수첩과 펜을 들고 출입구 부근에 서 있는 남성 하객과 대화를 나누고 남성 하객은 자신도 잘 모르겠다는 손짓을 하며 몇 마디를 나눈다 (음성 없음) 


카메라맨은 식장 여기저기를 돌아다니며 사진을 계속 찍어댄다. 


윤숙 : (기자와 카메라맨을 보며) 얘, 얘, 어떡해. 정말 취재왔나봐. 


연경 : (냉소적으로) 어머, 정말. 무슨 경사가 났다고 저렇게 설친다니. 


명희 : (윤숙의 소매를 잡으며) 야, 우리 좀 저쪽에 가 있자. 올까봐 겁난다. 


윤숙 : 겁이 날게 뭐가 있어. 오히려 오면 좋지 않니? 혹시 또 알아? 이름이 나갈지 말이야. 


명희 : 얘, 만약 질문이라도 받으면 뭐라고 대답하니? 정말 기쁜 일이니 진심으로 축하드리고 싶다고라도 해야겠니? (기자를 돌아보고 목소리를 죽이며) 얘! 큰일났어. 일루 오잖어! (윤숙을 보고) 야, 너 저런거 좋아하지? 너 책임져! 


기자 : (셋이 모여 있는 무대 중앙으로 온다) (명희에게) 저…매일신문에서 나온 기잔데요, 몇 마디 좀 여쭤볼 수 있을까요? 


명희 : (당황하며) 저, 저……, 예. 근데, (윤숙 등을 밀며) 근데 그런건 얘가 잘하거든요. (윤숙에게 목소리를 죽이며) 야, 뭐해! 


기자 : (윤숙에게) 오늘 이혼식이라는 건 아시고 오셨겠고. 이런 행사에 대해서 어떻게 생각하시죠? 


윤숙 : (약간 당황하며) 예, 그러니까. 저……. (울상을 지으며) 여, 연경아. 


연경 : (기자를 보고 진지한 표정으로) 제 생각은 이렇습니다. (기자가 깜짝 놀라 연경 쪽으로 돌아선다) 물론 정말 생소하며 외국에도 이런 사례는 없을 줄 압니다만, 전세계적으로 우리나라에서 처음으로 치루어진다는 것에 대해 의의를 가지며, 이러한 사실이 세계에 알려지면 장차 널리 보급되어……(목소리 fade out) 


명희 : (연경의 말하는 모습을 보고 넋을 잃으며) 얘, 윤숙아. 쟤 지금 무슨 소릴 하고 있는거니? 


윤숙 : 그, 글세. 쟤가 원래 저러지 않았던 것 같은데……. 무슨 소린지는 잘 모르지만 말빨 한 번 끝내주네. 


명희 : 야, 넌 어제 그렇게 설쳐대더니 오늘은 말한마디 못하고 뭘 하는거야. 


윤숙 : 으, 응. 할 말은 많이 생각했는데, 그게 생각처럼 잘 되지 않네……. 


(이 때 연경과의 대화동작을 마무리하고, 연경에게 "예, 좋은 말씀 감사합니다."고 한 후 관객쪽으로 가서 직접 관객들의 의견을 들어보는 것도 가능하겠다) 


명희 : 하이구……. (출입구 쪽을 보고 놀라며) 어? 얘, 윤숙아, 저기 누가 들어온다. 


제 4 장 


명희, 윤숙, 연경, 신문사 기자, 카메라맨, 하객들, 사회자 


사회자가 시계를 보며 허겁지겁 빠른 걸음을 하며 무대 안쪽으로 들어오고는 사회자 강대상에 선다. 반주자의 음악소리가 멎는다. 


사회자 : (숨을 간신히 가라앉히며) 하, 하객여러분. 죄송합니다. 시간이 조금 지체된 점, 양해해주시기 바랍니다. 우선, 공사다망하신 데에도 불구하고 이렇게 자리를 빛내 주신 하객 여러분께 진심으로 감사의 말씀을 드리며, 지금부터 안내해 드린 바와 같이 김대식씨와 경혜선씨와의 이혼식을 거행하도록 하겠습니다. 먼저, 오늘의 주인공인 김대식씨와 경혜선씨의 입장이 있겠습니다. (잠시 간격) 두 분 입장! 


(피아노 반주자가 베토벤 교향곡 '합창'을 연주하기 시작한다) 


제 5 장 


명희, 윤숙, 연경, 신문사 기자, 카메라맨, 하객들, 사회자, 김대식, 경혜선. 


정장을 차려입은 김대식과 경혜선이 나란히 음악에 맞추어 입장을 한다. 


하객들은 서로 눈치를 보며 마지못해 박수를 친다. 


김대식과 경혜선은 무대 좌측까지 행진을 하고는 두 대의 마이크 옆에 선다. 


사회자 : 다음으로 두 분의 인사말이 있겠습니다. 먼저 김대식씨부터 시작하겠습니다. 


김대식 : 여러분, 오늘 바쁘신 와중에도 이 자리에 참석해 주셔서 진심으로 감사의 말씀을 드립니다. 그간 많은 논란이 있었을 것이며, 또한 적지 않게 혼란도 느끼셨을 것입니다. 그러나, 저희가 오늘 이 자리를 마련한 이유는 첫째로, 결혼은 행복이요 이혼은 불행이라는 무책임한 선입견을 깨고자 하는데에 목적이 있습니다. 


경혜선 : 음……결혼이라는 행사는 예나 지금이나 인륜지대사로 여겨지면서도 혼례 자체의 형태나 의미, 나아가 여기서 파생되는 수 많은 현상들은 알게 모르게 적지 않은 변화를 겪어 왔습니다. 예컨대 함과 예물, 그리고 지참금이나 혼수 같은 것들을 우리는 이미 결혼에 있어서 당연한 상식으로 알고 있습니다. 하지만 이런 모습을 갖춘 것은 불과 얼마 되지 않습니다. 더구나 여기에는 암암리에 왜곡된 부분마저 부각되어 사회적으로 문제시가 되어 온지 오래입니다. 


김대식 : 요즘은 결혼률이 눈에 띄게 늘어나고 있다고 합니다. 이유는 왜 일까요? 물론 인구의 증가도 원인중 하나일 수 있겠으나, 여기에는 이혼률의 증가도 적지 않은 비중을 차지하고 있습니다. 물론 결혼이 인생에 있어 큰 행사가 아닐 수 없습니다. 하지만 이혼에 대해서는 아무런 행사도 없이 그저 불행의 결과로만 인식되어지고 있습니다. 말하자면 우리의 사회는 나날이 증가하고 있는 이혼에 관해서만은 눈을 가리고 억지로 회피하려 합니다. 우리는 여기서 눈을 돌리는 것이 아니라 바로 이 점에도 결혼 못지 않게 주목해야 한다고 생각했습니다. 


경혜선 : 과거 조선시대에는 이혼을 제기하는 권한 마저도 남성의 특권으로 여겨져 왔으며, 이른바 소박맞은 여성은 거의 인생을 포기하여야만 했습니다. 나아가 재혼이라는 것은 꿈도 못꾸는 일이었지요. 그러나 현재는 어떻습니까. 여성의 사회진출도 나날이 증가추세에 있으며 남성 못지 않은 활동을 벌이고 있는 것이 현실입니다. 


김대식 : 이러한 과정에서 이혼을 꼭 비극의 결과물로 볼 수가 있을까요? 여러 하객들을 모시고 함께 하나의 길을 걸어가겠다고 알리는 것이 결혼이라면, 이제 서로의 차이를 인정하고 각자가 자신의 길을 나아가고자 한다면 역시 많은 분들에게 알리는 것이 당연하다고 저희는 생각합니다. 


경혜선 : 이제 저희는 앞서 말씀드린 바와 같이 각 개인의 차이를 인정하고 더욱 성숙한 관계로 발전해 나아갈 것을 약속 드립니다. 


김대식 : 아울려 또 한 가지 말씀드려야할 부분이 있습니다. (약간 침묵) 오늘 이 자리를 마련한 이유 중 어떻게 보면 가장 큰 부분이라고 할 수 있습니다. 그것은……. 


(갑자기 출입구 쪽에서 큰 남성 소리가 들려오며 소란스러워진다) 


제 6 장 


명희, 윤숙, 연경, 신문사 기자, 카메라맨, 


하객들, 사회자, 김대식, 경혜선. 김덕길, 영선. 


김 노인 : (출입구 바깥에서 소리를 지르며 안으로 들어온다) 네 이놈들! 이게 도대체 무슨 짓들이야! 당장 집어 치우지 못해! (김대식 앞으로까지 빠른 걸음으로 다가가고는 가만히 대식을 노려본다) (영선은 어쩔줄을 모르며 김 노인 뒤를 따라간다) 


김대식 : 이제 오셨군요. 죄송하다는 말씀 밖에는 드릴 말씀이 없습니다. 하지만……. 


김 노인 : 하지만? 야, 이 놈아. (경혜선 쪽을 돌아본다) 그리고 아가야, 내가, 내가 너, 너희들을……. 너희들 결혼을 어떻게……, 어떻게 시킨 결혼인데……. (울먹인다) 


김대식 : (영선에게) 영선아, 아버님을 잠시 저 쪽으로 모시고 가서 진정시켜드려라. 약은 가지고 왔지? 그리고 명희야. 와 줘서 고맙다. 미안하지만 아버지께 물 좀 드릴 수 있겠니? (영선은 사회자 강대상 옆에 있는 의자에 김 노인을 앉힌다) (명희, 옆에 있던 테이블에서 물을 따라 영선에게 건낸다) (영선은 핸드백에서 약을 꺼내어 김 노인에게 물과 함께 건내준다. 김 노인은 처음에 뿌리치지만 두 번째 약을 받아 마신다) 


김 노인 : (물을 삼키고는) 야, 이, 이……. 


김대식 : (김 노인에게) 죄송합니다만, 조금만 더 제 말씀을 들어주세요. (마이크에 대고 다시 하객들에게) 여러분, 그럼 계속하겠습니다. 오늘 저희들의 이혼식 외에도 중요한 행사가 마련되어 있습니다. 이는 오늘 이 자리를 마련한 이유 중 어떻게 보면 가장 큰 부분입니다. 그것은 바로 또 하나의 새로운 결혼식을 거행하고자 하는 것입니다. 


(식장 내가 웅성거린다) 


남성하객 1 : (김대식에게) 또 하나의 결혼식이라니? 그럼 이제 이혼식은 끝내고 그대로 다시 결혼하겠다는건가? 


김대식 : (하객쪽을 보며) 물론 그것은 아닙니다. 이 결혼식에 앞서 먼저 여러분께 설명을 드려야 하겠군요. 여러분, 주지하시는 바와 같이 저희 어머님께서는 제 나이 불과 2살 때 타계하시고, 저희 부친께서 지금까지 홀로 네 남매를 키워오셨습니다. 그리고, 한편 제 부인인 경혜선 또한 이 세상에 태어나기 전 아버님께서 세상을 떠나시어 어머님 혼자서 외동딸을 키워오셨습니다. (잠시 침묵) 저희가 어떤 사실을 안 것은 결혼식을 앞둔 바로 얼마 전이었습니다. (고개를 숙인다) 


경혜선 : 이 사실은 저 혼자만 알고 있으리라 생각했습니다. 하지만 우리의 결혼이 어떠한 이유로 어떠한 과정을 통해 이루어진 결혼인지를 이미 대식씨도 알고 있었던 것입니다. 50년 전, 물론 저희가 태어나기 훨씬 전에 있었던 일이지요. 여러분이 믿으실지 모르겠으나, 저희 어머니와 김대식씨 아버님께서는 이미 서로를 아는 관계셨습니다. 아니, 서로와 누구보다도 더할 나위없는 사랑을 나누었던 사이였습니다. 


김대식 : 그러나, 그 결혼은 친인척들의 반대에 직면하게 되어 무산될 수밖에 없었습니다. 그 결과 시대가 시대인지라 부득이하게 둘은 갈라설 수밖에 없었습니다. 그러나, 서로는 갈라서더라도 자식들로 인하여 함께 살자는 굳은 약속을 하셨습니다. 그렇습니다. 저희의 혼례는 바로 이러한 과정 속에 이루어진 결혼이었습니다. 


김 노인 : (김대식에게) 야, 이 놈아. 지금 무슨 소릴 짓거리겠다는계야! 그래, 네 말이 틀린 건 아니다. 물론 그런 이유가 없진 않았지. 하지만 그렇다고 그게 마음에 안들어서 둘이 갈라 선다는게냐? 이 늙은이한테 또 다시 피눈물을 흘리게 만들 작정이냐! (흐느낀다) 


김대식 : 아버지, 절대 그런 건 아닙니다. 저희가 생각한 이 문제의 진실된 해결방법은 다른 곳에 있기에, 단지 저희가 결혼한다고 하여 두 분의 한이 풀어지지는 않으리라고 판단했습니다. 


김 노인 : (고개를 들며) 무, 무슨……? 


김대식 : 자, 여러분. 오늘의 마지막 행사이자 최대의 행사인 성대한 결혼식의 막을 올리도록 하겠습니다. (영선에게) 영선아, 어서 모셔와라. 


영선 : (김 노인과 김대식을 번갈아 본다) 아, 알았어……. (영선, 빠른 걸음으로 퇴장) 


(하객들이 다시 웅성거린다) 


제 7 장 


영선을 제외하고 전동 

사회자 : (관중들을 향해) 자, 여러분. 그럼 지금부터 신랑 김덕길씨와 신부 이옥순씨의 결혼식을 거행하도록 하겠습니다. 신부, 입장! 


반주자가 결혼행진곡을 연주하기 시작한다. 


제 8 장 


명희, 윤숙, 연경, 신문사 기자, 카메라맨, 


하객들, 사회자, 김대식, 경혜선. 김덕길, 영선, 이옥순 


영선, 손수건을 얼굴에 대고 흐느끼는 이옥순과 함께 식장에 입장한다. 


하객들 박수를 친다. 


김 노인 : (의자에서 일어선다) 아니……이런. (이옥순에게 다가가며) 이, 이 보시오. 이게 어떻게 된 겁니까. 


(반주자의 반주가 멈춘다) 


이옥순 : (고개를 숙인 채로) 저도 오늘 아침에 여기에 도착하고 난 다음에 영선이로부터 들었습니다. (다시 흐느낀다) 


김 노인 : 아니, 이게 지금 말이나 되는 일입니까. 이, 이게……. 


이옥순 : 말이 될 리가 있나요. 이게 무슨 날벼락입니까. 이제 조금이라도 옛날 일들을 잊을 수 있게 되었다 싶더니 다시 또 이런 일이……. 


김 노인 : (김대식에게) 야, 이 놈아. 이유야 어떻든 간에 너희들은 이미 부부로 맺어진 사이가 아니냐. 그런데 무슨 회괴망측한 소리를 지껄이는게야! 


경혜선 : 아버님, 걱정마세요. 저희는 이런 사실을 알고나서부터 일찍이 부부로서의 생활을 하지 않고 오늘에 이르렀습니다. 방도 따로 썼음은 물론입니다. 이제 저희는 부부가 아닌 남매로서 새롭게 출발할 생각입니다. 


김대식 : (하객들에게) 자, 여러분. (주머니에서 비행기 표 두 장을 꺼낸다) 이 두 분께서는 오늘 제주도로 신혼여행을 떠나게 될 것입니다. 우리 이 두 분의 새로운 출발을 위해 큰 박수를 보내 드립시다! 


(하객들 우렁찬 박수를 치고, 반주자는 결혼식에서 퇴장할 때의 결혼행진곡을 친다) 


(주위에서는 폭죽과 꽃가루가 쏟아지고, 카메라맨은 정신없이 사진을 찍어댄다. 김 노인은 흐느끼는 이옥순을 포옹하고 사회자, 경혜선, 영선, 명희, 윤숙, 연경, 그리고 일부 하객들에게 둘러싸여 천천히 퇴장한다.) 


(음악소리와 조명이 어두워진다) 


제 9 장 


남은 하객들, 김대식, 남성하객 1, 남성하객 2. 


퇴장해 가는 하객들 사이에서 남성하객 1과 남성하객 2가 무대 앞쪽으로 나오며 조명이 켜진다. 


남성하객 1 : 이봐, 넌 어떻게 생각하나? 대식이 저 녀석이 정말 계속 방을 따로 썼을까? 


남성하객 2 : 하하. 너도 그런 생각을 했구만. 글쎄다. 내가 아는 저 녀석이라면……하하. (뒤를 돌아보고 다시 남성하객 1에게) 야, 이런 문제는 말이야 우리 한 번 직접 물어보자구. 


남성하객 1 : 그래? 좋아. (뒤를 돌아보고) 야, 대식아! (빠르게 손짓을 한다) 


김대식 : (두 남성하객들이 있는 곳으로 온다) (웃는 얼굴로) 왜? 무슨 일이야? 


남성하객 2 : (한 손으로 김대식의 목에 팔을 걸친다) 내가 묻는 말에 솔직히 대답해라. 너 정말 혜선씨랑 계속 방을 따로 쓰면서 생활을 했어? 


김대식 : 하하. 그게 무슨 뜻인데 그래? 


낭성하객 1 : (김대식의 머리를 툭 친다) 얌마. 그러니까 그게……. (조금 머뭇 거린다) 


남성하객 2 : 그러니까 쉽게 말해서 결혼하고 지금까지 정말 혼자서 잤냐 이 말이야! 


김대식 : 아아, 그 말이었군. (씨익 미소를 지으면서) 오늘이 음력으로 몇 일인지 혹시 알아? 궁금하면 한 번 달력을 보는 것도 좋겠지. 그럼 난 이만 간다! (웃으면서 남성하객 2의 팔을 뿌리치고 퇴장) 

제 10 장 


남성하객 1, 남성하객 2. 


남성하객 1 : (출입구 쪽을 보며) 야, 저게 무슨 말이냐. 


남성하객 2 : 글세……. (수첩을 꺼내고 남성하객 1과 같이 수첩을 드려다 본다) 음력이니깐, 어제가 3월……그러니까 오늘이 4월……. 


남성하객 1 : 어!? (서로 얼굴을 마주본다) 아니, 이런……. (잠시 서로 배를 잡고 웃는다) 


남성하객 1 : 저 자식이 그냥……. (출입구 쪽으로 달려간다) 야, 대식아! 대식아! (퇴장) 


남성하객 2 : 어? 야, 같이 가! 이봐! (출입구 쪽으로 달려가며 퇴장) 


(경쾌한 음악이 흐른다) 


(막)


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이혼식 - 한국어  (0) 2018.05.03
Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

열리지 않는 금고
홍성필 (1997)


1.

'조금 흐린 날씨다.'

나는 여느 때처럼 그리 상쾌하지 않은 마음으로 아침에 눈을 뜬 후 처음 든 생각이다. 그 다음은 가로수가 양쪽 길가에 끝없이 늘어선 시내 어느 한 거리를 걷고 있는 자신을 상상한다.

'날씨가 좋았다면 얼마나 기분 좋게 밖으로 나갔을까.'

"미경아, 아무리 일요일이라도 그렇지. 넌 언제까지 자고 있니? 어서 일어나지 못해. 빨리 씻고 밥 먹어라."

필요 이상으로 자서 그런지, 더 이상 잠이 오지도 않았지만 왠지 자리에서 일어나고 싶지 않았다. 조금만 더 이렇게 편안하게 누워있고 싶었다. 이왕이면 기분 좋은 생각을 하며 일어나고 싶었던 것이다.

나는 엄마가 부르는 소리에 대답을 하지 않은 채, 아직 자고 있는 척을 했다.

아무런 약속이 없는 일요일이라서일까. 아니, 이런 생각을 할 여유가 별로 없어서였을거야. 다른 날이라면 일어나자마자 시계를 노려본 후로는 모든 일이 반사적으로 일어나, 결국은 그렇게 하루를 마감하고 마는 반복되는 생활에 한 때는 만족했었다. 의미없는 생각이란 나한테 아무런 필요도 없고 도움도 안돼. 하지만 지금은 무척 그립다. 어떤 일이 머리에 떠올라서가 아니라, 단지 머리에 떠올린다는 일 자체만으로도 너무 즐거워질 것만 같이 느껴진다. 감미롭다.

몇 번 반복되는 엄마의 말 소리에 지쳐, 더 이상 누워있어 봤자 좋은 생각이 나기도 전에 온갖 사악한 생각이 정복해 버릴 것만 같아, 하는 수 없이 부시시 일어났다.

"씻었니? 그럼 이리 와서 밥먹어라."

"응...... 아빠는?"

"출근하셨다. 무슨 일이 그리도 바쁘신지. 남이 들으면 사업하시는 줄 알거다."

"공무원 맞어?"

"나도 모르겠다. 그런데, 넌 이런 화창한 날에 약속도 없니?"

"화창해? 엄마, 오늘은 조금 흐린 날씨 아냐?"

"해가 중천에 떠 있는데 넌 창문도 안봤니? 구름 한 점 없단다."

나는 잠시 숟가락을 놓았다.

"어......안되는데."

이유는 모르겠지만, 아침의 그 느낌이 반드시 맞기를 바랬다

"화창하면 곤란할 일이라도 있니? 근데, 넌 언제 애인이라도 생기니? 애인 있는 자식 기르는 집에서는 데이트다 뭐다 해서 돈도 많이 든다고 하지만, 그래도 네가 몇 살이야? 네가 코가 두 개니, 눈이 세 개니?"


"엄마, 됐어. 밥 먹는데 너무 그러면 배탈 날지도 몰라. 남자들이야 주위에 한 둘도 아닌데 뭘 어때."

"그래, 잘 한다. 조금만 더 있어봐라. 어느 미친놈이 너한테 눈길이나 주겠니? 어서어서 임자 구해서 어떻게 좀 잘 해봐라."

"잘 해보긴 뭘 잘해. 근데 이 된장국, 조금 맛이 깔깔하지 않어?"

엄마는 내 말을 듣고서 숟가락을 뺏고는 직접 드셔보았다.

"아니? 늘 하던대로 만든건데, 이상해? 잠깐 너 혓바닥 좀 내밀어봐."

난 아무런 생각없이 낼름 내밀었다. 철이 든 후 처음으로 엄마한테 혓바닥을 내민 기념할 만한 사건이다.

"쯧쯧, 혓바늘 솟았다. 회사 일이 피곤하니?"

"아니."

"그럼, 무슨 고민이라도 있어?"

"아니."

"널 맨날 괴롭힌다는 박 대리가 강제로 술집으로 끌고 가서, 억지로 술 먹이고는 같이 여관 가자고 그러디?"

참으로 대단한 상상력이다. 맞다, 틀리다를 떠나서 훌륭하다.

"엄마, 정말 내가 그런 꼴을 당했으면 좋겠어?"

"그럼 천하태평인 네가 웬 혓바늘이냐?"

"몰라. 엄마, 나 있다가 잠깐 나갔다 올게."

"데이트도 없는 주제에 어딜 가?"

"데이트도 없으면 밖에도 못 나가? 책 사러 종로나 가 볼래."


정말 혓바늘 때문인지 식욕이 별로 없었다. 한 공기도 다 비우지 않은 채 일어서고는, 화장품 몇 개를 대충 얼굴에 찍어 바른 후, 청바지 차림으로 밖에 나 갔다.

그러자 바로 아침에 상상했던, 끝없이 뻗은 가로수 길이 내 눈앞에 펼쳐져 있지 않는가......라면 거짓말이다. 조금 원했던 건 사실이지만, 역시 현실은 무미 건조했다. 세상에서 가장 평범하고, 가장 멋 없고, 가장 개성도 없는 집들을 긁어모아 한 자리에 몰아 놓기도 쉽지 않을텐데 문밖을 나서면 언제나 처음 보는 광경이 이 모양이다. 어떻게 보면 내 삶 또한 멋도 개성도 없는 이유 중에는 이 골목도 한 몫 하고 있을지 모른다.

골목길을 얼마나 걸었을까. 셔터가 내려진 구멍가게를 돌자마자 비교적 큰 금고 하나가 나타났다. 높이가 60센티 정도는 될까? 아니, 아무리 못해도 80센티 는 돼 보인다. 금고는 흔한 진녹색을 하고 있었으며, 발로 한 번 건드려 보았더니 둔탁한 소리만 들릴 뿐이었다.

그저 지나칠 수도 있었지만, 이유 모를 호기심이 불연듯 자극해서 잠시 관찰해 보기로 했다.

'어디서 갖다 놓은 걸까? 무슨 설치예술도 아닐텐데, 이사하나?'

하지만 아무리 주위를 돌아 보아도 이삿짐을 나르는 사람들은 보이지 않았다. 대부분 상점들은 일요일이라서 셔터를 내렸으며, 가정집들도 조용하다.

'무거울까?'

나는 조금 더 힘을 주어 발로 차 보았지만, 5초도 지나지 않아 후회했다. 내 발을 너무 과대평가 했거나, 아니면 금고를 과소평가 했기 때문이다. 너무 아팠다. 홧김에 그냥 가 버릴까 하는 생각도 들었지만, 내 발에 대한 어떤 보상을 받고도 싶어 주위를 돌아 보았더니 마침 새끼줄이 하나 있었다.

'흠, 정말 편리한 소설이야.'

나는 분명 여자임에도 불구하고 이런 작업을 회사에서도 해 본적이 있어, 별 어렵지 않게 금고를 꽁꽁 묶었다. 이 금고를 끌고 파출소까지 가겠다는 것이다. 집에 가져가려고도 하였으나 절대 그럴 수는 없었다. 이 얼마나 아름다운 시민의 모습인가. 그렇다, 나는 바로 정의의 화신이다. 아무리 세상이 썩어 빠졌다 고는 하나, 정의의 화신이 이런 금고 하나에 양심을 판다는 건 말도 안된다.


힘이 약한 편은 아니었으나 너무 힘들었다. 파출소 앞까지 가자 팔 뿐이 아니라 온몸이 쑤셨다.

안으로 들어가 보니, 파출소를 지키고 있던 순경 한 명이 수 많은 서류가 쌓인 책상 앞에 앉아 일에 몰두하고 있었다.

내가 왔다는 사실도 모르는 듯 열심히 책상만 노려보는 순경에게 조용히 말을 걸었다.

"저......아저씨."

순경은 고개를 들어 나를 보고는 놀라운 말을 했다.

"오오, 아가씨는 정의의 화신 아닌가."

내가 사욕을 뿌리치고 무거운 금고를 여기까지 힘들게 끌고 왔으리라고는 알 리가 없는데, 그 순경은 나를 보자마자 정의의 화신이라는 것이다.

'이 순경은 역시 얼굴이 범상치 않아.'

나는 설레이는 가슴을 가라앉힐 틈도 없이 황급히 물었다.

"아니, 어떻게 그걸 아셨어요?"

"이마에 써 있잖아?"

순경은 한심하다는 표정을 지으며 내뱉었다. 깜짝 놀란 나는 서둘러 머리띠를 풀고 나서 다시 순경한테 말했다.

"저......지금 무척 바쁘신가보죠?"

"흠, 시민의 안전을 지키는 우리 경찰은 언제나 바쁘지. 여기 있는 서류도 모두 시민을 위한 일이거든."


힐끔 책상 위를 쳐다보았다.

"무슨 서류가 이렇게 많아요?"

"이건 모두 양식이란다. 여기 이것과 이것은 각각 1,000원과 5,000원을 습득했을 때 제출하는 신고서, 그리고 저기 좀 큰 건 10,000원 용이고 저기 노랑색 서류는 수표용이지. 본관은 지금 이렇게 열심히 시민을 위해 봉사하고 있다. 알겠니?"

"그런 서류들을 모두 각각 만들다니, 조금 놀랍군요. 하지만, 습득한 지갑에 서로 돈이 섞여 있으면 어떡하죠?"

순경은 마치 모든 대책을 세워 놓았다는 듯 자랑스럽게 말한다.

"물론 그건 파출소에 어떤 서류가 많이 남아 있는가를 엄격히 심사해서 처리하지."

나는 한숨을 쉰 후, 내 용건이나 말하고 빨리 자리를 뜨기로 했다.

"저, 근데......"

순경은 말을 아직 제대로 꺼내지도 않았는데, 갑자기 무언가가 생각났다며 황급히 내 말을 가로막고는, 서랍에서 작은 쪽지를 꺼내 들었다.

"아가씨, 잠깐. 아가씨한테는 일단 묵비권이 있고, 아가씨의 발언은 아가씨한테 불리한 증거로 사용될 수도 있으며, 변호사를 붙일 권리도 있다는 걸 알아두게. 만약 여의치 않으면 나라에서 변호사를 선임해 주기도 한다구. 요즘은 일부 몰지각한 경찰들 때문에, 성실한 대다수 경찰들의 명예가 실추되고 있어. 안타까운 현실이지. 하지만 본관은 업무에 철저하거든. 자, 말해봐."

별로 웃음도 안나왔다.

"아니, 그건 누굴 체포했을 때나 하는 고지의무인데, 전 단지......"


경찰은 약간 불쾌한 표정을 지었다.

"경찰은 바쁘다구. 아가씨를 상대로 해서 소중한 근무시간을 낭비할 수는 없어. 빨리 말해 봐."

"예, 저......제가 방금 버스를 타러 가는 길에 금고를 주었거든요. 그래서 여기 신고하려고 끌고 왔어요."

"금고를? 길에서 지갑도 아니고 금고를 습득했다는 건가?"

경찰은 적지 않게 난감해 했다.

"왜요? 금고는 신고하지 못하나요?"

"이것 참 큰일이군."

얼마 동안 깊은 고민에 빠진 듯 침묵하고는 말했다.

"아가씨가 그냥 집에 가지고 가면 안되겠나?"

'이건 또 무슨 소리야.'

전혀 예상밖의 대답에 재빨리 물어보았다.

"예? 아니, 이런 걸 습득하면 당연히 파출소에 신고해야 하는게 아닌가요?"

"음, 선량한 시민으로서의 아가씨 충고는 본관이 깊이 새겨 듣겠으며, 그 충고는 결코 헛되지 않을게야. 하지만, 그건 그냥 가지고 가는게 낫겠어."

"무엇 때문에 그러시는데요?"


"금고의 습득신고가 들어왔을 때 쓰는 신고서라는게 없거든."

"그래서 접수를 못하시겠다는 건가요? 농담이시죠?"

"이봐요, 아가씨! 본관이 아가씨와 농담이나 하고 있을 정도로 한가하게 보이나?"

"그럼 만약 주인이 나타나서 금고를 물으면 어떡하실 건데요?"

"흠......아주 현명한 아가씨로군. 그럼 아가씨 생각은 어떤가."

달리 말하기도 싫고, 다시 저 무거운 금고를 집에까지 끌고 간다는 일은 상상만 해도 암담했다.

"여기 그냥 보관하면 안되나요? 저걸 여기까지 끌고 오는데 얼마나 힘이 들었다구요."

"그럴 수는 없어. 아까도 말했듯이 신고서 양식도 없거니와, 여기는 너무 좁거든. 그럼 이렇게 하자구. 아가씨 호출번호를 여기 적어두면 어떻겠나. 습득물은 신고하지 않더라도 습득인 신고서만 작성하면 되겠지."

호출기라는 말을 듣고는 나도 모르게 허리에 손이 갔다.

"호출기는 없는데......그냥 집 전화번호만 말씀드릴게요."

"무슨 소리야. 요즘 호출기도 없는 젊은이가 어디 있어? 그럼 안돼."

"왜요? 설마 그 신고서에는 전화번호를 적는 란이 없기라도 하나요?"

화도 나고 답답하기도 해서 뼈대있는 농담이나 한 마디 던졌다.

"응......"

"뭐라구요?"

"이상하게 왜 그런지 아무래도 모르겠어. 아마 실수였나 보구만."

"그럼 어떻게 하시려구요!"

"지금 어디서 본관한테 큰 소리인가. 알았소, 좋아. 그럼 내 수첩에 적어 놓기로 하지. 내 수첩에는 양식이 없거든."

'젠장......'

"하지만, 이걸 그럼 어떻게 끌고 가요? 설마 집에까지 가져다 주실 것도 아니잖아요."

"천만에. 우리는 시민을 위해 봉사하는 경찰이야. 잠깐만 기다려봐. 심부름 센터를 불러주지."

여차여차 해서 간신히 금고를 집까지 가져온 후로는 큰 고민이 생겼다.

'집도 좁은데 그건 또 뭐냐. 빨리 내다 버려!' 라며 난리를 치는 엄마도 그 원인이긴 하지만, 열쇠도 없는 이 금고를 도대체 어디다 쓰는가가 문제다.

이렇게 큰 금고를 베개로 쓸 수도 없고, 의자로 쓰기에는 너무 높다. 그렇다고 책상으로는 너무 좁으니, 그냥 방안에 놔두기만 하면 그렇잖아도 좁은 방이 더욱 좁아진다.

당연히 열어보려는 생각도 했다. 어디까지나 지금은 내가 보관하고 있고, 또한 이걸 분실한 사람도 금고 보다는 내용물이 중요할 것이며, 내용물을 확인하면 원래 주인을 찾을지도 몰랐기 때문이다.


여기까지는 좋았으나, 금고란 본래 열쇠없이는 좀처럼 열 수 없게끔 만들어졌으며, 이 금고는 남달리 튼튼해 보인다. 망치로 두들겨도 봤지만 이는 계란으로 바위를 깨려는 짓이며, 열쇠가게에 부탁을 해보려고도 했으나 왠지 이상한 의심을 받을 것도 같아서 관뒀다.

'도대체 여긴 뭐가 들어 있을까.'

궁금증은 나날이 더해가며, 그 만큼 이상한 기대감도 갖게 되었다.

'이렇게 튼튼한 금고에 넣어둘 정도라면 정말 대단한 것인지도 몰라. 금덩어리? 아니면 지폐뭉치?'

그러나, 손에 들고 흔들어 보지도 못하니 어차피 상상만으로는 풀리지 못할 의문이었다. 시간이 지날 수록 커져가는 흥미는 급기야 이런 생각을 하기에 이르렀다.

'그래, 이제 이 금고는 내꺼야. 벌써 몇 개월이나 지났는데 아직도 주인이 안 나타나잖아? 그러니까 내 것을 넣어두어야 해. 비록 열리지는 않지만 나는 열은 거야. 나만이 열 수 있었으니, 닫는 것도 내 마음이야. 여기에 내 꿈과 희망을 넣어두자. 지금은 내세울만한 꿈이나 희망을 가지고 있진 않지만, 그래도 젊었을 때의 꿈들을 언젠가는 그리워할 날이 올지도 몰라. 좋아, 나는 여기에 모든 꿈과 희망을 간직해 놓겠어.'

이렇게 해서 조금은 길었던 금고와 나와의 싸움은 기나긴 휴전상태에 들어갔다. 가끔 시간이 나면 금고를 닦았고, 왁스칠도 해주었다. 쓸모없는 금고를 아끼는 나를 보고 엄마는 처음에 구박도 했으나, 지금은 속으로 금고를 좋아하며, 가끔 내 방으로 금고를 보러 오신다.

"얘, 이 못생긴 금고가 뭘 좋다고 맨날 닦니?" 하시면서 손으로 툭툭 치고는 나가신다.

'설마 엄마도 여기에......?'

그럴 지도 모른다. 엄마도 여기에 엄마의 무언가를 넣어 두셨을 지도 모른다. 하지만 그것 역시 엄마 밖에 열지 못하므로 조금은 아쉬었으며, 한편으로는 아주 조금 질투까지 났다. 이런 생각은 단순히 내 상상만이 아니다. 언젠가 엄마 친구분이 집에 놀러오셔서 엄마랑 말씀 나누시는 걸 들었기 때문이다.

"미경이가 큰 금고를 얻었다고 하죠?"

"예, 정말 빨리 시집이나 가지. 시간만 나면 금고를 닦고 그런다니까요. 어떻게 생각하면 귀엽기도 하구......또 어떻게 보면 걱정되기도 하네요."

웃으면서 말씀하시는 엄마의 저 말에는 분명 가시가 있다.


"정말 재미있네요. 도대체 뭘 넣어 놨길래 그런데요? 일기장이나, 아니면 남자 친구 사진?"

'흥, 일기장을 금고에 넣어두면 얼마나 귀찮을까. 더구나 남자친구 사진? 무슨, 남자친구 질식 시킬 일 있나.'

"아뇨, 열쇠도 없는 금고를 몇 년 전에 주워왔는데, 어디 열어볼 수가 있어야죠."

"어머, 그러세요? 제가 잘 아는 자물쇠집이 있는데, 거기 한 번 부탁해 볼까요?"

이 말을 들은 나는 긴장했다. 저 금고는 열쇠로 열지 못하니까 내 금고인데, 만약 열어버리면 모든 것이 한 순간에 사라지지나 않을까 두려웠기 때문이다.

"그냥 놔두세요. 얼마 전에 저도 그런 생각을 해봤지만, 쟤는 그냥 자기가 궁금한게 좋은가봐요. 얼마나 좋으면 이름까지 붙여주었어요. 저 금고는 분명 김 씨니까 이름은 '김 고'라나요? 저도 가끔 그 금고를 보면 재미있답니다."

"말씀을 듣고 있으니, 미경이 엄마가 더 그 금고를 좋아하시는 것 같아요?"

이런 말씀들을 나누며 웃는 두 분은 참 보기가 좋았다. 서로 흰 머리도 눈에 많이 띄는 나이인데, 대화내용이나 웃음소리는 마치 어린 소녀들의 담소처럼 들렸기 때문이다. 금고, 아니, '김 고'는 그렇게 해서 이제는 어엿한 가족의 일원으로 자리를 잡아갔다.



2.

이것은 아내와 40년 가까이 함께 살아오며 몇 번이고 들은 얘기다. 아무리 재벌집 딸이라 해도 저런 금고를 들고 시집 오는 여자가 어디 있을까. 더구나 열리지도 않는 금고라니.

전셋방부터 시작한 우리 부부생활에, 그렇잖아도 비좁은데 버젓이 눌러앉은 금고가 처음에는 밉기도 했으나, 아내 말에 의하면 지금까지 살아오는 동안 힘들 때도 가끔 있었지만, 그럴 때 마다 저 낡은 금고한테 위안을 받기도 하고, 때로는 꾸중을 듣기도 했단다.

이제까지 저 금고는 나만이 아니라 우리 자식들도 사용해왔다. 엄마나 나에게도 얘기하지 않은 꿈이나 고민들을 각자 저 금고에 넣어 두고는 가끔 열어보며 힘을 얻었다.

며칠 전 막내 녀석 결혼식도 무사히 마쳤다. 이젠 아내가 금고를 가지고 왔을 때의 장모님 보다도 훨씬 더 나이를 많이 먹어 버렸다.

이미 저 금고 속의 실제 내용물은 중요하지가 않다. 비록 무엇이 들어 있는지는 모르지만, 우리는 각자 '무엇을 넣어 두었는지'를 알고 있기 때문이다.

아주 하늘이 맑은 날, 창밖에서는 따사로운 햇빛이 거실 바닥을 비추고 있었다. 나와 아내가 탁자에 마주 앉아, 수 십 년을 함께 살아온 금고 얘기를 오랜만에 나누며 여유로운 시간을 보내고 있을 때였다.

'찰칵'

우리는 그 순간 서로의 얼굴을 마주 보았다. 시선이 표정과 함께 굳었다. 분명 둘 모두 처음 듣는 소리다. 지금까지 살아오는 동안 한 번도 들어보지 못한 소리......그럼에도 우리는 그것이 무슨 소리인지를 금방 알 수 있었다.

틀림없이 금고가 열리는 소리다.

주름살이 섞인 아내의 얼굴 속에 긴장감이 감돈다. 어떤 기쁨과 불안이 뒤섞인 표정이다. 침묵이 흘렀다.

"당신이 가봐......"

나는 조용히 말했다. 마음 같아서는 먼저 달려가고 싶었으나, 처음 저 금고를 보아야 할 사람은 분명 내가 아니라고 생각했기 때문이다. 아내는 아무 말 없이 천천히 일어서자, 금고를 향해 걸어갔다. 내가 앉은 곳에서는 열린 금고의 문밖에 보이지 않았다.

금고에 못미쳐서 아내는 잠시 걸음을 멈추고 주저하는 것처럼 보였으나, 바로 다시 걷기 시작하고는 조용히 금고 앞에 앉았다.

아내는 아무 말도 없었다.

단지 내가 평생동안 한 번도 보지 못한, 너무나도 고운 미소를 짓고 있을 뿐이었다.


 


'홍성필 > 열리지 않는 금고' 카테고리의 다른 글

열리지 않는 금고 - 한국어  (0) 2018.05.03
Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

살아있는 창자(生きている腸:いきているはらわた)

운노 쥬자(海野十三)

일본어 원문



 妙な医学生

 医学生吹矢隆二は、その日も朝から、腸(はらわた)のことばかり考えていた。

 午後三時の時計がうつと、彼は外出した。

 彼の住んでいる家というのは高架線のアーチの下を、家らしい恰好にしただけの、すこぶる風変りな住宅だった。

 そういう風変りな家に住んでいる彼吹矢隆二という人物が、またすこぶる風変りな医学生であって、助手でもないくせに、大学医科にもう七年も在学しているという日本に一人とあって二人とない長期医学生であった。

 そういうことになるのも、元来彼が課目制の学科試験を、気に入った分だけ受けることにし、決して欲ばらないということをモットーにしているのによる。されば入学以来七年もかかっているのに、まだ不合格の課目が五つほど残っていた。

 彼は、学校に出かけることは殆どなく、たいがい例の喧騒の真只中にある風変りな自宅でしめやかに暮していた。

 いまだかつて彼の家をのぞいた者は、まず三人となかろう。一人は大家であり、他の一人は、彼がこれから腸(はらわた)のことについて電話をかけようと思っている先の人物――つまり熊本博士ぐらいのものであった。

 彼は青い顔の上に、ライオンのように房づいた長髪をのせ、世にもかぼそい身体を、てかてかに擦れた金ボタンつきの黒い制服に包んで駅前にある公衆電話の函に歩みよった。

 彼が電話をかけるところは、男囚二千七百名を収容している○○刑務所の附属病院であった。ここでは、看護婦はいけないとあってすべて同性の看護夫でやっている。男囚に婦人を見せてはよくないことは、すでに公知の事実である。

「はあ、こちらは○○刑務病院でございます」

「ああ、○○刑務病院かね。――ふん、熊本博士をよんでくれたまえ。僕か、僕は猪俣とでもいっておいてくれ」

 と、彼はなぜか偽名をつかい、横柄な口をきいて、交換嬢を銅線の延長の上においておびえさせた。

「ああ熊本君か。僕は――いわんでも分っているだろう。今日は大丈夫かね。まちがいなしかね。本当に腸(はらわた)を用意しておいてくれたんだね。――南から三つ目の窓だったね。もしまちがっていると、僕は考えていることがあるんだぜ。そいつはおそらく君に職を失わせ、そしてつづいて食を与えないことになろう。――いやおどかすわけではない。君は常に、はいはいといって僕のいいつけをきいてりゃいいんだ。――行くぜ。きっとさ。夜の十一時だったな」

 そこで彼は、誰が聞いてもけしからん電話を切った。

 熊本博士といえば、世間からその美しい人格をたたえられている○○刑務病院の外科長であった。彼は家庭に、マネキン人形のように美しい妻君をもってい、またすくなからぬ貯金をつくったという幸福そのもののような医学者であった。

 しかしなぜか吹矢は、博士のことを頭ごなしにやっつけてしまう悪い習慣があった。もっとも彼にいわせると、熊本博士なんか風上におけないインチキ人物であって、天に代って大いにいじめてやる必要のあるインテリ策士であるという。

 そういって、けなしている一方、医学生吹矢は、学歴においては数十歩先輩の熊本博士を百パーセントに利用し、すくなからぬその恩恵に浴しているくせに、熊本博士をつねに奴隷のごとく使役した。

「腸(はらわた)を用意しておいてくれたろうね」

 さっき吹矢はそういう電話をかけていたが、これで見ると彼は、熊本博士に対しまた威嚇手段を弄しているものらしい。しかし「腸(はらわた)を用意」とはいったいなにごとであるか。彼はいま、なにを企て、そしてなにを考えているのであろうか。

 今夜の十一時にならないと、その答は出ないのであった。


三番目の窓


 すでに午後十時五十八分であった。

 ○○刑務病院の小さな鉄門に、一人の大学生の身体がどしんとぶつかった。

「やに早く締めるじゃないか」

 と、一言文句をいって鉄門を押した。

 鉄門は、わけなく開いた。錠をかけてあるわけではなく、鉄門の下にコンクリの固まりを錘りとして、ちょっとおさえてあるばかりなのであったから。

「やあ、――」

 守衛は、吹矢に挨拶されてペコンとお辞儀をした。どういうわけかしらんが、この病院の大権威熊本先生を呼び捨てにしているくらいの医学生であるから、風采はむくつけであるが熊本博士の旧藩主の血なんか引いているのであろうと善意に解し、したがってこの衛門では、常に第一公式の敬礼をしていた。

 ふふんと鼻を鳴らして、弊服獅子頭の医学生吹矢隆二は、守衛の前を通りぬけると、暗い病院の植込みに歩を運んだ。

 彼はすたすたと足をはやめ、暗い庭を、梟(ふくろう)のように達者に縫って歩いた。やがて目の前に第四病舎が現われた。

(南から三番目の窓だったな)

 彼はおそれげもなく、窓下に近づいた。そこには蜜柑函らしいものが転がっていた。これも熊本博士のサーヴィスであろう――とおもって、それを踏み台に使ってやった。そして重い窓をうんと上につき上げたのである。

 窓ガラスは、するすると上にあがった。うべなるかな、熊本博士は、窓を支える滑車のシャフトにも油をさしておいたから、こう楽に上るのだ。

 よって医学生吹矢は、すぐ目の前なるテーブルの上から、やけに太い、長さ一メートルばかりもあるガラス管を鷲づかみにすることができた。

「ほほう、入っているぞ」

 医学生吹矢は、そのずっしりと重いガラス管を塀の上に光る街路燈の方にすかしてみた。ガラス管の中に、清澄な液を口のところまで充たしており、その中に灰色とも薄紫色ともつかない妙な色の、どろっとしたものが漬かっていた。

「うん、欲しいとおもっていたものが、やっと手に入ったぞ、こいつはほんとうに素晴らしいや」

 吹矢は、にやりと快心の笑みをたたえて、窓ガラスをもとのようにおろした。そして盗みだした太いガラス管を右手にステッキのようにつかんで、地面に下りた。

「やあ、夜の庭園散歩はいいですなあ」

 衛門の前をとおりぬけるときに、およそ彼には似つかわしからぬ挨拶をした。が、彼はその夜の臓品が、よほど嬉しかったのにちがいない。

「うえっ、恐れいりました」

 守衛は、全身を硬直させ、本当に恐れいって挨拶をかえした。

 門を出ると、彼は太いガラス管を肩にかつぎ下駄ばきのまま、どんどん歩きだした。そして三時間もかかって、やっと自宅へかえってきた。街はもう騒ぎつかれて倒れてしまったようにひっそり閑としていた。

 彼は誰にも見られないで、家の中に入ることができた。彼は電燈をつけた。

「うん、実に素晴らしい。実に見事な腸(はらわた)だ」

 彼は、ガラス管をもちあげ電燈の光に透かしてみて三嘆した。

 すこし青味のついた液体の中に彼のいう「腸(はらわた)」なるものがどろんとよどんでいる。

「あ、生きているぞ」

 薄紫色の腸(はらわた)が、よく見ると、ぐにゃりぐにゃりと動いている。リンゲル氏液の中で、蠕動をやっているのであった。

 生きている腸(はらわた)!

 医学生吹矢[#「医学生吹矢」は底本では「医学当吹矢」]が、もう一年この方、熊本博士に対し熱心にねだっていたのは、実にこの生きている腸(はらわた)であった。他のことはききいれても、この生きている腸(はらわた)の願いだけは、なかなかききいれなかった熊本博士だった。

「なんだい、博士。お前のところは、男囚が二千九百名もいるんじゃないか。中には死刑になるやつもいるしさ、盲腸炎になったりまた変死するやつもいるだろうじゃないか。その中から、わずか百C・M(ツェーエム)ぐらいの腸(はらわた)をごまかせないはずはない。こら、お前、いうことをきかないなら、例のあれをあれするがいいか。いやなら、早く俺のいうことをきけ」

 などと恐喝、ここに一年ぶりに、やっと待望久しかりし生きている腸(はらわた)を手にいれたのであった。

 彼はなぜ、そのような気味のわるい生きている腸(はらわた)を手に入れたがったのであろうか。それは彼の蒐集癖を満足するためであったろうか。

 否!


リンゲル氏液内の生態


 生きている腸(はらわた)――なんてものは、文献の上では、さまで珍奇なものではなかった。

 生理学の教科書を見れば、リンゲル氏液の中で生きているモルモットの腸(ちょう)、兎の腸(ちょう)、犬の腸(ちょう)、それから人間の腸(ちょう)など、うるさいほどたくさんに書きつらなっている。

 標本としても生きている腸(ちょう)は、そう珍らしいものではない。

 医学生吹矢が、ここにひそかに誇りとするものは、この見事なる幅広の大腸(ちょう)が、ステッキよりももっと長い、百C・M(ツェーエム)もリンゲル氏液の入った太いガラス管の中で、活撥な蠕動をつづけているということであった。こんな立派なやつはおそらく天下にどこにもなかろう。まったくもってわが熊本博士はえらいところがあると、彼はガラス管にむかって恭々しく敬礼をささげたのだった。

 彼は生ける腸(はらわた)を、部屋の中央に飾りつけた。天井から紐をぶら下げ、それにガラス管の口をしばりつけたものであった。下には、ガラス管のお尻をうける台をつくった。

 黴くさい医学書が山のように積みあげられ、そしてわけのわからぬ錆ついた手術具や医療器械やが、所もせまくもちこまれている医学生吹矢の室は、もともと奇々怪々なる風景を呈していたが、いまこの珍客「生ける腸(はらわた)」を迎えて、いよいよ怪奇的装飾は整った。

 吹矢は脚の高い三脚椅子を天井からぶら下げるガラス管の前にもっていった。彼はその上にちょこんと腰をかけ、さも感にたえたというふうに腕組みして、清澄なる液体のなかに蠢くこの奇妙な人体の一部を凝視している。

 ぐにゃ、、ぐにゃ、ぐにゃ。

 ぶるっ、ぶるっ、ぶるっ。

 見ていると腸(はらわた)は、人間の顔などでは到底表わせないような複雑な表情でもって、全面を曲げ動かしている。

「おかしなものだ。しかし、こいつはこうして見ていると、人間よりも高等な生き物のような気がする」

 と医学生吹矢は、ふと論理学を超越した卓抜なる所見を洩らした。

 それからのちの医学生吹矢は、彼自身が生ける腸(はらわた)になってしまうのではないかとおもわれるふうに、ガラス管の前に石像のように固くなったままいつまでも生ける腸(はらわた)から目を放そうとはしなかった。

 食事も、尾籠な話であるが排泄も彼は極端に切りつめているようであった。ほんの一、二分でも、彼は生きている腸(はらわた)の前をはなれるのを好まなかった。

 そういう状態が、三日もつづいた。

 その揚句のことであった。

 彼は連日の緊張生活に疲れ切って、いつの間にか三脚椅子の上に眠りこんでいたらしく自分の高鼾にはっと目ざめた。室内はまっくらであった。

 彼は不吉な予感に襲われた。すぐと彼は椅子からとびおりて、電燈のスイッチをひねった。大切な、生ける腸(はらわた)が、もしや盗まれたのではないかと思ったからである。

「ふーん、まあよかった」

 腸(はらわた)の入ったガラス管は、あいかわらず天井からぶらさがっていた。

 だが彼は、間もなく悲鳴に似た叫び声をあげた。

「あっ、たいへんだ。腸(はらわた)が動いていない!」

 彼はどすんと床の上に大きな音をたてて、尻餅をついた。彼は気違いのように頭髪をかきむしった。真黒い嵐のような絶望!

「ま、待てよ――」

 彼はひとりで顔を赭らめて、立ちあがった。彼はピューレットを手にもった。そして三脚椅子の上にのぼった。

 ガラス管の中から、清澄なる液をピューレット一杯に吸いとった。そしてそれを排水口に流した。

 そのあとで、薬品棚から一万倍のコリン液と貼札してある壜を下ろし、空のピューレットをその中にさしこんだ。

 液は下から吸いあがってきた。

 彼は敏捷にまた三脚椅子の上にとびあがった。そしてコリン液を抱いているピューレットを、そっとガラス管の中にうつした。

 液はしずかに、リンゲル氏液の中にとけていった。

 ガラス管の中をじっと見つめている彼の眼はすごいものであった。が、しばらくして彼の口辺に、微笑がうかんだ。

「――動きだした」

 腸(はらわた)は、ふたたび、ぐるっ、ぐるっ、ぐるっと蠕動をはじめたのであった。

「コリンを忘れていたなんて、俺もちっとどうかしている」

 と彼は少女のように恥らいつつ、大きな溜息をついた。

「腸(はらわた)はまだ生きている。しかし早速、訓練にとりかからないと、途中で死んでしまうかもしれない」

 彼はシャツの腕をまくりあげ、壁にかけてあった汚れた手術衣に腕をとおした。


素晴らしき実験


 彼は、別人のように活撥になっていた。

「さあ、訓練だ」

 なにを訓練するのであろうか。彼は、部屋の中を歩きまわって、蛇管や清浄器や架台など、いろいろなものを抱えあつめてきた。

「さあ、、医学史はじまっての大実験に、俺はきっと凱歌をあげてみせるぞ」

 彼は、ぼつぼつ独り言をいいながら、さらにレトルトや金網やブンゼン燈などをあつめてきた。

 そのうちに彼は、あつめてきた道具の真ん中に立って、まるで芝居の大道具方のように実験用器の組立てにかかった。

 見る見るガラスと金具と液体との建築は、たいへん大がかりにまとまっていった。その建築はどうやら生ける腸(はらわた)の入ったガラス管を中心とするように見えた。

 電気のスイッチが入ってパイロット・ランプが青から赤にかわった。部屋の隅では、ごとごとと低い音をたてて喞筒モートルが廻りだした。

 医学生吹矢隆二の両眼は、いよいよ気味わるい光をおびてきた。

 一体彼は、何を始めようというのであるか。

 電気も通じてブンゼン燈にも薄青い焔が点ぜられた。

 生ける腸(はらわた)の入ったガラス管の中には、二本の細いガラス管がさしこまれた。

 その一本からは、ぶくぶくと小さい泡がたった。

 吹矢隆二は、大きな画板みたいなものを首から紐でかけ、そして鉛筆のさきをなめながら、電流計や比重計や温度計の前を、かわるがわる往ったり来たりして、首にかけた方眼紙の上に色鉛筆でもってマークをつけていった。

 赤と青と緑と紫と黒との曲線がすこしずつ方眼紙の上をのびてゆく。

 そうしているうちにも、彼はガラス管の前に小首をかたむけ、熱心な眼つきで、蠕動をつづける腸(はらわた)をながめるのであった。

 彼は文字通り寝食を忘れて、この忍耐のいる実験を継続した。まったく人間業とはおもわれない活動ぶりであった。

 今朝の六時と、夕方の六時と、この二つの時刻における腸(はらわた)の状況をくらべてみると、たしかにすこし様子がかわっている。

 さらにまた十二時間経つと、また何かしら変った状態が看取されるのであった。

 実験がすすむにつれ、リンゲル氏液の温度はすこしずつのぼり、それからまたリンゲル氏液の濃度はすこしずつ減少していった。

 実験第四日目においては、腸(はらわた)を収容しているガラス管の中は、ほとんど水ばかりの液になった。

 実験第六日目には、ガラス管の中に液体は見えずになり、その代りに淡紅色のガスがもやもやと雲のようにうごいていた。

 ガラス管の中には、液のなくなったことを知らぬげに、例の腸(はらわた)はぴくりぴくりと蠕動をつづけているのであった。

 医学生吹矢の顔は、馬鹿囃の面のように、かたい笑いが貼りついていた。

「うふん、うふん。いやもうここまででも、世界の医学史をりっぱに破ってしまったんだ。ガス体の中で生きている腸(はらわた)! ああなんという素晴らしい実験だ!」

 彼はつぎつぎに新らしい装置を準備しては古い装置をとりのけた。

 実験第八日目には、ガラス管の中のガスは、無色透明になってしまった。

 実験第九日目には、ブンゼン燈の焔が消えた。ぶくぶくと泡立っていたガスが停った。

 実験第十日目には、モートルの音までがぴたりと停ってしまった。実験室のなかは、廃墟のようにしーんとしてしまった。

 ちょうどそれは、午前三時のことであった。

 それからなお二十四時間というものを、彼は慎重な感度でそのままに放置した。

 二十四時間経ったその翌日の午前三時であった。彼はおずおずとガラス管のそばに顔をよせた。

 ガラス管の中の腸(はらわた)は、今や常温常湿度の大気中で、ぐにゃりぐにゃりと活撥な蠕動をつづけていた。

 医学生吹矢隆二は彼の考案した独特の訓練法により、世界中のいかなる医学生も手をつけたことのなかったところの、大気中における腸(はらわた)の生存実験について成功したのであった。


同棲生活


 医学生吹矢は、目の前のテーブルの上に寝そべる生ける腸(はらわた)と、遊ぶことを覚えた。

 生ける腸(はらわた)は、実におどろいたことに、感情に似たような反応をさえ示すようになった。

 彼がスポイトでもって、すこしばかりの砂糖水を、生ける腸(はらわた)の一方の口にさしいれてやると、腸(ちょう)はすぐ活撥な蠕動をはじめる。そして間もなく、腸(ちょう)の一部がテーブルの上から彼の方にのびあがって、

「もっと砂糖水をくれ」

 というような素振りを示すのであった。

「あはあ、もっと砂糖水がほしいのか。あげるよ。だが、もうほんのちょっぴりだよ」

 そういって吹矢は、また一滴の砂糖水を、生ける腸(はらわた)にあたえるのだった。

(なんという高等動物だろう)

 吹矢はひそかに舌をまいた。

 こうして、彼が訓練した生ける腸(はらわた)を目の前にして遊んでいながらも、彼は時折それがまるで夢のような気がするのであった。

 前から彼は、一つの飛躍的なセオリーをもっていた。

 もしも腸(はらわた)の一片がリンゲル氏液の中において生存していられるものなら、リンゲル氏液でなくとも、また別の栄養媒体の中においても生存できるはずであると。

 要は、リンゲル氏液が生きている腸(はらわた)に与えるところの生存条件と同等のものを、他の栄養媒体によって与えればいいのである。

 そこにもっていって彼は、人間の腸(はらわた)がもしも生きているものなら、神経もあるであろうしまた環境に適応するように体質の変化もおこり得るものと考えたので、彼は生ける腸(はらわた)に適当な栄養を与えることさえできれば、その腸(はらわた)をして大気中に生活させることも不可能ではあるまい――と、机上で推理を発展させたのである。

 そういう基本観念からして、彼は詳細にわたる研究を重ねた。その結果、約一年前になってはじめて自信らしいものを得たのである。

 彼の実験は、ついに大成功を収めた。しかもむしろ意外といいたい簡単な勤労によって――。

 思索に苦しむよりは、まず手をくだした方が勝ちであると、さる実験学者はいった。それはたしかに本当である。

 でも、彼が思索の中に考えついた一見荒唐無稽の「生ける腸(はらわた)」が、こうして目の前のテーブルの上で、ぐるっ、ぐるっと生きて動いているかとおもうと、まったく夢のような気がするのであった。

 しかしもう一つ特筆大書しなければならないことは、こうして彼の手によって大気中に飼育せしめられつつあるところの腸(はらわた)が、これまで彼が予期したことがなかったような、いろいろ興味ある反応をみせてくれることであった。

 たとえば、今も説明したとおり、この生ける腸(はらわた)が砂糖水をもっとほしがる素振りを示すなどということはまったく予期しなかったことだ。

 それだけではない。腸(はらわた)と遊んでいるうちに彼はなおも続々と、この生ける腸(はらわた)がさまざまな反応を示すことを発見したのだ。

 細い白金の棒の先を生ける腸(はらわた)にあて、それからその白金の棒に、六百メガサイクルの振動電流を伝わらせると、彼の生ける腸(はらわた)は急にぬらぬらと粘液をはきだす。

 それからまた、吹矢は生ける腸(はらわた)の腸壁の一部に、音叉でつくった正しい振動数の音響をある順序にしたがって当てた結果、やがてその腸壁の一部が、音響にたいして非常に敏感になったことを発見した。まずそこに、人間の鼓膜のような能力を生じたものらしい。彼はやがて、生ける腸(はらわた)に話しかけることもできるであろうと信じた。

 生ける腸(はらわた)は、大気中に生活しているためにその表面はだんだん乾いてきた。そして表皮のようなものが、何回となく脱落した。この揚句の果には、生ける腸(はらわた)の外見は大体のところ、少し色のあせた人間の唇とほぼ似た皮膚で蔽われるにいたった。

 生ける腸(はらわた)の誕生後五十日目ころ――誕生というのは、この腸(はらわた)が大気中に棲息するようになった日のことである――においては、その新生物は医学生吹矢隆二の室内を、テーブルの上であろうと本の上であろうと、自由に散歩するようになるまで生育した。

「おいチコ、ここに砂糖水をつくっておいたぜ」

 チコというのは、生ける腸(はらわた)に対する愛称であった。

 そういって吹矢が、砂糖水を湛えてある平皿のところで手を鳴らすと、チコはうれしそうに、背(?)を山のように高くした。そしてチコに食欲ができると、彼の生き物はひとりでのろのろと灰皿の[#「灰皿の」はママ]ところへ匍ってゆき、ぴちゃぴちゃと音をさせて砂糖水をのむのであった。その有様は、見るもコワイようなものであった。

 かくて医学生吹矢隆二は、生ける腸(はらわた)チコの生育実験をまず一段落とし、いよいよこれより大論文をしたため、世界の医学者を卒倒せしめようと考えた。

 ある日――それはチコの誕生後百二十日目に当っていた。彼はいよいよその次の日から大論文の執筆にかかることとし、その前にちょっと外出してこようと考えた。

 いつの間にか、秋はたけ、外には鈴懸樹の枯葉が風とともに舗道に走っていた。だんだん寒くなってくる。彼一人ならばともかくも今年の冬はチコとともに暮さねばならぬので電気ストーヴなども工合のいいものを街で見つけてきたいと思ったのだ。

 また買い溜をしておいた罐詰もすっかりなくなったので、それも補充しておきたい。チコのために、いろんなスープをさがしてきてやろう。

 彼はこの百数十日というものを、一歩たりとも敷居の外に出なかったのである。

「ちょっと出かける。砂糖水は、隅のテーブルのうえに、うんと作っておいたからね」

 彼は急に外が恋しくなって、チコに食事の注意をするのもそこそこに、入口に錠をおろし、往来にとびだしたのだった。


誤算


 医学生吹矢隆二は、つい七日間も外に遊びくらしてしまった。

 一歩敷居を外に踏みだすと、外には素晴らしい歓喜と慰安とが、彼を待っていたのだ。彼の本能はにわかに背筋を伝わって洪水のように流れだした。彼は本能のおもむくままに、夜を徹し日を継いで、歓楽の巷を泳ぎまわった。そして七日目になって、すこしわれにかえったのである。

 チコの食事のことがちょっと気になった。日をくってみると、あの砂糖水はもうそろそろ底になっているはずだった。

「まあ一日ぐらいは、いいだろう」

 そう思って彼はまた遊んだ。

 その日の夕方、彼はなにを思ったか、足を○○刑務病院にむけた。そして熊本博士を訪問したのであった。

 博士は、吹矢があまりに人間臭い人間にかわって応接室に坐っているのを見て愕いた。

「この前の一件は、どうしたですか」

 と、博士はそっとたずねた。

「ああ、生きている腸(はらわた)のことだろう。あれはいずれ発表するよ、いひひひ」

「一件は何日ぐらい動いていましたか」

「あはっ、いずれ発表する、だがね熊本君。腸(はらわた)というやつは感情をあらわすんだね。なにかこう、俺に愛情みたいなものを示すんだ。本当だぜ。まったく愕いた。――時にあれは、なんという囚人の腸(はらわた)なんだ。教えたまえ」

「……」

 博士は返答をしなかった。

 いつもの吹矢だったら、博士が返答をしなかったりすると、頭ごなしにきめつけるのであるが、その日に限り彼はたいへんいい機嫌らしく、頤をなでてにこにこしている。

「それからね、熊本君。ホルモンに関する文献をまとめて、俺にくれんか。――ホルモンといえば、この病院にいた例の美人の交換手はどうした。二十四にもなって、独身で頑張っていたあの娘のことだよ」

 と、吹矢は変にいやらしい笑みをうかべて熊本博士の顔をのぞきこんだ。

「あ、あの娘ですか――」

 博士は、さっと顔色をかえた。

「あの娘なら、もう死にましたよ、盲腸炎でね、だ、だいぶ前のことですよ」

「なあんだ、死んだか。死んだのなら、しようがない」

 吹矢は、とたんにその娘のことに興味を失ったような声をだした。そしてまた来るといって、すたすたと室を出ていった。

 その夜更けの午前一時。

 医学生吹矢隆二は、ようやく八日目に、自宅の前に帰ってきた。

 彼はおもはゆく、入口の錠前に鍵をさした。

(すこし遊びすぎたなあ。生きている腸(はらわた)――そうだチコという名をつけてやったっけ。チコはまだ生きているかしら。なあに死んでもいいや。とにかく世界の医学者に腰をぬかさせるくらいの論文資料は、もう十分に集まっているからなあ)

 彼は、入ロの鍵をはずした。

 そして扉をひらいて中に入った。

 ぷーんと黴くさい匂いが、鼻をうった。それにまじって、なんだか女の体臭のようなものがしたと思った。

(おかしいな)

 室内は真暗だった。

 彼は手さぐりで、壁のスイッチをひねった。

 ぱっと明りがついた。

 彼は眩しそうな眼で、室内を見まわした。

 チコの姿は、テーブルの上にもなかった。

(おや、チコは死んだのか。それとも隙間から往来へ逃げ出したのかしら)

 と思ったが、ふと気がついて、出かけるときにチコのために作っておいた砂糖水のガラス鉢に眼をやった。

 ガラス鉢の中には、砂糖水がまだ半分も残っていた。彼は愕きの声をあげた。

「あれっ、今ごろは砂糖水がもうすっかりからになっていると思ったのに――チコのやつどうしやがったかな」 

 そういった刹那の出来事だった。

 吹矢の目の前に、なにか白いステッキのようなものが奇妙な呻り声をあげてぴゅーっと飛んできた。

「呀(あ)っ!」

 とおもう間もなく、それは吹矢の頸部にまきついた。

「ううっ――」

 吹矢の頸は、猛烈な力をもって、ぎゅっと締めつけられた。彼は虚空をつかんでその場にどっと倒れた。

 医学生吹矢の死体が発見されたのは、それから半年も経ってのちのことであった。一年分ずつ納めることになっている家賃を、大家が催促に来て、それとはじめて知ったのだ。彼の死体はもうすでに白骨に化していた。

 吹矢の死因を知る者は、誰もなかった。

 そしてまた、彼が残した「生ける腸(はらわた)チコ」に関する偉大なる実験についても、また誰も知る者がなかった。

「生ける腸(はらわた)」の実験は、すべて空白になってしまった。

 ただ一人、熊本博士は吹矢に融通した「生ける腸(はらわた)」のことをときおり思いだした。実はあの腸(はらわた)はどの囚人のものでもなかったのである。

「生ける腸(はらわた)」はいったい誰の腹腔から取り出したものであろうか。

 それは○○刑務病院につとめていた二十四歳の処女である交換手のものであった。彼女は盲腸炎で亡くなったが、そのとき執刀したのは熊本博士であったといえば、あとは説明しないでもいいだろう。

 処女の腹腔から切り放された「生きている腸(はらわた)」が医学生吹矢の首にまきついて、彼を殺したことは、彼の死をひそかに喜んでいる熊本博士もしらない。

 いわんや「生ける腸(はらわた)」のチコが、吹矢と同棲百二十日におよび、彼に非常なる愛着をもっていたこと、そして八日目にかえってきた彼の声を開き、嬉しさのあまり吹矢の首にとびつき、不幸にも彼を締め殺してしまった顛末などは、想像もしていないだろう。

 あの「生きている腸(はらわた)」が、まさかそういう女性の腸(はらわた)とは気がつかなかった医学生吹矢隆二こそ、実に気の毒なことをしたものである。

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Posted by 문학관 관리인 위어조자(謂語助者)

살아있는 창자(生きている腸)

운노 쥬자(海野十三)

번역 : 홍성필


기이한 의대생

의대생 후키야 류지(吹矢隆二)는 그 날도 아침부터 창자 생각만 하고 있었다.

오후 3시를 알리는 시계가 울리자 그는 외출했다.

그가 살고 있는 집은 고가 철도 밑을 집처럼 개조한, 매우 독특한 주택이었다.

그런 색다른 집에 살고 있는 후키야 류지라는 인물이, 이 또한 매우 색다른 의대생이어서, 조수도 아닌데도 의과대학에 벌써 7년이나 재학하고 있는, 일본에서는 둘도 없는 장기 의대생이었다.

그도 그럴 것이 본래 그가 과목별 학과시험 중 자신의 마음에 드는 과목만 치르기로 하고, 절대 욕심을 내지 않기로 다짐했기 때문이다. 그리하여 입학 이후 7년이나 지난 지금에도 아직 불합격 과목이 다섯 과목에 이른다.

후키야는 대부분 학교에 가지 않았고, 대개는 그 소란스럽기 짝이 없는 독특한 집에서 조용히 지내고 있었다.

지금까지 그의 집을 들여다본 사람은 아마도 세 명을 넘지 않을 것이다. 한 사람은 집주인이며, 다른 한 사람은 그가 지금부터 창자에 대해 전화를 걸려고 하는 인물 ― 즉 쿠마모토(熊本) 박사 정도이다.

그는 창백한 얼굴 위에 사자처럼 긴 더벅머리를 얹혀놓고 보기 드물 만큼 마른 몸매에, 반들반들 길이 든 금단추 달린 검은 제복을 입고서 역전 공중전화박스로 다가갔다.

그가 전화를 거는 곳은 남성 재소자 2,700 명을 수용하고 있는 ○○교도소 부속병원이었다. 여기서는 여성 간호사를 두지 못하게 되어 있어 모두 남성 간호사가 근무하고 있었다. 남성 죄수에게 여성을 보이면 좋지 않다는 사실은 자명하다.

"네에. ○○교도병원(矯導病院)입니다"

"○○교도병원인가? ―― 흠. 쿠마모토 박사를 불러주게. 내 말인가? 나는 그냥 이노마타라고 전해주게나"

그는 왠지 가명을 쓰며 건방진 말투로 교환수에게 전화선을 통해 겁을 주었다.

"그래, 쿠마모토 군인가? 나는 ―― 말 안 해도 알고 있지? 오늘은 괜찮겠어? 틀림 없겠지? 정말로 창자를 준비해주었다는 말이군. ―― 남쪽에서 세 번째 창문이었지. 만약 잘못되면 나도 생각이 있다구. 그건 아마도 자네가 직장을 잃고, 다음은 밥줄이 끊기겠지. ―― 아니, 협박이 아니야. 자네는 항상 ‘예, 예,’ 하며 내 말을 따르면 돼. ―― 지금 간다. 반드시. 오늘 11시에 말이야."

거기서 그는 누가 들어도 언짢게 여길 만한 통화를 마쳤다.

쿠마모토 박사라고 하면 사람들로부터 그 훌륭한 인격으로 칭송 받고 있는 ○○교도병원 외과 과장이었다. 그는 가정에 마네킹과도 같은 아름다운 부인을 두고 있으며, 또한 적지 않은 재산도 있는, 마치 행복 그 가체를 그림으로 그린 듯한 의학자였다.

그러나 왠지 후키야는 그런 박사를 무참히 짓밟아버린다는 나쁜 습관이 있었다. 물론 그의 말에 의하면 쿠마모토 박사 같은 인간은 말도 안 되는 사기꾼이며, 하늘을 대신해서 마음껏 괴롭혀줄 필요가 있는 지식인이라고 한다.

그토록 괴롭히고 있는 반면 의대생 후키야는 학력에 있어서 몇 발자국 앞서있는 쿠마모토 박사를 십분 이용하여 적지 않은 혜택을 누리고 있으면서도, 쿠마모토 박사를 항상 노예처럼 부려먹고 있었다.

"창자는 준비되어있겠지?"

방금 전 후키야는 그런 전화를 걸었으나, 이를 보면 그는 쿠마모토 박사에 대해 또다시 위협수단을 쓰고 있는 듯했다. 그러나 "창자를 준비"한다니 무슨 뜻일까. 그는 지금 무엇을 계획하고 또한 무엇을 생각하고 있는 것인가.

오늘 11시가 되어야만 그 답은 나올 것이다.


세 번째 창문

이미 오후 10시 58분이었다.

○○교도병원의 작은 철문에 한 대학생의 몸이 퉁 하고 부딪혔다.

"일찍도 닫았군."

한 마디 내뱉고는 철문을 밀었다.

철문은 쉽게 열렸다. 열쇠를 잠그는 것이 아니라 철문 밑에 콘크리트 덩어리를 살짝 받혀놓았을 뿐이었기 때문이다.

"안녕하쇼."

수위가 후키야의 인사를 받고는 넙죽 고개를 숙인다. 무슨 연유인지는 모르나 이 병원에서 근무하는 권위자인 쿠마모토 선생을 함부로 대하는 의대생이니, 외모는 볼품없으나 쿠마모토 박사의 고향 어른 자손이라도 되나 하고 좋게 해석하여, 따라서 이 철문에서는 항상 정중하게 경례를 붙이곤 하였다.

콧노래를 부르며 허름한 옷차림에 사자 머리를 한 의대생 후키야 류지는 수위 앞을 지나치자 어두운 병원 마당으로 들어섰다. 

그는 발걸음을 재촉하여 어두운 마당을 부엉이처럼 신속하게 지나갔다. 이윽고 눈앞에 제 4병동이 나타났다.

‘남쪽에서 세 번째 창문이었지.’

그는 아무런 거리낌 없이 창문 밑으로 다가갔다. 거기에는 귤상자 같은 것이 놓여있었다. 이것도 쿠마모토 박사가 배려해준 것이라고 생각하여 이를 발 받침대로 삼아 무거운 창문을 위로 끌어올렸다.

창문이 조용히 열렸다. 쿠마모토 박사가 사전에 창문을 받치는 롤러에도 기름을 쳐놓았기에 이처럼 쉽게 올라가는 것이다.

따라서 의대생 후키야는 바로 눈앞에 보이는 탁자 위에 놓여진, 상당히 굵고 길이 1미터 정도 되는 유리관을 잡을 수 있었다.

"그렇지. 들어 있다."

의대생 후키야는 그 둔탁하고 무거운 유리관을 담장 위에 있는 가로등에 비추어 보았다. 유리관 안에는 맑은 액체로 가득 차 있었으며, 그 속에는 회색이라고도 연보라색이라고도 할 수 없는 기이한 빛깔의 물컹거리는 무언가가 담겨 있었다.

"그래. 갖고 싶었던 것을 이제서야 손에 넣을 수 있게 됐어. 이건 정말 대단한걸?"

후키야는 회심의 미소를 짓고서 창문을 본래대로 닫았다. 그리고 훔쳐낸 굵은 유리관을 오른손에 지팡이처럼 들고서 땅바닥 위로 내려왔다.

"정말 밤에 산책하는 건 기분이 좋군요."

철문 앞을 지나칠 때에는 평소의 그답지 않은 인사를 했다. 그가 손에 넣은 물건이 워낙 마음에 들었던 것 같다.

"아이구, 조심해 가십시오."

수위는 단단히 긴장하며 인사했다.

문을 나서자 그는 굵은 유리관을 어깨에 매고 슬리퍼 차림으로 부지런히 걸어갔으며, 세 시간이 지나서야 겨우 집에 도착했다. 거리는 피로에 지쳐 쓰러진 것처럼 조용했다.

그는 아무도 모르게 집 안으로 들어올 수 있었다. 그는 전등을 켰다.

"좋아. 아주 훌륭해. 정말 대단한 창자야."

그는 유리관을 들어올려 불빛에 비춰보며 환호성을 질렀다.

약간 푸른 빛이 나는 액체 속에 그가 말하는 ‘창자’라는 것이 물컹거리며 들어있다.

"어, 살아있다."

연보랏빛 창자를 자세히 보니 꿈틀꿈틀 움직인다. 링거씨액 속에서 굼실거리고 있는 것이었다.

살아있는 창자!

의대생 후키야가 쿠마모토 박사에게 지난 1년 동안 끈질기게 요구한 것은 바로 이 살아있는 창자였다. 다른 청은 들어주어도 이 살아있는 창자에 대해서만은 좀처럼 들어주지 않았다.

"이봐, 어쩌자는 거야. 네가 있는 곳에는 남성 재소자가 2,900명이나 있잖아. 그 중에는 사형이 될 놈도 있고 맹장염에 걸려 죽는 놈도 있겠지. 그 중에서 불과 1미터 정도의 창자를 빼낼 수 없을 리가 있나. 이것 보라구. 내 말을 듣지 않으면 그걸 거시기하는 수가 있어. 그게 싫다면 어서 내 말을 따르라구."

이렇게 협박한 결과 1년여 만에 간신히 애타게 기다리던 살아있는 창자를 손에 넣을 수가 있었다.

그는 왜 이토록 징그럽기 짝이 없는 살아있는 창자를 원했는가. 그것은 그의 편집증 때문이었을까.

그렇지 않다!


링거씨액 속의 생물

살아있는 창자 ㅡㅡ 라고 하는 것이 문헌상으로는 그리 진귀하지 않다.

생리학 교과서를 보면 링거씨액 속에서 살아있는 모르모트 장기, 토끼 장기, 개의 장기, 그리고 인간의 장기 등 너무나도 많이 적혀 있다.

표본으로서도 살아있는 장기는 그리 보기 드문 것은 아니다.

의대생 후키야가 지금 남몰래 자랑스럽게 여기는 점은 이 훌륭한 크기를 가진 대장이 지팡이보다도 길어, 링거씨액이 든 1미터짜리 유리관 안에서 활발하게 요동치고 있다는 사실이다. 이토록 훌륭한 것은 아마도 이 세상 어디에도 없을 것이다. 참으로 우리 쿠마모토 박사도 대단하다며 그는 유리관을 보고 근엄하게 경의를 표하는 것이었다.

그는 살아있는 창자를 방 중앙에 장식했다. 천장에 끈을 걸어, 거기에 유리관 입구를 매달아 놓았으며, 아래쪽에는 유리관 받침대를 만들었다.

곰팡이 냄새 나는 의학서가 산더미처럼 쌓여있어, 그리고 알 수 없는, 녹이 슨 수술도구나 의료기기로 가득 찬 의대생 후키야의 방은 그 자체만으로도 기기괴괴한 모습이었으나 지금 이 ‘살아있는 창자’를 들여놓음으로써 그 모습은 더욱 괴기스러워졌다.

후키야는 천장에 매달아놓은 유리관 앞으로 높은 세발의자를 가져갔다. 그는 그 앞에 살짝 앉아 매우 감명 깊다는 듯 팔짱을 끼고서 맑은 액체 안에서 꿈틀거리는 기이한 인체의 일부를 응시하고 있다.

꿈틀, 꿈틀, 꿈틀.

가만히 보면 창자는 인간의 얼굴로써 도저히 나타낼 수 없는 복잡한 표정을 가지고 있어, 온 몸을 비틀어가며 움직인다.

"이상한 노릇이야. 이 녀석을 이렇게 보고 있으면 인간보다도 수준 높은 생물체처럼 느껴져."

의대생 후키야는 문득 논리학을 초월한 고차원적 소견을 말했다.

그로부터 후키야는 그 자신이 마치 살아있는 창자 자체가 되어버리지 않을까 싶을 정도로 유리관 앞에 석고상처럼 가만히 언제까지나 살아있는 창자로부터 눈을 떼려 하지 않았다.

식사도, 조금 저질이긴 하지만 배설마저도 그는 최소한도로 줄이고 있는 것처럼 보였다. 불과 1, 2분조차도 그는 살아있는 창자 앞을 떠나려 하지 않았다.

그런 상태가 사흘 동안 이어졌다.

그 다음 일이었다.

그는 연일 긴장했던 생활에 지쳐 어느새 세발의자 위에서 앉은 채로 잠이 들었는지, 본인의 코 고는 소리에 잠이 깼다. 방 안은 캄캄했다.

그에게 불길한 예감이 엄습했다. 그는 곧바로 의자에서 내려와 전등 스위치를 켰다. 귀중한 살아있는 창자가 설마 도난 당하지나 않았을까 했던 것이다.

"휴, 다행이야."

창자가 들어있는 유리관은 여전히 천장에 매달려 있었다.

그러나 그는 얼마 지나지 않아 비명과도 같은 소리를 질렀다.

"앗! 큰일이다. 창자가 움직이질 않아!"

후키야는 쿵 소리를 내며 엉덩방아를 찌었다. 그는 미친 듯이 머리를 쥐어뜯었다. 칠흑과도 같은 절망!

"자, 잠깐 ㅡㅡ"

그는 혼자서 얼굴을 붉히며 일어섰다. 그는 퓰렛 주사기를 손에 들고 세발 의자 위로 올라갔다.

유리관 속으로 맑은 액체를 퓰렛 주사기 가득히 빨아들이고는 그것을 배수구에 버렸다.

그 다음 약품 케이스 안에서 1만 배 콜린(choline)이라고 붙어있는 병을 가지고 내려와 빈 퓰렛 주사기를 꽂았다.

액체가 아래로부터 빨려 올라 온다.

그는 신속하게 다시 세발 의자 위로 뛰어올라 그 콜린이 든 퓰렛 주사기를 조용히 유리관 안으로 주입시켰다.

액체는 조용히 링거씨액 속으로 녹아들어갔다.

유리관 속을 가만히 바라보는 그의 눈은 예사롭지 않았다. 그러나 잠시 후 그의 입가에는 미소가 떠올랐다.

"ㅡㅡ 움직이기 시작했어."

창자는 또다시 꿈틀, 꿈틀, 꿈틀 하고 굼실거리기 시작한 것이다.

"콜린을 잊고 있다니 나도 정신이 없었나보군."

그는 소녀처럼 쑥스럽다는 듯이 크게 숨을 내쉬었다.

"창자는 아직 살아있다. 하지만 곧바로 훈련에 들어가지 않는다면 도중에 죽어버릴지도 모르겠어."

그는 셔츠 소매를 걷어붙이고 벽에 걸어두었던 수술복을 입기 시작했다.


훌륭한 실험

그는 딴 사람이 된 것처럼 활발해졌다.

"자, 훈련이다."

무슨 훈련을 하려는 것인가. 그는 방안을 돌아다니며 사관냉각기나 청정기, 발판 등 여러 가지 기구들을 끌어 모았다.

"자, 의학사상 최초의 대실험을 난 기필코 성공시키고야 말 테야."

그는 혼자서 중얼거리며, 이어서 레토르트, 금속망사, 분센버너 등을 가지고 왔다.

그러고서 그는 모아온 도구 한 가운데 서서, 마치 무대 도구담당처럼 실험용기를 조립하기 시작했다.

얼마 있자 유리와 금속부품들, 그리고 액체들로 이루어진 조립품은 어느 정도 완성되었다. 그 기구들은 아무래도 살아있는 창자가 든 유리관을 중심에 둘 것처럼 보였다.

전기 스위치가 들어가자 파일럿 램프가 파랑에서 빨강으로 바뀌었다. 방 구석에서는 딸가닥거리는 소리를 내며 펌프 모터가 돌아가기 시작했다.

의대생 후키야 류지의 두 눈은 드디어 사악하게 변하기 시작했다.

도대체 그는 무엇을 시작하려 하는가.

전기를 통해 분센버너에도 연푸른 불이 들어왔다.

살아있는 창자가 든 유리관 안으로 두 개의 가느다란 유리관이 꽂혀졌다.

그 중 한 쪽에서 부글부글 하며 작은 기포가 나왔다.

후키야 류지는 큰 화판 같은 것을 목에 끈으로 걸고는, 거기에 연필끝을 핥으면서 전류계나 비중계, 그리고 온도계 앞을 번가라서 왕래하며, 목에 건 방안지 위에 색연필로 표시를 적어갔다.

빨강, 파랑, 초록, 보라, 검은 색 곡선이 조금씩 방안지 위에서 뻗어간다.

그러는 동안에도 후키야는 유리관 앞으로 고개를 돌려 계속 요동치는 창자를 응시하고 있었다.

그는 말 그대로 식음을 전폐한 채 끈질긴 실험을 계속했다. 과연 인간으로서는 도저히 해낼 수 없는 끈기였다.

아침 6시와 저녁 6시, 이 두 시간대에 창자의 상황을 비교하면 분명 조금씩 변화가 보인다.

나아가 12시간이 더 지나면 다시 어떠한 변화를 찾아낼 수 있었던 것이었다.

실험이 계속해감에 따라 링거씨액 온도는 조금씩 상승하여, 이와 함께 링거씨액 농도는 조금씩 감소해갔다.

실험 제 4일째에 있어서는 창자를 수용하고 있는 유리관 내부에 들어있던 액체는 대부분 물처럼 되었다.

실험 제 6일째에는 유리관 내부에 액체가 사라지고, 그 대신 연분홍색 가스가 조금씩 구름처럼 움직이고 있었다.

유리관 안에는 액체가 없어졌다는 것도 모르는지 그 창자는 여전히 꿈틀꿈틀 요동치고 있었다.

의대생 후키야의 얼굴은 긴장된 웃음을 짓고 있었다.

"흠. 흠. 이제 여기까지만 해도 이미 세계 의학사를 멋지게 깨고도 남았다. 가스 안에서 살아있는 창자! 아아, 이 얼마나 위대한 실험인가!"

그는 연이어 오래된 장치를 새로운 것으로 바꾸어 설치했다.

실험 제 8일째, 유리관 내부에 있던 가스는 무색투명해졌다.

실험 제 9일째, 분센버너가 꺼지고 부글부글 끓어오르던 가스가 멈췄다.

실험 제 10일째, 모터 소리까지 완전히 멈추고 말았다. 실험실 내부에는 폐허처럼 정적이 흐르기 시작했다.

시간은 정확히 오전 3시였다.

그 이후 24시간 동안 그는 신중하게 지켜보며 그대로 방치시켜놓았다.

24시간이 지난 그 다음 날 오전 3시였다. 그는 천천히 유리관을 들여다보았다.

유리관에 들어있는 창자는 지금 상온온도인 대기중에서 꿈틀꿈틀 활발하게 요동치고 있다.

의대생 후키야 류지는 그가 고안한 독자적인 훈련법으로써 세계 어느 의학자도 시도해보지 못한, 대기중에서 창자를 생존시키는 실험에 드디어 성공한 것이었다.


동거생활

후키야는 눈앞에 놓인 탁자 위에 누워있는, 살아있는 창자와 놀 수 있는 방법을 배웠다.

살아있는 창자는 매우 놀랍게도 감정과도 같은 반응조차 표현할 수 있게 되었다.

그는 스포이트로 조금씩 설탕물을 살아있는 창자에게 한쪽 입을 통해 넣어주자, 장은 곧바로 활발하게 꿈틀거리기 시작한다. 그리고 즉시 창자 일부가 그가 있는 쪽으로 뻗쳐온다.

"설탕물을 더 달라"

마치 그렇게 말이라도 하는 것처럼 행동하는 것이다.

"그래. 설탕물을 더 먹고 싶니? 물론 주지. 하지만 아주 조금만 더 줄 거야."

그러면서 후키야는 다시 설탕물 한 방울을 살아있는 창자에게 주는 것이었다.

‘이렇게 놀라운 고등동물이라니’

후키야는 남몰래 경탄을 금하지 못했다.

이처럼 그가 훈련한 살아있는 창자를 눈앞에 두며 놀고 있으면서도, 때때로 그는 마치 꿈인 듯한 생각마저 들었다.

예전부터 그는 한가지 비약적인 이론을 가지고 있었다.

만약 창자 중 한 조각이 링거씨액 안에서도 생존할 수 있다면 링거씨액이 아닌 다른 영양매체 속에서도 생존할 수 있다는 이론이다.

핵심은 링거씨액이 살아있는 창자에게 공급하는 생존조건과 동등한 것을 다른 영양매체에 의해서 제공하면 되는 것이다.

나아가 그는 인간의 창자가 만약 살아있다면 신경 또한 있을 것이며, 뿐만 아니라 환경에 적응하듯 체질상 변화도 발생할 것이라고 예상했기에 그는 살아있는 창자에게 적당한 영양을 공급할 수만 있다면 그 창자를 대기중에서 생활하게끔 만드는 것도 불가능은 아니다 ㅡㅡ 이와 같이 상상으로 추리를 발전시켜나갔다.

그와 같은 기본관념을 가지고 그는 상세한 곳에 이르는 연구를 계속해 나아갔다. 그 결과 약 1년 전에 비로소 자신감과도 같은 것을 가질 수 있었던 것이다.

그의 실험은 드디어 대성공을 이루어냈다. 더구나 비교적 뜻밖이라고도 할 수 있을 정도로 쉬운 수고만으로 말이다.

사색으로 괴로워하기 보다는 우선 손을 써보는 자가 이긴다고 어느 실험학자는 말했다. 그건 분명 사실이다.

그러나 그가 사색 중에 생각해낸, 보기에 따라서는 황당무계한 ‘살아있는 창자’가 이렇게 눈앞에 놓인 탁자 위에서 꿈틀거리며 살아 움직이고 있다는 생각을 하니 도무지 꿈인지 의심하지 않을 수 없었다.

뿐만 아니라, 대서특필해야 할 점은 이렇게 그의 손에 의해 대기 중에서 사육되기 시작한 창자가, 그가 지금까지 예측하지 못했던, 여러 흥미로운 반응을 보여준다는 점이다.

예컨대 지금도 설명한 바와 같이, 이 살아있는 창자가 설탕물을 더 달라는 반응을 보인다는 점은 전혀 예측하지 못했다.

그것 만이 아니다. 창자와 놀면서 그는 이 창자가 다양한 반응을 보인다는 점을 발견한 것이다.

가느다란 금속 스틱 끝을 살아있는 창자에 대고는 그대로 600메가 사이클 정도 되는 진동전류를 흘려 보내자, 살아있는 창자는 갑자기 미끈미끈한 점액을 토해낸다.

한편 후키야는 살아있는 창자 속 내벽 일부에 소리굽쇠로 만든 정확한 진동수에 맞추어 음향을 순서에 따라 대 본 결과, 그 내벽 일부가 음향에 대해 매우 민감해졌다는 점도 발견했다. 우선 그 곳에 인간의 고막 같은 능력이 생겨난 듯하다. 그는 이윽고 살아있는 창자에게 말을 걸 수도 있다고 믿었다.

살아있는 창자는 대기중에서 생활하고 있었기 때문에 그 표면은 점점 건조해졌다. 그리고 표피와도 같은 것이 몇 번이고 떨어져 나갔다. 그러고 나자 살아있는 창자 표면은 조금 빛 바랜 사람 입술과 매우 흡사한 피부로 덥혔다.

살아있는 창자 탄생 50일경 ㅡㅡ 탄생이란 이 창자가 대기중에서 서식할 수 있게 된 날을 말한다 ㅡㅡ 에 있어서 그 신종 생물은 의대생 후키야 류지가 사는 방 안을, 탁자 위건 책 위건 간에 자유롭게 산책할 수 있을 정도로 성장했다.

"이봐 치코, 여기에 설탕물을 놔뒀다."

‘치코’란 살아있는 창자에 대한 애칭이었다.

그렇게 하면서 후키야가 설탕물이 담긴 접시가 있는 곳에서 손뼉을 치면, 치코는 반가운 듯 등(?)을 산처럼 부풀어 올렸다. 그리고 치코에게 식욕이 생기면 그 생물체는 혼자서 천천히 접시 쪽으로 기어가서는 쩝쩝 소리를 내며 설탕물을 마셨다. 그 행태는 매우 끔찍한 모습이었다.

그리하여 의대생 후키야 류지는 살아있는 창자인 ‘치코’에 대한 성장실험을 일단락 짓고, 드디어 이제부터 대논문을 써서 세계 의학자들을 졸도시키려고 생각했다.

어느날 ㅡㅡ 그날은 치코 탄생 120일째 되는 날이었다. 후키야는 드디어 다음날부터 대논문을 집필하기 시작하기로 하고, 그 전에 조금 외출을 하려고 마음먹었다.

어느새 가을은 깊어가고 바깥은 플라타너스 낙엽이 바람과 함께 거리에 흩날리고 있었다. 점점 추워진다. 후키야 혼자라면 모를까 올해 겨울은 치코과 함께 지내야 하므로, 쓸만한 전기난로도 찾아보아야겠다고 생각했다.

또한 예전에 사 모아두었던 통조림도 이제 동이 났기에 그것 또한 보충해두어야 한다. 치코를 위해 여러 가지 수프를 사 가자.

그는 근래 백 수 십일 동안 한 발자국도 집을 나서지 않았던 것이다.

"잠깐 나갔다 올게. 설탕물은 탁자 위 한 켠에 많이 만들어놓았으니까."

그는 갑자기 바깥이 그리워졌기에 치코에게 주의를 주는 것도 대충 하고 출입문을 잠그고는 거리로 나선 것이었다.


오산(誤算)

의대생 후키야 류지는 무려 7일간이나 바깥에서 놀고 지냈다.

한 발 문을 나서자 바깥에서는 화려한 환희와 위안이 그를 기다리고 있었던 것이다. 후키야의 본능은 급속도로 등줄기를 타고 홍수처럼 넘쳐 나왔다. 그는 본능이 명하는 대로 밤낮을 가리지 않고 환락의 거리를 휘지고 다녔다. 그리고 7일째가 되어서야 조금씩 정신이 돌아왔다.

치코가 식사를 제대로 하고 있는지 조금 걱정되었다. 날짜를 세어보니 그 설탕물도 이제는 바닥났음 분명하다.

"하루 정도는 괜찮겠지."

하고 그는 또다시 환락에 빠졌다.

그날 저녁, 그는 무슨 생각을 했는지 발걸음을 ○○형무병원으로 돌리고는 쿠마모토 박사를 방문했다.

박사는 후키야가 너무나도 사람냄새가 나는 인간으로 변하여 응접실에 앉아 있는 모습을 보고는 놀랐다.

"예전에 말했던 그 일은 어떻게 됐죠?"

박사는 조심스럽게 물었다.

"음, 살아있는 창자 말이지. 그 점에 대해서는 머지 않아 발표할 거야. 으흐흐흐."

"그 물체는 며칠 정도 움직이고 있었나요?"

"흐핫. 머지 않아 발표한다니까. 그러나 쿠마모토 군. 창자라는 놈은 감정을 나타내더군. 뭐라고 할까. 내게 애정 같은 감점을 표현하는 거야. 정말이라니까. 나도 얼마나 놀랐는지 모른다구. ㅡㅡ 그런데 그건 대체 어떤 재소자한테서 얻어낸 것인가? 알려주게."

"……"

박사는 대답하지 않았다.

평소 같았다면 박사가 대답하지 않거나 할 경우 버럭 화를 내곤 했으나 그날 따라 후키야는 매우 기분이 좋은 듯, 목을 더듬으며 싱글벙글 웃고 있다.

"그리고 말이야 쿠마무토 군. 호르몬에 관한 문헌을 정리해서 내게 주지 않겠나. ㅡㅡ 호르몬 이야기가 나와서 말인데, 이 병원에 있던 그 미인 교환수는 어떻게 됐나? 스물 넷이나 먹었으면서 독신으로 열심히 살아왔던 그 아가씨 말이야."

야부키는 어딘지 모르게 징그러운 웃음을 띄우며 쿠마모토 박사를 쳐다보았다.

"아, 그 아이요……"

박사는 순간 안색이 변했다.

"그 아이는 이미 죽었습니다. 맹장염이었거든요. 상, 상당히 오래된 일입니다."

"그래? 죽었어? 죽었다면, 어쩔 수 없지."

후키야는 그 말을 듣자마자 그 아가씨에 대해 흥미를 잃은 듯한 말을 했다. 그리고 다시 오겠다며 총총걸음으로 방을 나섰다.

새벽 1시.

의대생 후키야는 그제서야 8일째에 집 앞으로 돌아왔다.

그는 겸연쩍게 출입문 열쇠구멍으로 열쇠를 집어넣었다.

‘내가 너무 지나치게 놀았나. 살아있는 창자 ―― 그렇지. 치코라는 이름을 붙여줬었지. 치코는 아직 살아있을까. 죽어 있더라도 상관 없어. 어쨌든 세계 의학자들을 놀라게 할 만한 논문자료는 이제 충분이 모아놓았다.

그는 출입구 문을 열고 안으로 들어갔다.

퀘퀘한 곰팡이 냄새가 코를 찌른다. 거기에 섞여 어딘지 모르게 여자 체취와도 같은 것도 느낀 듯했다.

‘이상하다’

방안은 캄캄했다.

후키야는 손을 더듬어서 벽에 있는 스위치를 켰다.

순간 환하게 밝았다.

그는 쓸쓸한 듯한 눈으로 실내를 돌아보았다.

치코의 모습은 탁자 위에도 없었다.

‘이상하다? 치코는 죽었나? 아니면 틈새로 해서 바깥으로 도망쳤을까?"

이런저런 생각을 했으나, 문득 떠오르는 것이 있어, 나갈 때 치코를 위해 만들어 놓은 설탕물이 담긴 접시 쪽으로 눈을 돌렸다.

유리 접시 안에는 설망물이 아직 절반 정도나 남아 있었다 그는 놀라운 소리를 냈다.

"어? 지금쯤이면 설탕물도 바닥이 났을 줄 알았는데 ―― 치코 이 녀석은 도대체 어떻게 된 거야."

바로 그 순간.

후키야 눈 앞에 무언가 흰 지팡이와도 같은 것이 기이한 신음소리를 내며 휙 날라왔다.

"으악!"

소리도 낼 틈도 없이 그것은 후키야 머리에 휘감겼다.

"으으윽 ――"

후키야의 목은 강력한 힘으로 조여졌다. 그는 허공을 잡으며 그 자리에 쓰러지고 말았다.

의대생 후키야의 시신이 발견된 것은 그로부터 반 년이나 지난 후였다. 일 년치씩 내기로 되어 있는 집세를 주인이 독촉하러 왔을 때야 비로소 알게 되었다. 그의 시신은 이미 백골을 드러내고 있었다.

후키야의 사망원인을 아는 자는 아무도 없었다.

그리고 또한 그가 남긴 ‘살아있는 창자 치코’에 관한 위대한 실험에 대해서도 누구 하나 아는 자가 없었다.

‘살아있는 창자’에 대한 실험은 모두 백지가 되고 말았다.

단 한 사람, 쿠마모토 박사는 후키야에게 제공한 ‘살아있는 창자’에 대한 사실을 간혹 떠올리곤 하였다. 사실 그 창자는 어떤 재소자부터 얻는 것이 아니었다.

‘살아있는 창자’는 도대체 누구 뱃속에서 나온 것인가.

그것은 ○○형무병원에 근무하던, 스물 네 살 먹은 처녀 교환수로부터 얻어진 창자였다. 그녀는 맹장염으로 세상을 떠났으나, 그 때 집도한 의사가 쿠마모토 박사였다고 하면 그 다음 설명은 필요 없을 것이다.

처녀 뱃속에서 절단된 ‘살아있는 창자’가 의대생 후키야의 목을 졸라 그를 죽인 사실은 그의 죽음을 남몰래 기뻐하는 쿠마모토 박사도 모른다.

더군다나 ‘살아있는 창자’ 치코가 후키야와 120일에 걸친 동거생활 동안 그에게 대단한 애착을 가지고 있었다는 사실, 그리고 8일만에 돌아온 그의 목소리를 듣고는 너무 기쁜 나머지 후키야의 목을 향해 달려들어, 불행하게도 후키야를 목 졸라 죽이게 하고 말았다는 사실 또한 상상조차 못했을 것이다.

그 ‘살아있는 창자’가 설마 그와 같은 여성 몸에서부터 나온 창자라는 것을 눈치채지 못했던 의대생 후키야 류지야말로 대단히 불행하게 되고 말았다.

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아그니의 신(神)

아쿠타가와 류노스케(芥川龍之介)(1921)

일본어 원문


      一


 支那(シナ)の上海(シャンハイ)の或(ある)町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度(インド)人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加(アメリカ)人と何か頻(しきり)に話し合っていました。

「実は今度もお婆さんに、占いを頼みに来たのだがね、――」

 亜米利加人はそう言いながら、新しい巻煙草(まきたばこ)へ火をつけました。

「占いですか? 占いは当分見ないことにしましたよ」

 婆さんは嘲(あざけ)るように、じろりと相手の顔を見ました。

「この頃は折角見て上げても、御礼さえ碌(ろく)にしない人が、多くなって来ましたからね」

「そりゃ勿論(もちろん)御礼をするよ」

 亜米利加人は惜しげもなく、三百弗(ドル)の小切手を一枚、婆さんの前へ投げてやりました。

「差当りこれだけ取って置くさ。もしお婆さんの占いが当れば、その時は別に御礼をするから、――」

 婆さんは三百弗の小切手を見ると、急に愛想(あいそ)がよくなりました。

「こんなに沢山頂いては、反(かえ)って御気の毒ですね。――そうして一体又あなたは、何を占ってくれろとおっしゃるんです?」

「私(わたし)が見て貰(もら)いたいのは、――」

 亜米利加人は煙草を啣(くわ)えたなり、狡猾(こうかつ)そうな微笑を浮べました。

「一体日米戦争はいつあるかということなんだ。それさえちゃんとわかっていれば、我々商人は忽(たちま)ちの内に、大金儲(おおがねもう)けが出来るからね」

「じゃ明日(あした)いらっしゃい。それまでに占って置いて上げますから」

「そうか。じゃ間違いのないように、――」

 印度人の婆さんは、得意そうに胸を反(そ)らせました。

「私の占いは五十年来、一度も外(はず)れたことはないのですよ。何しろ私のはアグニの神が、御自身御告げをなさるのですからね」

 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間(ま)の戸口へ行って、

「恵蓮(えれん)。恵蓮」と呼び立てました。

 その声に応じて出て来たのは、美しい支那人の女の子です。が、何か苦労でもあるのか、この女の子の下(しも)ぶくれの頬(ほお)は、まるで蝋(ろう)のような色をしていました。

「何を愚図々々(ぐずぐず)しているんだえ? ほんとうにお前位、ずうずうしい女はありゃしないよ。きっと又台所で居睡(いねむ)りか何かしていたんだろう?」

 恵蓮はいくら叱(しか)られても、じっと俯向(うつむ)いたまま黙っていました。

「よくお聞きよ。今夜は久しぶりにアグニの神へ、御伺いを立てるんだからね、そのつもりでいるんだよ」

 女の子はまっ黒な婆さんの顔へ、悲しそうな眼を挙(あ)げました。

「今夜ですか?」

「今夜の十二時。好(い)いかえ? 忘れちゃいけないよ」

 印度人の婆さんは、脅(おど)すように指を挙げました。

「又お前がこの間のように、私に世話ばかり焼かせると、今度こそお前の命はないよ。お前なんぞは殺そうと思えば、雛(ひよ)っ仔(こ)の頸(くび)を絞めるより――」

 こう言いかけた婆さんは、急に顔をしかめました。ふと相手に気がついて見ると、恵蓮はいつか窓際(まどぎわ)に行って、丁度明いていた硝子(ガラス)窓から、寂しい往来を眺(なが)めているのです。

「何を見ているんだえ?」

 恵蓮は愈(いよいよ)色を失って、もう一度婆さんの顔を見上げました。

「よし、よし、そう私を莫迦(ばか)にするんなら、まだお前は痛い目に会い足りないんだろう」

 婆さんは眼を怒(いか)らせながら、そこにあった箒(ほうき)をふり上げました。

 丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩(たた)く音が、突然荒々しく聞え始めました。


     二


 その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外を通りかかった、年の若い一人の日本人があります。それがどう思ったのか、二階の窓から顔を出した支那人の女の子を一目見ると、しばらくは呆気(あっけ)にとられたように、ぼんやり立ちすくんでしまいました。

 そこへ又通りかかったのは、年をとった支那人の人力車夫です。

「おい。おい。あの二階に誰が住んでいるか、お前は知っていないかね?」

 日本人はその人力車夫へ、いきなりこう問いかけました。支那人は楫棒(かじぼう)を握ったまま、高い二階を見上げましたが、「あすこですか? あすこには、何とかいう印度人の婆さんが住んでいます」と、気味悪そうに返事をすると、匆々(そうそう)行きそうにするのです。

「まあ、待ってくれ。そうしてその婆さんは、何を商売にしているんだ?」

「占い者(しゃ)です。が、この近所の噂(うわさ)じゃ、何でも魔法さえ使うそうです。まあ、命が大事だったら、あの婆さんの所なぞへは行かない方が好(よ)いようですよ」

 支那人の車夫が行ってしまってから、日本人は腕を組んで、何か考えているようでしたが、やがて決心でもついたのか、さっさとその家の中へはいって行きました。すると突然聞えて来たのは、婆さんの罵(ののし)る声に交った、支那人の女の子の泣き声です。日本人はその声を聞くが早いか、一股(ひとまた)に二三段ずつ、薄暗い梯子(はしご)を駈(か)け上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩き出しました。

 戸は直ぐに開きました。が、日本人が中へはいって見ると、そこには印度人の婆さんがたった一人立っているばかり、もう支那人の女の子は、次の間へでも隠れたのか、影も形も見当りません。

「何か御用ですか?」

 婆さんはさも疑わしそうに、じろじろ相手の顔を見ました。

「お前さんは占い者だろう?」

 日本人は腕を組んだまま、婆さんの顔を睨(にら)み返しました。

「そうです」

「じゃ私の用なぞは、聞かなくてもわかっているじゃないか? 私も一つお前さんの占いを見て貰いにやって来たんだ」

「何を見て上げるんですえ?」

 婆さんは益(ますます)疑わしそうに、日本人の容子(ようす)を窺(うかが)っていました。

「私の主人の御嬢さんが、去年の春行方(ゆくえ)知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」

 日本人は一句一句、力を入れて言うのです。

「私の主人は香港(ホンコン)の日本領事だ。御嬢さんの名は妙子(たえこ)さんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが――どうだね? その御嬢さんはどこにいらっしゃる」

 遠藤はこう言いながら、上衣(うわぎ)の隠しに手を入れると、一挺(ちょう)のピストルを引き出しました。

「この近所にいらっしゃりはしないか? 香港の警察署の調べた所じゃ、御嬢さんを攫(さら)ったのは、印度人らしいということだったが、――隠し立てをすると為(ため)にならんぞ」

 しかし印度人の婆さんは、少しも怖(こわ)がる気色(けしき)が見えません。見えないどころか唇(くちびる)には、反って人を莫迦にしたような微笑さえ浮べているのです。

「お前さんは何を言うんだえ? 私はそんな御嬢さんなんぞは、顔を見たこともありゃしないよ」

「嘘(うそ)をつけ。今その窓から外を見ていたのは、確(たしか)に御嬢さんの妙子さんだ」

 遠藤は片手にピストルを握ったまま、片手に次の間の戸口を指さしました。

「それでもまだ剛情を張るんなら、あすこにいる支那人をつれて来い」

「あれは私の貰い子だよ」

 婆さんはやはり嘲るように、にやにや独(ひと)り笑っているのです。

「貰い子か貰い子でないか、一目見りゃわかることだ。貴様がつれて来なければ、おれがあすこへ行って見る」

 遠藤が次の間へ踏みこもうとすると、咄嗟(とっさ)に印度人の婆さんは、その戸口に立ち塞(ふさ)がりました。

「ここは私の家(うち)だよ。見ず知らずのお前さんなんぞに、奥へはいられてたまるものか」

「退(ど)け。退かないと射殺(うちころ)すぞ」

 遠藤はピストルを挙げました。いや、挙げようとしたのです。が、その拍子に婆さんが、鴉(からす)の啼(な)くような声を立てたかと思うと、まるで電気に打たれたように、ピストルは手から落ちてしまいました。これには勇み立った遠藤も、さすがに胆(きも)をひしがれたのでしょう、ちょいとの間は不思議そうに、あたりを見廻していましたが、忽ち又勇気をとり直すと、

「魔法使め」と罵(ののし)りながら、虎(とら)のように婆さんへ飛びかかりました。

 が、婆さんもさるものです。ひらりと身を躱(かわ)すが早いか、そこにあった箒(ほうき)をとって、又掴(つか)みかかろうとする遠藤の顔へ、床(ゆか)の上の五味(ごみ)を掃きかけました。すると、その五味が皆火花になって、眼といわず、口といわず、ばらばらと遠藤の顔へ焼きつくのです。

 遠藤はとうとうたまり兼ねて、火花の旋風(つむじかぜ)に追われながら、転(ころ)げるように外へ逃げ出しました。


     三


 その夜(よ)の十二時に近い時分、遠藤は独り婆さんの家の前にたたずみながら、二階の硝子窓に映る火影(ほかげ)を口惜(くや)しそうに見つめていました。

「折角御嬢さんの在(あ)りかをつきとめながら、とり戻すことが出来ないのは残念だな。一そ警察へ訴えようか? いや、いや、支那の警察が手ぬるいことは、香港でもう懲り懲りしている。万一今度も逃げられたら、又探すのが一苦労だ。といってあの魔法使には、ピストルさえ役に立たないし、――」

 遠藤がそんなことを考えていると、突然高い二階の窓から、ひらひら落ちて来た紙切れがあります。

「おや、紙切れが落ちて来たが、――もしや御嬢さんの手紙じゃないか?」

 こう呟(つぶや)いた遠藤は、その紙切れを、拾い上げながらそっと隠した懐中電燈を出して、まん円(まる)な光に照らして見ました。すると果して紙切れの上には、妙子が書いたのに違いない、消えそうな鉛筆の跡があります。


「遠藤サン。コノ家(うち)ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々真夜中ニ私(わたくし)ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ乗リ移ラセマス。私ハソノ神ガ乗リ移ッテイル間中、死ンダヨウニナッテイルノデス。デスカラドンナ事ガ起ルカ知リマセンガ、何デモオ婆サンノ話デハ、『アグニ』ノ神ガ私ノ口ヲ借リテ、イロイロ予言ヲスルノダソウデス。今夜モ十二時ニハオ婆サンガ又『アグニ』ノ神ヲ乗リ移ラセマス。イツモダト私ハ知ラズ知ラズ、気ガ遠クナッテシマウノデスガ、今夜ハソウナラナイ内ニ、ワザト魔法ニカカッタ真似(まね)ヲシマス。ソウシテ私ヲオ父様ノ所ヘ返サナイト『アグニ』ノ神ガオ婆サンノ命ヲトルト言ッテヤリマス。オ婆サンハ何ヨリモ『アグニ』ノ神ガ怖(こわ)イノデスカラ、ソレヲ聞ケバキット私ヲ返スダロウト思イマス。ドウカ明日(あした)ノ朝モウ一度、オ婆サンノ所ヘ来テ下サイ。コノ計略ノ外(ほか)ニハオ婆サンノ手カラ、逃ゲ出スミチハアリマセン。サヨウナラ」


 遠藤は手紙を読み終ると、懐中時計を出して見ました。時計は十二時五分前です。

「もうそろそろ時刻になるな、相手はあんな魔法使だし、御嬢さんはまだ子供だから、余程運が好くないと、――」

 遠藤の言葉が終らない内に、もう魔法が始まるのでしょう。今まで明るかった二階の窓は、急にまっ暗になってしまいました。と同時に不思議な香(こう)の匂(におい)が、町の敷石にも滲(し)みる程、どこからか静(しずか)に漂って来ました。


     四


 その時あの印度人の婆さんは、ランプを消した二階の部屋の机に、魔法の書物を拡(ひろ)げながら、頻(しきり)に呪文(じゅもん)を唱えていました。書物は香炉の火の光に、暗い中でも文字だけは、ぼんやり浮き上らせているのです。

 婆さんの前には心配そうな恵蓮が、――いや、支那服を着せられた妙子が、じっと椅子に坐っていました。さっき窓から落した手紙は、無事に遠藤さんの手へはいったであろうか? あの時往来にいた人影は、確に遠藤さんだと思ったが、もしや人違いではなかったであろうか?――そう思うと妙子は、いても立ってもいられないような気がして来ます。しかし今うっかりそんな気(け)ぶりが、婆さんの眼にでも止まったが最後、この恐しい魔法使いの家から、逃げ出そうという計略は、すぐに見破られてしまうでしょう。ですから妙子は一生懸命に、震える両手を組み合せながら、かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったように、見せかける時の近づくのを今か今かと待っていました。

 婆さんは呪文を唱えてしまうと、今度は妙子をめぐりながら、いろいろな手ぶりをし始めました。或時は前へ立ったまま、両手を左右に挙げて見せたり、又或時は後へ来て、まるで眼かくしでもするように、そっと妙子の額の上へ手をかざしたりするのです。もしこの時部屋の外から、誰か婆さんの容子を見ていたとすれば、それはきっと大きな蝙蝠(こうもり)か何かが、蒼白(あおじろ)い香炉の火の光の中に、飛びまわってでもいるように見えたでしょう。

 その内に妙子はいつものように、だんだん睡気(ねむけ)がきざして来ました。が、ここで睡ってしまっては、折角の計略にかけることも、出来なくなってしまう道理です。そうしてこれが出来なければ、勿論二度とお父さんの所へも、帰れなくなるのに違いありません。

「日本の神々様、どうか私(わたし)が睡らないように、御守りなすって下さいまし。その代り私はもう一度、たとい一目でもお父さんの御顔を見ることが出来たなら、すぐに死んでもよろしゅうございます。日本の神々様、どうかお婆さんを欺(だま)せるように、御力を御貸し下さいまし」

 妙子は何度も心の中に、熱心に祈りを続けました。しかし睡気はおいおいと、強くなって来るばかりです。と同時に妙子の耳には、丁度銅鑼(どら)でも鳴らすような、得体の知れない音楽の声が、かすかに伝わり始めました。これはいつでもアグニの神が、空から降りて来る時に、きっと聞える声なのです。

 もうこうなってはいくら我慢しても、睡らずにいることは出来ません。現に目の前の香炉の火や、印度人の婆さんの姿でさえ、気味の悪い夢が薄れるように、見る見る消え失(う)せてしまうのです。

「アグニの神、アグニの神、どうか私(わたし)の申すことを御聞き入れ下さいまし」

 やがてあの魔法使いが、床の上にひれ伏したまま、嗄(しわが)れた声を挙げた時には、妙子は椅子に坐りながら、殆(ほとん)ど生死も知らないように、いつかもうぐっすり寝入っていました。


     五


 妙子は勿論婆さんも、この魔法を使う所は、誰の眼にも触れないと、思っていたのに違いありません。しかし実際は部屋の外に、もう一人戸の鍵穴(かぎあな)から、覗(のぞ)いている男があったのです。それは一体誰でしょうか?――言うまでもなく、書生の遠藤です。

 遠藤は妙子の手紙を見てから、一時は往来に立ったなり、夜明けを待とうかとも思いました。が、お嬢さんの身の上を思うと、どうしてもじっとしてはいられません。そこでとうとう盗人(ぬすびと)のように、そっと家の中へ忍びこむと、早速この二階の戸口へ来て、さっきから透き見をしていたのです。

 しかし透き見をすると言っても、何しろ鍵穴を覗くのですから、蒼白い香炉の火の光を浴びた、死人のような妙子の顔が、やっと正面に見えるだけです。その外(ほか)は机も、魔法の書物も、床にひれ伏した婆さんの姿も、まるで遠藤の眼にははいりません。しかし嗄(しわが)れた婆さんの声は、手にとるようにはっきり聞えました。

「アグニの神、アグニの神、どうか私の申すことを御聞き入れ下さいまし」

 婆さんがこう言ったと思うと、息もしないように坐っていた妙子は、やはり眼をつぶったまま、突然口を利(き)き始めました。しかもその声がどうしても、妙子のような少女とは思われない、荒々しい男の声なのです。

「いや、おれはお前の願いなぞは聞かない。お前はおれの言いつけに背(そむ)いて、いつも悪事ばかり働いて来た。おれはもう今夜限り、お前を見捨てようと思っている。いや、その上に悪事の罰を下してやろうと思っている」

 婆さんは呆気(あっけ)にとられたのでしょう。暫くは何とも答えずに、喘(あえ)ぐような声ばかり立てていました。が、妙子は婆さんに頓着(とんじゃく)せず、おごそかに話し続けるのです。

「お前は憐(あわ)れな父親の手から、この女の子を盗んで来た。もし命が惜しかったら、明日(あす)とも言わず今夜の内に、早速この女の子を返すが好(よ)い」

 遠藤は鍵穴に眼を当てたまま、婆さんの答を待っていました。すると婆さんは驚きでもするかと思いの外(ほか)、憎々しい笑い声を洩(も)らしながら、急に妙子の前へ突っ立ちました。

「人を莫迦(ばか)にするのも、好(い)い加減におし。お前は私を何だと思っているのだえ。私はまだお前に欺される程、耄碌(もうろく)はしていない心算(つもり)だよ。早速お前を父親へ返せ――警察の御役人じゃあるまいし、アグニの神がそんなことを御言いつけになってたまるものか」

 婆さんはどこからとり出したか、眼をつぶった妙子の顔の先へ、一挺のナイフを突きつけました。

「さあ、正直に白状おし。お前は勿体(もったい)なくもアグニの神の、声色(こわいろ)を使っているのだろう」

 さっきから容子を窺っていても、妙子が実際睡っていることは、勿論遠藤にはわかりません。ですから遠藤はこれを見ると、さては計略が露顕したかと思わず胸を躍(おど)らせました。が、妙子は相変らず目蓋(まぶた)一つ動かさず、嘲笑(あざわら)うように答えるのです。

「お前も死に時が近づいたな。おれの声がお前には人間の声に聞えるのか。おれの声は低くとも、天上に燃える炎の声だ。それがお前にはわからないのか。わからなければ、勝手にするが好(い)い。おれは唯(ただ)お前に尋ねるのだ。すぐにこの女の子を送り返すか、それともおれの言いつけに背くか――」

 婆さんはちょいとためらったようです。が、忽ち勇気をとり直すと、片手にナイフを握りながら、片手に妙子の襟髪(えりがみ)を掴(つか)んで、ずるずる手もとへ引き寄せました。

「この阿魔(あま)め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら約束通り、一思いに命をとってやるぞ」

 婆さんはナイフを振り上げました。もう一分間遅れても、妙子の命はなくなります。遠藤は咄嗟(とっさ)に身を起すと、錠のかかった入口の戸を無理無体に明けようとしました。が、戸は容易に破れません。いくら押しても、叩いても、手の皮が摺(す)り剥(む)けるばかりです。


     六


 その内に部屋の中からは、誰かのわっと叫ぶ声が、突然暗やみに響きました。それから人が床の上へ、倒れる音も聞えたようです。遠藤は殆ど気違いのように、妙子の名前を呼びかけながら、全身の力を肩に集めて、何度も入口の戸へぶつかりました。

 板の裂ける音、錠のはね飛ぶ音、――戸はとうとう破れました。しかし肝腎(かんじん)の部屋の中は、まだ香炉に蒼白い火がめらめら燃えているばかり、人気(ひとけ)のないようにしんとしています。

 遠藤はその光を便りに、怯(お)ず怯ずあたりを見廻しました。

 するとすぐに眼にはいったのは、やはりじっと椅子にかけた、死人のような妙子です。それが何故(なぜ)か遠藤には、頭(かしら)に毫光(ごこう)でもかかっているように、厳(おごそ)かな感じを起させました。

「御嬢さん、御嬢さん」

 遠藤は椅子へ行くと、妙子の耳もとへ口をつけて、一生懸命に叫び立てました。が、妙子は眼をつぶったなり、何とも口を開きません。

「御嬢さん。しっかりおしなさい。遠藤です」

 妙子はやっと夢がさめたように、かすかな眼を開きました。

「遠藤さん?」

「そうです。遠藤です。もう大丈夫ですから、御安心なさい。さあ、早く逃げましょう」

 妙子はまだ夢現(ゆめうつつ)のように、弱々しい声を出しました。

「計略は駄目だったわ。つい私が眠ってしまったものだから、――堪忍(かんにん)して頂戴よ」

「計略が露顕したのは、あなたのせいじゃありませんよ。あなたは私と約束した通り、アグニの神の憑(かか)った真似(まね)をやり了(おお)せたじゃありませんか?――そんなことはどうでも好(い)いことです。さあ、早く御逃げなさい」

 遠藤はもどかしそうに、椅子から妙子を抱き起しました。

「あら、嘘(うそ)。私は眠ってしまったのですもの。どんなことを言ったか、知りはしないわ」

 妙子は遠藤の胸に凭(もた)れながら、呟(つぶや)くようにこう言いました。

「計略は駄目だったわ。とても私は逃げられなくってよ」

「そんなことがあるものですか。私と一しょにいらっしゃい。今度しくじったら大変です」

「だってお婆さんがいるでしょう?」

「お婆さん?」

 遠藤はもう一度、部屋の中を見廻しました。机の上にはさっきの通り、魔法の書物が開いてある、――その下へ仰向(あおむ)きに倒れているのは、あの印度人の婆さんです。婆さんは意外にも自分の胸へ、自分のナイフを突き立てたまま、血だまりの中に死んでいました。

「お婆さんはどうして?」

「死んでいます」

 妙子は遠藤を見上げながら、美しい眉をひそめました。

「私、ちっとも知らなかったわ。お婆さんは遠藤さんが――あなたが殺してしまったの?」

 遠藤は婆さんの屍骸(しがい)から、妙子の顔へ眼をやりました。今夜の計略が失敗したことが、――しかしその為に婆さんも死ねば、妙子も無事に取り返せたことが、――運命の力の不思議なことが、やっと遠藤にもわかったのは、この瞬間だったのです。

「私が殺したのじゃありません。あの婆さんを殺したのは今夜ここへ来たアグニの神です」

 遠藤は妙子を抱(かか)えたまま、おごそかにこう囁(ささや)きました。

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